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君は僕の光となって 〜孤独の僕と優しい君〜  作者: ななどり


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嫌な記憶③

 俺はひたすら走った。

 オレンジに染まる空、輝く夕日、照らされる住宅街、無我夢中だった。


 家に着いてすぐ、母親の『おかえり』という声を無視して、俺は自分の部屋に行った。

 そしてベッドに飛び込んだ。


「…なにやってるんだろ…」


 ふと冷静になり、一連の行動を強く後悔した。


 寺沢さんは全く悪くないのに、自分の嫌な過去を久々に詳しく思い出したことがきっかけとなり、寺沢さんを困らせるようなことをしてしまった。


 過去の嫌な記憶、そして寺沢さんを困らせてしまった事実。


 その2つが相まった後悔が、実在する人間となり、俺の腹を殴っているような感覚。


 辛さと責任。


 俺は俺を責めた。


 過去の嫌な記憶を深く振り返ってしまったのはまだどうでもいい。

 しかし、寺沢さんを傷つけてしまっていたら、どうしよう。

 せっかく仲良くなれたのに、また高校でも仲良かった人に嫌われて、陰口を言われるのだろうか。


 もう嫌だ…


 俺は涙を少し流して、強く後悔をしていた。 




 ──いや。


 泣いている暇なんてない。

 寺沢さんは俺の中学のことを気になって聞いてくれた。

 話そう。

 それで寺沢さんが逆に困ってしまうとしても、伝えるべきだと思った。

 今日みたいなことにはなりたくない。

 寺沢さんならきっと真剣に聞いてくれるはず。

 伝える前には、今日のことをしっかり謝ろう。

 家に帰ってから色々なことを考えていて、気づけば21時頃。


「よし」


 強い決意のもと、俺はスマホを手に取った。







 西村くんからの…着信…


 電話に出るのが少し怖い。


 でも出よう。


 そして嫌なことを聞いてしまったこと、謝ろう。


 そうして私は電話を出た。


『もしもし。寺沢さん。』


「も、もしもし…」


 心なしかいつもより真剣そうな声に感じて、少し驚いた。


 5秒間の沈黙が続いたのち、両方とも口を開いた。


『ごめん!』


「ごめん…」


 同時に出た、謝罪の言葉。

 私は驚いていると、西村くんは私にこう尋ねた。


『ど、どうして寺沢さんが謝るの…?』


 だって私が西村くんにとって嫌なことを聞いてしまったから…


「…嫌なこと聞いたよね…私…それを聞いたとき、西村くん、青ざめてた…だから…ごめんね…」


『そ、そんな!俺が勝手に考えてただけだよ…俺の方こそ、急に走って逃げたりして、寺沢さんを困らせたと思う。だから…ごめん…』


「困ってなんかないよ…」


 お互いに謝罪の気持ちを伝え合った。

 私は少し安心した。

 西村くんに嫌われるんじゃないかって、怖かった。


 そんなことを思っていたら、その後に西村くんはとある提案をしてきた。


『寺沢さん…俺の中学のことを話そうと思うんだけど、いいかな…』


「う、うん…」

次回、ついに西村の過去が明らかに。

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