お父さん、ありがとう[2話]
次の日―――。
「昨日、関西空港から16時発の飛行機が墜落しました。死亡者は瀬田信宏さん、…………重傷者は……………です。」
美琴がたまたまテレビを見ていた。美琴は頭が真っ白になった。
「あの人が………」
「ママ、どーしたの?」
ありすの手を凉が握って美琴の元にやってきた。
「ううん。何でもないよ」
「涙出てるよ」
「あ………」
そう言いながら美琴は必死に涙を拭った。
「何があったの?もしかして、パパの事?ママ、教えてよ」
ありすはすぐに察知した。
「うん。ありすも凉もちゃんと聞いてね。」
「うん」
ありすのしっかりした返答。
「はーい」
凉の何も分かっていない(2歳だった為に何も分からなかった。)返答。
「実はね…パパ、いなくなっちゃった…」
「ずっといないじゃん」
凉は真顔で答えた。
「凉、いなくなっちゃったってのは……」
「まって!」
ありすが美琴の発言を止める。
「もういいじゃん!まだ凉だって2歳だよ!今、こんな事、言わなくても後々言えばいいじゃない!もうママの泣いた顔、見たくないよ!!」
ありすは自然と涙がぼろぼろこぼれた。
「…………ありす……ありがとう」
そんな凉も10歳。
もうそろそろこの話をしてもいい年頃だ。ありすは5歳であんな風になったのだから、凉も大丈夫だろうと美琴は思った。
ついに凉にも言う時期が来ましたね!
このお話を書いていて私も涙が出ました´`
次回もお楽しみに★