表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/29

プレゼンテーション②

 翌週の情報の授業。


 「よし、ひと通りまとまったみたいだね」

 プレゼンテーションのデータの作成がほぼ終わり、 俺は達成感に満ちていた。

 あとは発表だけである。


 「笹原と寺沢さんがこのゲームを実況動画で見ててよかった。」

 プレゼンテーションの発表の内容は、アイテムを使って1位を競うレースゲームについてである。

 寺沢さんと笹原さんはプレイをしたことなかったらしいけど、動画投稿サイトに投稿された実況動画はたまに観ていたみたいで、何も知らない状態でやるよりもスムーズに作業が進んだ。


 「でもあのゲーム、楽しかったね。」

 一緒にやりたい、と予想外の提案をしてきた寺沢さんも、楽しかったようで俺は安心した。


 「またいつか休みの日にみんなで集まろ!」

 「うん!」

 「だな!」

 「うん。」

 提案する笹原さんに、返事をする寺沢さん、霧宮、俺。

 中学同様に高校生活でも、俺は敢えて孤独を選ぼうとしていた。

 中学のときにトラウマになるような出来事があり、2度と同じことにはなりたくないという思いからである。

 でも、隣の席の女子、寺沢さんに英語の教科書を見せてもらってから俺にとって、世界が変わったと思う。

 そこから霧宮や笹原さんとも仲良くなり、この4人でイツメンが出来た。

 そしてこの前の休みの日に集まった際、レインのグループも作ろうという話になり、グループが出来た。


 少し前まで俺からは想像できないようなことである。

 でも、1つだけ言えることがある。

 中学のときより今の方が楽しいな…







 1人で寂しそうにしていた西村くんが、友達と一緒に笑うようになった。

 英語の教科書を忘れて困っていた西村くんに、私は教科書を一緒に見ようと伝えた。

 それから少しずつ、西村くんに私は声をかけ始めた。

 西村くんは素っ気なかった。

 ただ悪気があるわけではなく、何か事情があるんじゃないかなと思った。

 素っ気ないながらも、返事の言葉選びや喋り方にどこか優しさを感じていたから。

 西村くんはきっと優しい人なのだと思う。

 ある日の朝、西村くんは私に友達になってほしいと言ってくれた。


 私は嬉しかった。あんなに閉ざしていた西村くんと、仲良くなれた。


 それから沙希と霧宮くんとも仲良くなった。4人の友達の輪ができた。

 休みの日に集まって勉強をしたり、ゲームをした。

西村くんはここ最近、毎日すごく楽しそうにしていて、最初に話しかけて本当に良かったと思う。

 最初の頃の寂しそうな顔はしなくなり、笑っている顔を見るようになった。

 私も毎日が楽しい。これからも仲良くしてほしいな。

 でも、どうしてこんなに彼を見ているのだろう。


 わからない。ただ彼が笑顔でいてくれるのが嬉しい。

 でも、それはなぜだろう。

 自分のことが自分でもわからない。

 この気持ちはなんだろう。


西村の過去については今後深掘りするかも…?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ