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恋する瞬間
「じゃあ、べー、吹ける人。」
今日は、1年だけで初めての合奏。裕也が言う。
晶がゆっくり、自身ありげに手を挙げた。
「おっ、名前は?」
「仲川晶です。」
「仲川か。じゃあ、べー吹いてみて。」
晶が吹いた瞬間、ありすは、「なんて綺麗なべーなの。きっと、心が綺麗だからなんだろうなぁ」
そう思った。
そして、恋をした。
次の日。
「仲川。ちょっときてくれへん?」
「うん」
晶は「こいつ、誰やろう。」と思いながら、いったら、
「いきなりごめん。誰かわからんよな。あたしは瀬田ありす。よろしくね!で、プロフ書いてくれへん?」
第七大阪中学校吹奏楽部は、プロフ(※1)を書くことがブームだった。
「先輩からも3・4枚もらっていたから、1枚位もらったって、あまり変わらないだろう」と思っていた晶は、「分かった。ちょーだい」といって、受け取った。
(※1)「プロフ」とは?
プロフとは、「プロフィール帳」の略。
ありすは晶にプロフを渡せました。
さて、これからどんな恋が始まるのでしょうか?