痛い発言
まだ誰もいない朝の教室。
少し早く学校に来た真翔は、席に着く。
そして真翔は昨日の発言を思い出す。
『君と出会ってから、俺の視界はすごく明るくなった。』
手を握る….
『君は光だよ。俺にとっての。』
……
「いやあああああああ俺何言ってるのほんとに」
思い出す、痛い発言。
その場の勢いで真翔の口から放たれたその発言。
言った瞬間は別に気にしないだろう。
しかし、昨日、帰宅した真翔。
「俺、めっちゃ変なこと言ってなかった?手なんか握って…」
思い出す真翔。
「ああああああああああああああ何言ってんだ俺!!!!」
そこから始まる、恥ずかしさによる苦しみ。
その夜、真翔は恥ずかしさで寝れなかったという……
そして今。
「寺沢さんも絶対引いてたよな…」
でも伝えたかったことを伝えれたことに悔いは無い。
でも……
『西村くん….昨日、めっちゃ格好付けてたよね。ごめん、ちょっと引いた…』
(※勝手な想像である)
「ああああああああああああああ」
恥ずかしさで叫び、机に頭をぶつけ続ける真翔。
「…何してるの?」
ご本人登場である。
◆
「て、寺沢さん…おはよう…」
「あぁ、うん、おはよう…」
途切れる会話、まだ誰もいない教室で過ぎる静かな時間。
やっぱり引かれてない? 俺。
てか登校早くない?俺は恥ずかしくてじっとしてられなくて走ってきたけど…
『「ごめん、あんなこと言う痛い人ともう関わりたくないかも…」』
(※勝手な想像である)
あああああああああ
もう最悪だああああああ
◆
昨日のことが忘れられず、私はいても経ってもいられず学校に早く来た。
教室に着くとそこには、頭を机にぶつけ続ける西村くん。
「…何してるの?」
西村くんはハッと気づく。
「て、寺沢さん…おはよう…」
「あぁ、うん、おはよう…」
ダメだダメだダメだ。
昨日のことが忘れられなくて目を合わせられると目を逸らしてしまう。
少し逸らした目を西村くんの方に向け、西村くんの様子を見る。
すると西村くんも俯いている。
西村くんも意識してるのかな…
しばらく沈黙が続く。
な、なんか話さないと…
沈黙の末、私は口を開いた。
「き、今日の放課後も勉強、教えてくれないかな?」
「あ、うん、いいよ…」
そこで会話は終わる。
また始まる静かな空間。
かと思いきや、今度は西村くんがこんなことを聞いてきた。
「…昨日の俺、痛かったよね…」
──そんなことない。
むしろ……
「そんなことないよ!すごくかっこよかった。」
「…っ!」
私は自分の言ったことを理解し、恥ずかしくなった。顔もきっと赤いと思う。
でも、それは西村くんも同じだった…
結局、今日の授業をやっていくうちに、私たちはいつものような雰囲気に戻った。
「それじゃ、行こっか。」
「うん!」
ホームルームが終わり、今日も一緒に勉強をするために図書館へ向かう私と西村くん。
放課後でもまだ明るい住宅街を、いつも通り他愛もない話をしながら歩く。
まだ続きます。




