新たな仲間を求めて
食事を終え、ジークフリートは父親アンドレアスの厳格な視線から逃れるようにして、自室を後にした。心の中では、すでに次の行動を考えている。
(父親の暗殺――それは最終的な目標だ。しかし、まずは力を集めなければ。)
ジークフリートはまず、セバスチャンに剣術を学ぶことを決めていた。父親に仕える元暗殺者の技術は、今後の計画に欠かせない。
「セバスチャン。」
ジークフリートが執事室に足を踏み入れると、年老いた執事は静かに立ち上がった。
「はい、ジークフリート様。何かご用でございますか?」
その丁寧な言葉遣いに、ジークフリートは少しだけ表情を和らげて答えた。
「剣術を教えてくれ。お前の技術がどれほどのものか、試してみたい。」
セバスチャンは一瞬、驚いたように目を見開くが、すぐに平静を取り戻した。
「かしこまりました。しかし、少しお待ちください。ご準備いたしますので。」
ジークフリートは、セバスチャンの言葉に軽く頷くと、しばしの間、館内を歩きながら考えた。
(父親を倒すには力がいる。セバスチャンから剣術を学べば、少なくとも肉体的な面での準備は整うだろう。)
しばらくして、セバスチャンが剣と防具を持って現れた。
「では、始めます。まずは基本から。ご覚悟を。」
ジークフリートは、身を引き締めて構えを取る。セバスチャンの剣技は一振り一振りに圧倒的な力と技術が込められており、見ているだけでその凄まじさを感じることができた。
――数時間後、体力が限界に達し、ジークフリートは剣を下ろした。
「良い腕だ。お前の技術は想像以上だな。」
セバスチャンは微かに微笑みながら答える。
「ありがとうございます、ジークフリート様。しかし、これで終わりではございません。さらに修練を重ねなければ、実戦では通用しません。」
ジークフリートは頷いた。
「分かっている。続けてくれ。」
その後、何度も剣を交わし、基本的な動きや構えを学んだジークフリートは、ようやくセバスチャンの技術に少しずつ追いつき始めていた。
「これで、一歩前進だな。」
満足そうに剣を収めたジークフリートは、次の行動に移ることを決意した。
(父親を倒すためには、まずは力を持つ仲間が必要だ。)
ジークフリートは思い立ち、早速次の計画を立てた。
「次は奴隷商だ。」
ゲーム内で重要な役割を果たしていた、あの獣人の女性――。奴隷商人が取り扱っていた彼女のことを、ジークフリートは今でも鮮明に覚えていた。彼女は戦闘において非常に強力な存在であり、ジークフリートの計画においても欠かせない仲間になるはずだ。
だが、ここで一つ重要なことがある。
(彼女を探す場所は知っている。ただし、今のところ、ゲームの知識を他の者に伝えるつもりはない。)
ジークフリートはその決意を胸に、足早に部屋を出た。
そのまま庭を通り、屋敷の門を出ると、城下町へ向かう道を歩き始めた。
(これから何をすべきか、少しずつ分かってきた。この世界の価値観を利用し、足りない力を補っていこう。)
彼の目は、確固たる決意に満ちていた。