名前の長いパンケーキ
「終わった〜!」
チャイムと共に、クラスのみんなが一斉に力を抜く。中間テスト終了である。
「西村くんのおかげで結構解けたよ!ありがと!」
「いやいや!大したことはしてないよ。」
「そんなことないよ。西村くん教えるのめっちゃ上手だったよ!」
「そうかな〜」
寺沢さん、めっちゃ褒めてくれる。嬉しい。
すると俺と寺沢さんの席へ、イツメンである霧宮と笹原さんが来た。
笹原さんが言う。
「今日放課後、テスト終了のご褒美としてスイーツ食べに行かない!?」
スイーツか…あんまりお店に行って食べたりしないけど、たまには良いな。
そんなことを考えていると……
「行く!!!!!」
瞳をキラキラさせて元気に言う寺沢さん。
スイーツ好きなのかな?
「俺も行こうかな。」
そう言う俺の方を寺沢さんは見ると、さらに笑顔になった。
眩しいくらいに明るい笑顔。
テスト期間は、早帰りである。
学校は昼前には終わる。
俺たち4人は、カフェに向けて歩いた。
「しかし沙希、俺今回テスト自信あるからな。」
「いや!優斗には負けないからね!」
「なんだと〜?」
そんなやりとりを笑い合ってしている霧宮と笹原さんを眺める俺と寺沢さん。
「幼馴染なのもあってあの2人、仲良いね〜」
「そうだね〜」
「ちなみに西村くんは何点くらい取れそう?」
「うーん、全教科90点は取れてるかな。学年順位もそこそこ高いと思う。」
「すご!」
そんな話をしていると……
「着いたよ!」
「おぉ〜!」
笹原さんが案内してくれていたカフェ。
着いた俺たちの前にあるカフェは、まだ新しい綺麗な建物で、いかにもおしゃれな人が好んでいきそうな建物であった。
俺はちょっと不安だった。
「西村くん、こういうところ行ったことないの?」
口を開けてポカーンとしてる俺に寺沢さんは聞いた。
「うん。なかなか機会がなくてね…」
「大丈夫だって。とりあえず入ろうぜ!」
霧宮はこういうところ行ったことあるのか…
カフェに入ると、店員さんが俺たちを席に案内した。
メニューを見るとすぐに、笹原さんはメニューを指差し、元気にこう言った。
「そうそう!この“フワフワキュンキュンミラクルトキメキパンケーキダブル”がすごく美味しいの!」
名前、長くね?
「笹原さん、食べたことあるの?」
「もちろん!めちゃくちゃ美味しいよ!私これにしようかな。」
「じゃあ俺も。」
俺は笹原さんのおすすめするフワフワキュンキュンミラ…なんだっけ?
とりあえずそれにした。
霧宮と寺沢さんも同じものにしたみたい。
「お待たせしました〜!こちら“フワフワキュンキュンミラクルトキメキパンケーキダブル”4つで〜す!ごゆっくり〜」
だから名前、長くね?
しかし実物はすごかった。
ふわっふわに焼かれた分厚いスフレパンケーキが2枚重なっていて、その上にはイチゴ、生クリーム、チョコソースがかかっていた。
めちゃくちゃ美味しそうだった。
「いただきま〜す!」
まず一口、食べる。
夢を見ているようだった。
気づくと俺は、フワフワの雲の上にいた。
ひたすらに続く雲の上を、モフモフと歩く俺。
青空を眺める俺。
美しいその景色を眺め…….
「…くーん!西村くーん!おーい!西村くーん!」
「はっ!こ、これめっちゃ美味しいね!」
「そ、そうだね!」
あまりの美味しさに、俺は我を忘れて夢を見ていたらしい。
おしゃれなカフェのスイーツって、こんな美味しいのか……0
幸せに包まれながら、俺たちは店を出た。
その後もゲームセンターやら買い物やら、テスト終了のご褒美を、俺たち4人で楽しんだ。
夕日に染まる帰り道。
「ちなみに!テストが終わったら校外学習だよ!!多分明日のホームルームで言われると思う!」
「え、そうなの?」
「うん。年間行事に書いてたよ。」
校外学習あるのか…
班行動とか俺大丈夫かな….
「浅草観光らしいよ!それでね!校外学習の班行動、この4人がいいなって思うんだけど、だめかな。」
寺沢さんが提案をする。
「それいいな!!」
「私も賛成!」
乗り気な霧宮と寺沢さん。
「西村くんも良いかな?」
「あ、あぁ、もちろん!!!」
校外学習、浅草観光。班行動はイツメンの4人か。
中学の行事の良い思い出はほぼ無いから、めちゃくちゃ楽しみだな…
なんかちょっと謎回かも




