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第1話 アカバラの少女



この歳になると一年というのは昔に比べてあっという間になってしまい、思い返してみると薄っぺらいものだったと感じる。一年を無駄に過ごしてしまった感はぬぐえないのだが、だからといって来年はもっと密度の濃い青春を謳歌してやろうとも思えない。


一度過ぎ去った青春は帰ってこないというのは重々承知なのだが、毎日の登下校や授業にテスト。そんなものの相手を続けることに精一杯になっていると、青春の醍醐味をとりこぼしてしまったり、たまの休日もいかに次の学校の日までに平日だらけられなかった分を取り返すかなんていうことに躍起になってしまう。


そんなこんなで高校一年は終わりを迎え、今日から二年生。二年生になると履修する科目が増え、内容もさらに難しくなると聞く。一年生時以上の過酷な学校生活を強いられることを思い気分が憂鬱になる中、新天地にわくわくする感情も芽生えているのも事実。


俺は高揚した気持ちで通学路を駆け抜ける。


「遅刻遅刻ぅ~、なんてな。運命の出会いはそう簡単には拾えないよな。」


出会いの定番フラグを口ずさんでみるが、やはり何も起こらない。しかしクラス変えというものはテンションが上がる。普段じゃ絶対にならないような妙なテンションに陥っているな。


(浮かれててもしょうがないし、ここらへんでシャキッとしないと...!!)


俺は気持ちを切り替え、校舎へつながる坂道を登っていく。


すると、風に吹かれる一凛の花、いや、一凛の赤薔薇が目に入った。


「...!?」


俺は坂上の赤薔薇に目と思考を奪われる。


月並みな表現だが、彼女を表すのに一番適した花が赤薔薇だった。


美の象徴と言っても差支えの無い、花弁のような端正な顔立ちから茎のように細い体。しかし、大きな双眸からは刺すような鋭い眼光を宿している。


しばらく俺は硬直していると、彼女はこちらの視線に気づいたのか数秒こちらを振り向くと、やがて興味を無くしたようにスタスタと道なりを進んでいった。


(とんでもない美人だったなぁ...、同じ豊浜高校の制服だったし、何年生なんだ?)


彼女が見えなくなってしばらくして、俺はようやく思考を取り戻すと、慌てて校舎の方へと走り出す。


「まだ見つかるかな、あの人...!」







はじめまして。前方です。こちらの作品はカクヨムにて投稿している作品なのですが、一人でも多くの方に一読いただきたくこちらのサイトでも投稿していこうと思います。

カクヨムの方から若干の加筆修正、地の文の人称の変更、話数の区切りを多くするなどして、読みやすくしています。

カクヨムの方も気になった方がいましたら、ぜひそちらも一読して下さい!!

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