表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/56

廃れ行く光

マガツカイと戦士達の戦いが続き、白の明星はいよいよその美しさを完全に失いつつある。

砂煙と瓦礫が宙を舞い、マガツカイが大地を踏みしめれば地割れが起き、天空が暗黒に閉ざされていく。



れなとれみは同時に蹴りを炸裂させるが、マガツカイはものともしない。ラオンの紫電斬り、粉砕男の拳も通用しない。

闇王を名乗るだけの事はある。凄まじい防御力だ。

ドクロとテリーが両手を掲げて巨大な魔弾を作り上げ、発射するが…。

「どいつもこいつも甘く、そして低俗な連中だ」

片手から放つ光線一発で、魔弾を破壊した。破壊の衝撃に巻き込まれ、二人は吹っ飛ばされる。

白の反逆者達は白い弓矢を放って狙撃。勿論その攻撃も効かず、次々に薙ぎ払われる。

戦況は絶望的。これだけの人数でかかっても敵わないとは…。



更にそこへ凶報が走る…。



「皆ーー!!!ここから離れてーー!!」


この声は…葵だ。

見ると、砂煙の中から手を振りながら走ってくる葵とカールの姿が見えた。

何やらかなり焦っている。マガツカイ以外の物を恐れるような姿だ。

「モタモタするな!!あれ見ろ!!」

カールが天を指差した。


見上げると…空からは赤黒い光弾が、こちらに向かってきていた!

「な、何だありゃー!!!??」

れなは間抜けな声で騒ぎ立てる。光弾は一気に速度をつけて地面に着弾し、大爆発を発生させる!

一つだけでも、かなりの大規模だ。戦士達全員の意識がそらされ、その隙にマガツカイの拳が叩き込まれる!


光弾は一つだけではない。幾つもの光弾が落下してくる。

「墓に埋めてやる死体も残らないな」

マガツカイは笑う。多くの敵が集う戦場のど真ん中にいるとは思えない、まるで何もいない平地にでも立っているような余裕ぶりだ。

カールが光弾を撃ちながら早口で話す。

「闇の一派の狙撃船が来たんだ!!百隻以上はある!!」

百以上の砲台がこちらを狙ってるのだ。いつの間にか空は光弾の群れで埋め尽くされ、轟音で仲間の声を聞くのさえやっとになる。しかもこれほど大規模な攻撃でありながら、光弾はマガツカイを上手い事かわしている。

爆発の中、優雅に向かってくるマガツカイの姿は…闇の王そのものだ。

「我が闇こそが至高だ」

一言だけ、マガツカイは呟いた。




戦士達がマガツカイに苦しめられる中、闇姫と四天王は空を目指して飛んでいた。

マガツカイよりも狙撃船を優先すべきと考えたのだ。

ガンデルが手から放つ水の光線で光弾を撃ち落としながら、皆に説明する。

「突如現れた百隻の船。マガツカイとの乱戦だったとは言えど、ここまで気配を消して向かってくるのも不自然です。恐らく…」

ガンデルは蛙面をしかめた。これは、嫌な可能性を頭に浮かべている時の彼の顔だ。



…そして、その予感は的中してしまった。



飛行し続け、白の明星を抜け、宇宙へと飛び出す。


付近には大量の黒い宇宙船が飛んでいる。やつらは真下に砲台を向け、赤い光弾を発射している。闇雲に見えるが、マガツカイに当たらないように撃っているあたり、事前に撃ち方を打ち合わせてきたのだろう。

問題は彼等の近くにある…紫色のワームホール。

ワームホールからは次々に闇の一派の宇宙船が現れ、増援を追加していく。

ガンデルがワームホールを見て、一瞬で見抜いた。

「ワームホールにしては小さい…。恐らくあれは地球の科学で作り上げたワームホールでしょう」

「ブルムとかいう地球人が、闇の一派に寝返って協力してたのか」

闇姫は表情一つ変えず、宇宙船に飛んでいく。

適当な宇宙船に目をつけると、勢いよく拳を突き出す。宇宙船は瞬時にヒビに包まれ、呆気なく粉々になる。

一隻辺りは大した事はないが、火力が厄介だ。早く片付けなくては、地上のメンバーが持たない。

四天王も宇宙船を破壊していく。宇宙船の甲板からは兵士が飛び出し、レーザー砲で狙撃してくる。

流石に数が多く、時々体に掠ってくる。少しのダメージはなんて事はないが、連発すると勿論危険だ。


ある程度の船を壊したが、ワームホールからまた増援が沸いてくる。あれを何とかしなければならない…。

闇姫は両手を広げ、魔力を集めだした。

「私があれを壊す。お前らは船を壊してくれ」

そう指示を出したのだが…。



それを聞いていたかのように、地上から大量の赤い光弾が飛んできた!!

魔力の集中に意識を向けていたので、闇姫は直撃、大きく吹き飛ばされ、四天王が声を揃えて叫ぶ。

「闇姫様っ!!」

「くっ…マガツカイか」



マガツカイは、地上の戦士への攻撃と、空の果ての闇姫達への攻撃を両立させていた。しかも攻撃の激しさはまるで止まない。

地上の戦士達に拳を振るい、踏みつけ、時々空に両手を向けて光弾発射。まるで遊んでいるかのような手際…。


シャンは、マガツカイの蹴りを食らって吹き飛ばされ、血を吹き出す。

ドクロはマガツカイの手に掴まれ、ラオンへ投げ飛ばされて激突、れなも踏みつけられる。

光星王とシャナイは一旦距離を離してマガツカイを睨む…。

「陛下…。マガツカイは、何が何でも我々を滅ぼす気のようですね…」

「ここまでの戦いは久々だ…」

マガツカイの拳が二人に振られる!シャナイは剣を構えて受け止めるが、その力は予想以上だった。シャナイですら、マガツカイの拳の圧力で押され、地面に足をめり込ませる。光星王はマガツカイの腕に飛び乗り、拳を光らせ、顔を殴りつける!!

「忌まわしき光の力で俺の顔を殴るとは」

気に障ったのか、マガツカイは光星王を両手で掴み、締め上げる!

「ぐぬううううう!!!」

いつになく、苦しげな声を上げる光星王。更にここからマガツカイは魔術を発動、手元の光星王に雷を叩きつけ、彼を感電させる!

容赦なく地面に叩きつけ、踏みつける。大地にマガツカイの足跡が刻まれる程の力で踏み潰され、戦う力を失う。

「陛下ー!!!」

仰向けに倒れる光星王へ駆け寄るシャナイ。光の勢力が地に身を刻ませる姿に、マガツカイは満悦そうだった。

そんなマガツカイの後ろから、ラオンがナイフを、テリーが骨を構えて不意打ちを狙うが、片手ではたき飛ばされてしまう。

もはや何度地面に叩きつけられただろうか。対するマガツカイはほとんどその姿勢を乱さない。

「くっ…ならばここで光の意地を見せる!」

シャナイは黄金の剣に自身の魔力の大部分を集める。

剣は眩い輝きを放ち、飛翔、マガツカイの顔を狙い、剣を横に構える。

通常の敵であれば、身がすくんで動かぬ的となるところだ。だがマガツカイはやはり動じない…。

マガツカイは腰を落とし、掌を突き出す!

「マガツ閻掌(えんしょう)!!」

掌がシャナイの剣に叩きつけられる!!剣に闇の魔力と衝撃が同時に迸り、凄まじい闇の霧が吹き出す!

その力は剣のみならず、シャナイの鎧と兜をも砕き、飛び散った破片も消滅する。

光の騎士の意地すらも、片手であしらわれてしまう。シャナイの金髪は薄汚れ、筋肉に恵まれた体も傷だらけだ。

地に伏す戦士達。黒いマントをなびかせながら、マガツカイは彼等を嘲笑い、天空に向けて光弾を連発する。




闇姫達も、あまりの手数にほとんどまともに動けなくなっていた。

「惑星破壊砲、雷撃魔閃…」

闇姫は手の平から様々な光線を生み出す。黒、赤、金、紫、多くの光線がオーロラのようにうねり合う。

ワームホールを防ぐには長時間魔力を集める必要がある。しかしその隙を与えられない。

四天王の動きも流石に鈍くなってくる。息を切らしながら、いくらでも沸いてくる宇宙船を睨み、光線を回避する。

全方位、どこを見ても宇宙船がある。こいつら一人一人が、死を賭けてでも自分達が信仰する闇の為に戦おうとしてるのだ。

「…」

闇姫は、動きつつ策を考えようとするが、光線は一秒も止まない。

「くっそ…!どうすれば良いんだよ!」

バッディーが、ついに声を荒げた…。






闇の一派の有利を極めたような状況だったが…。






「おい」



闇姫が、光線を回避しつつ、四天王に言う。



「何か来るぞ」





目を凝らすと、確かに何かが飛んでくるのが見えた…。


あれは、黄金の光。流星のように向かってくるその光は…。






「光姫か」

闇姫が呟いた。






…宇宙の闇を切り裂くような眩い光を放ちながら、光姫が飛んできた!!

彼女は体当たりで宇宙船を破壊しながら、闇姫のもとへ向かう。



地上の皆も、その魔力を察知したらしい。


「この力は…!!」

シャナイが、笑みを見せた。


他の皆も、僅かな希望を見出したようだ。その顔に、ほんの少し軽みが出た。


光姫は闇姫の前で止まる…。

「どういう事だ光姫。テメェは地球にバリアを張ってくたばってたはずだろうが」

「簡単な事ですよ」

話す時間も勿体無いと感じてるのか、光姫は両手から光弾を次々に放ち、宇宙船を撃墜していく。爆発の嵐が巻き起こり、宇宙が照らされる。

「城の皆さん…科学者の皆さんの懸命の治療のおかげです。そして私自身も、光と闇の戦争に顔を出さねばならないと思いましたから」

「お前の脳味噌も筋肉という訳か。ほぼ自力で復活するとは」

闇姫は、右手から魔力を放ち、光姫の体を包み込む。

赤いドームバリアが光姫を守る。

「軟弱な光の勢力であるテメェではここは危険だ。そのバリアを頼りにしろ」

「ふん、あなたの方こそ」

光姫もまた、魔力を放つ。

闇姫の体を、白いドームバリアが包み込む。闇姫は不服そうに舌打ちをしたが、これである程度の被弾は無効化できるはずだ。

闇姫、光姫。二人は両手を突き出し、ワームホールに向ける。

「ここは私と闇姫に任せて、四天王はマガツカイを討ってください!」

「ふん、光の勢力にしちゃ上出来だぜ!」

ダイガルが二人の背に頷き、他三人を率いて地球へと飛んでいく。闇姫よりも素直だ。

「いくぞ!!この戦争、さっさと終わらせる!!」

四つの闇の力が、白の明星へ急降下していく!




マガツカイは戦士達の相手をしつつ、頭上からの乱入者に気づいていたらしい。

一気に増えた敵勢力に、ほんの僅かだが、焦りを覚え始めていた。

(ふん…このままのペースでは、俺も危険だ)

マガツカイの体に紫の魔力が纏われだす…!



四天王は地上に降り立つ。

ワンダーズが彼等に振り向き、頷くのが見えた。



ダイガルが、手を振り上げた。

「マガツカイ!!俺達の意地で、分からせてやるぜ!!」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ