カフェ。
寺沢さんと笹原さんと解散し、俺と霧宮は最寄駅付近のカフェで話していた。
「西村ってあんな一面もあるんだな…」
「いや、とっさにね…」
霧宮は、俺が浅草でチャラそうな男2人に絡まれていた寺沢さんと笹原さんを助けたことについて言ってくる。
「でもあの時の西村、めっちゃかっこよかったぞ!俺が女子だったら惚れてたかもな!はは!」
「やめてよ恥ずかしい」
まぁ確かに、このあと何されるかわからない状況で、2人は不安だっただろうし、それを助けた俺は2人からしたら救世主に他ならないだろうな…と思う。
いや思い上がるな俺!
動ける俺たちにとってはあそこで助ける選択肢以外はなかったはず!
だから2人は当たり前のことをされただけ……。
「とりあえずコーヒー代は奢ったるよ」
そう言ったのは、霧宮だった。
「いや、いいよ…」
「いやいや俺にもカッコつけさせてくれよ。まぁ男の前でカッコつけても意味ないけどな!」
「じゃあ…ありがとう…」
俺は本当に大したことしてないと思う。
霧宮みたいに普段から明るい性格でもない。
そんな俺が助けても引かれただけじゃないかと思う…
『なんかあれ、痛かったね』
(※勝手な想像である)
『自惚れるんじゃないよ。気持ち悪い。』
(※勝手な想像である)
「ああああああああああああ」
フラッシュバックする記憶と勝手な想像、考えるたびに心が痛い、メンタルが死ぬ。
「お、おい、大丈夫かよ。急に叫び出してさ。」
霧宮が心配しながらコーヒー2杯とスティックシュガーを2本を持って席に戻ってきた。
「なんか浮かない顔してるから一応言っておくけど、沙希たちは多分西村のことかっこいいって思ってるはずだよ。あそこであんな強気で出れるの、なかなかいないと思うし。」
「う、うん..」
「確かに普段の姿からは想像もできないことだと思う。でも、それでもピンチを助けるヒーローってなかなかいないんだから、もっと自分に自信持ちなよ」
「そうかな….」
霧宮は良い奴だ。困っている時に的確なアドバイスをしてくれたり、助けてくれたりする。
ふとそんな霧宮の言葉を思い出す。
『西村、寺沢さんのこと、好きなのか?』
『…今、お前がどんな心境かはわからないけどさ、片想いの賞味期限は短いんだからな。』
あの言葉がどうも忘れられない。
俺が寺沢さんを好き…?
確かに、寺沢さんといるのは楽しい。
これまで話したり、一緒に登校や勉強をしたりしてきて、どれも俺にとってはすごく楽しかった。
それってもしかして……。
なんて考えた瞬間だった。
「西村、携帯鳴ってるぞ〜」
「ん?ほんとだ。ごめん。ちょっと出てくるね。」
「お、おう。」
見送る霧宮を背に、俺は外へ出て、スマホの画面を確認した。電話が来ていた。
そこに書かれていた名前。
「笹原さん…?」
笹原さんは、4人で集まる際も連絡はレインのグループか、寺沢さんか霧宮を経由して連絡をしてくる。
そんな笹原さんから連絡をしてくるなんて珍しかった。
「なんだろう…」
俺は電話に出た。
「もしもし。笹原さん?どうかした?」
「あのさ西村くん…」
「うん」
笹原さんは言葉に詰まっているのか、沈黙が少し続いた。
俺は笹原さんが何かを大きなことを言おうとしているのだと察した。
でも、何を言おうとしているのかを考える間もなく笹原さんは口を開いた。
「このあと、会えないかな…」
活動報告も同時に更新しました。
前回から日数が空いてしまった理由などを載せています。




