隠された力
翌日、ジークフリートは計画の一環として、奴隷たちの装備を整えるために防具屋に足を運んだ。店内には、整然と並べられた防具や武具が、金属の輝きと皮革の匂いで満ちている。
「こちらでよろしいでしょうか、ジークフリート様?」
セバスチャンは常に冷静な調子で声をかけてくる。彼の目線は、慎重に周囲を見渡しながら、ジークフリートの動きを注視していた。
ジークフリートは真剣に防具を見つめながら、ゆっくりと頷いた。
「奴隷たちの装備を整える。質の良いものを頼む。」
「承知いたしました。」
セバスチャンは商人と軽くやりとりをし、丁寧に防具を選んでいく。その間、ジークフリートは静かに店内の他の棚を眺めていたが、心はすでに次の目的へと向かっていた。
「セバスチャン、少し行きたい場所がある。」
ジークフリートがそう言うと、セバスチャンは無言で一歩下がり、静かに頷いた。
「どちらに行かれるおつもりですか?」
「古い倉庫だ。祖父が使っていた場所だが、長い間使われていなかった。」
ジークフリートはそう告げ、セバスチャンと共に屋敷の外れにある古びた倉庫へと向かった。その倉庫は、誰も立ち入ることなく、時折忘れ去られたかのように静まり返っている。
ジークフリートは扉を開け、闇に包まれた中を慎重に歩を進めた。その奥の棚に、かすかな光を反射する何かが見えた。
「これだ。」
ジークフリートが見つけたのは、古びた箱の中に収められた二振りの短剣。どこか神秘的な輝きが漂い、長年の眠りから覚めたかのように鋭い刃を持っていた。
「これは……!」
セバスチャンは驚きの表情を隠せず、じっと短剣を見つめる。
「長らく忘れられていた物のようですね。まさかこれが……」
ジークフリートは二振りの短剣を手に取り、軽く振ってみる。
「この性能なら、間違いない。」
セバスチャンも静かに頷く。
「まさに特別な武器ですね。これほどのものが、こんな場所に隠されていたとは。」
ジークフリートはそのまま短剣を二振り手に取り、セバスチャンに渡す。
「これを奴隷たちに渡して、しっかりと使いこなせるように訓練させてくれ。」
「かしこまりました。」
セバスチャンは短剣を大切そうに受け取ると、静かにうなずいた。
「ご指示通り、最善を尽くします。」
その後、ジークフリートはセバスチャンと共に屋敷に戻り、二振りの短剣と共に奴隷たちへ新たな武器を渡した。セバスチャンはすぐに訓練を開始し、彼らの腕を鍛え上げていく。ジークフリートはその間に計画を練り、父親を倒すための最終手順を着々と整えていた。
奴隷たちは、短剣を手にして少しずつその使い方を学び、ジークフリートはその姿を見ながら、無駄のない計画を立てる。
彼の心の中では、確かな勝利への道筋が描かれつつあった。