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 誰も掃除をしないのか、枯れ木や海藻がやけに目立つ。

 そこでハタと気がついた。

 目の前に見たこともない金髪の子供が立っている。

 まるでお人形さんのような……断言はできないがおそらく少年。

 年の頃なら十歳前後。

 明らかに場違いな、黒いダウンコートを着ている。

「このたびは、なんと言うか……ご愁傷様でした」

 しゃべった。

「なぁぁぁ!?」

 突然の出来事に防衛本能を著しく刺激された美香子は、知らない子供相手につい手を振り上げる。

 しかし少年は美香子を見つめたまま立ち尽くし、身を守ろうとする気配もない。

 あまりにも無防備。

 そしてその大きな青い瞳には、いっぱいの涙。

 ――何で、泣いてるの?

 思った時にはもう遅い。

 美香子の意思に反し、彼女のこぶしは少年の無防備な左鎖骨めがけ振り下ろされてしまった。

 鈍い音。

 小さくうめきながらゆっくりと崩れ落ちる少年。

 舞い散る涙。

 見送る美香子。

 すべてがスローモーション。


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