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君は僕の光となって 〜孤独の僕と優しい君〜  作者: ななどり


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光に照らされる夜道

 「このあと、会えないかな…」

 電話越しに笹原(ささはら)さんは予想もしていなかったことを言ってきた。

 ただ、真剣な雰囲気は伝わってきた。

 何か言われるのだろうか。


『カッコつけたつもりかもしれないけど、結構引いた。もう私や水里(みなり)には近づかないでもらえないかな。』

(※勝手な想像である)


 慣れないことをしたからか、俺は後悔と不安に襲われていた。

 でも、さっき霧宮(きりみや)に言われたことを思い出す。


『確かに普段の姿からは想像もできないことだと思う。でも、それでもピンチを助けるヒーローってなかなかいないんだから、もっと自分に自信持ちなよ』


 そうだよな。俺は間違ったことはしていないはず。

 自分に自信を持たなきゃ……。


「…わかった。どこに行けば良いかな。」


「トークに地図を共有するから、その場所にお願いします。」


「わかった。今すぐ向かう。」


 俺はそう言い残し、通話を切った。

 通話を切ってすぐに、笹原さんからトークに行ったことないカフェの地図情報が送られてきた。

 俺は霧宮の元へ一旦戻った。


「ごめん。急遽用事ができた。先出るね。」


「え、コーヒー残ってるぞー。」


「ごめん、飲んでいいよ。」


「えっ!それって間接キス!?いやそうじゃない!ま、まぁ…わかった。行ってきな。」


「ありがとう。」


 俺は霧宮とそんなやりとりをして、元々いたカフェを後にした。そして笹原さんの言われた別のカフェに向けて、俺は夕日が沈みかけの住宅街をひたすらに走った。


 どうしてだろう。幼馴染である霧宮ではなく俺を呼んだのは。

 何か言いたげな雰囲気は感じた。それが仮にカッコつけたように見えたことに対しての罵倒じゃないにしても、それなら尚更なんだろう。


 そんなことを考えながら、俺は笹原さんの待つカフェへと急いだ。


 カフェに到着したとき、俺はそれまで走っていたからか息を切らしていた。

 店の扉を開けると、奥から笹原さんが手を振っていた。

 校外学習後、最寄りの駅で俺たちは解散し、自然と俺と霧宮、笹原さんと寺沢(てらさわ)さんの2グループに分かれてそのあとの用事に向かったはずだった。

 だけど、カフェでその横には寺沢さんはおらず、笹原さん1人だった。


「ごめん、お待たせ。」


「ううん、待ってないよ。走ってきてくれたの?」


「うん…待ってるかなと思って。」


「そんな、いいのに。」


 このあとなに言われるのかと考えながら、俺はホットコーヒーを注文した。

 熱々で提供されたホットコーヒーを持って笹原さんのいるテーブルに向かった。  

 俺は砂糖やミルクなどは入れずに飲むのが好きだ。

 笹原さんの手元には、既に飲みかけのホット抹茶ラテが置いてあった。

 

 俺は笹原さんの向かいに座り、話を切り出した。


「それで、どうかした?」


 笹原さんは一瞬言葉に迷っているような表情をして、すぐさま口を開いた。


「さっき助けてくれたよね….」


「まぁ、うん。」


 まずい。やっぱりカッコつけたように見えたことに対して罵倒されるんじゃ……。


 そんなことを考えていると、笹原さん口がまた開く。


「ありがとう…」


「…え?」


「その…あそこで助けてくれなきゃ私達は何もできなかったから…」


「そんな、霧宮も助けようとしてたよ。俺だけじゃないよ。」


「ううん。あそこで助けてくれたことに感謝してるの。だから…ありがとう…」


「そっか…助けて良かったよ。」


 心の底からそう思う。


「でも、それなら次の学校のときに言うとかでも良かったのに。」


「ごめん。今直接言いたくて。」


「そっか。」


「じゃあ帰ろっか。」


 笹原さんは注文から少し経ってぬるくなっているはずのホット抹茶ラテの残りを一気飲みした。


「あ、え?もう?」


 俺は困惑しながらも、まだ熱くほとんど飲んでいないホットコーヒーを一気飲みした。

 火傷しそうな温度だったが、なんとかギリギリ大丈夫だった。


 飲み終えた俺は笹原さんの後ろを追いかけた。


 暗い夜道、店も多く比較的明るい道を歩く笹原さん。

 その少しだけ後ろを歩く俺。その中での会話はなかった。


 その状態が数分続いたときだった。笹原さんが立ち止まって、顔を見せずに口を開いた。


「ねぇ。本当はそれだけで呼んだわけじゃないの。」


「え…?」


 すると笹原さんは振り向いた。

街灯と建物の明かりに照らされたその姿は、振り向いた際の制服のスカートの広がりも鮮明に見えるほどだった。


 そして笹原さんは俺にこう告げた。


「好き。」

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