2つの出会い[2話]
ありすはクラリネットを3人の先生の前で吹いてみた。
いつも、吹いてもあまりいい音は鳴らないが、今、吹いてみると意外と音が鳴る。ありすは本番に強いタイプなんだと本気で思った。「はい。ありがとう。」ゆりがそう言う。
「ありがとうございました!」ありすもゆりにつられて言う。
次は、トロンボーンの番だった。
晶はトロンボーンが吹きたかった。
「よろしくお願いします」晶が言う。
「どうぞ。」ゆりが答える。
いい音が音楽室に響いた。
「はい。いいよ。」ゆりが答える。
「ありがとうございました…」
晶的にはあまりいい音ではなかったようだ。
「全員のオーディションが終わったので、ここで昼休みにしたいと思います」ゆりが疲れたようなオーラを出しながら、そう言った。
昼休み。
「ありす~!」
そう呼んできたのは、1年1組で、第七大阪中学校に入って最初に友達になった柚羽だった。
「柚羽~!どうしたん?」
「クラリネットどうやった?」
「まぁ、なんとか…柚羽はサックスどうなん?」
「ヤバい。無理かも…こうなったらパーカッションを狙う。でもパーカッションもヤバかったんよ…」
「マジ!?ヤバいやん…どうする~!?」
そうこうしているうちに、オーディションの結果発表が始まった。
さて、ありすはクラリネットになれるのでしょうか?
また、柚羽も念願のサックスになれるのでしょうか?それとも、折れて、パーカッションになるのでしょうか?