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君は僕の光となって 〜孤独の僕と優しい君〜  作者: ななどり


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26/32

事実を伝えたその先に

西村視点に戻ります。

 翌日の放課後。


「…」

 中学からの誤解をようやく解けるかもしれない。“嬉しい”とかではない、複雑な感情に包まれ、そしてそれに加えて不安な気持ちもあった。


 事件直後、俺は必死に否定した。


『俺じゃないんだって!!』


『信じてくれよ!!』


 それでも信じてくれる人はいなかった。


 誰か1人が、根拠もない俺の味方をしたとして、その1人もきっと他の俺を許さないクラスメイトからの標的になるであろう。

 そんな状況で、俺の味方をするだなんて人もいるわけないし、単純に皆は俺を信じてくれなかった。当然ではあると思う。俺に見た目が似ているストーカーだった人が、俺の生徒手帳を落としたのだから。


 誰が見てもきっと俺だと思うだろう。


 そんな状況で逆に自分じゃないという証拠を出せずにいる俺を信じる人なんているわけがなかった。

 あの事件からもう2年と10ヶ月が経とうとしている。

 中学から解けなかった誤解は、果たして今日解けるのだろうか…


「…おーい?」


「あっ!ごめん寺沢(てらさわ)さん!」


 寺沢さんと放課後、学校から制服のまま直接昨日のカフェへ向かっている最中だった。

考え事をしていたら、寺沢さんの呼びかけにも気付けなかったみたい…


「どうしたのー?」


「ちょっと思うところがあって…」


「まぁそうだよね。ずっと1人で抱えてたもんね…でも今は1人じゃないからね。」


 寺沢さんは優しい…。

 こんなときでも、いや、こんなときだからこそ不安に包まれた俺を元気づけようとしてくれる。

 やっぱり俺、そんな寺沢さんのことが…。


「寺沢さん…」


「んー?」


「本当にありがとう…」


「まだ早いでしょ!この後のが終わってからじゃないと!」


「そうだね…」


 そんな話をしていると、いよいよカフェに着いたきっともうすでに亮は店内で待っているだろう。

 深く深呼吸をする。


「行こうか…」


「うん…」


 俺は店の扉に手を伸ばす。

 少しひんやりした扉に手を触れ、開く。


 カランカラン、とドアベルが鳴る。


 店内を見渡すと下を向いて席に座っている(りょう)西島(にしじま)くんの姿が目に入る。

 俺と寺沢さんはそのテーブルに向かい、2人の反対側に座った。

 コーヒーを注文し、4人での話が始まろうとしていた。


 すると亮が顔を上げて、俺の方を見て口を開く。


真翔(まなと)…本当にごめん…っ!」


 いきなりのことだった。


「え…?」


「西島から話は聞いたんだ。俺、知らなくて…」


 このことを知らないのは亮だけじゃない。

 本人である西島しか知らなかったことだと思う。


「わかったくれたんだ…亮…」 

 俺は涙が溢れそうになっていた。

 小学校から仲良かった親友に誤解されて、それ以降、親友どころかクラスメイト全員が俺から離れていった。

 でも、2年と10ヶ月程の年月を経て、今日ようやく仲直りができるかもしれない。


 その後、いろいろ話をした。


 亮は中学の同級生の誤解を解いてくれると言ってくれたが、俺としてはもう交流のない中学の同級生の誤解が今更解けても意味ないので何もしないでとお願いをした。


 そして俺はもう1つ、お願いをした。


 それは西島くんを責めないであげてほしいということ。


 もちろん西島くんのしたことは絶対に許されることではないと思う。

 だけど深く反省している今、俺がしてきた辛い思いをしてほしくない気持ちが大きかった。


 亮もわかってくれて、西島くんはただひたすら何度もごめんなさい、ごめんなさい、と謝っていた。


 話も終わり、18時頃。亮と西島くんと解散し、俺は暗くなってきた住宅街を寺沢さんと歩いていた。


 俺はもう1つ、やらなきゃいけないことがあると思う。


「寺沢さん…もう暗いけど少しだけ、そこの公園で話をしない?」


 伝えたいことがある。

次回、いよいよ….

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