94<信用できるモノ>
前回のあらすじ
フリッツは1か月1銅貨で借りることができる。
ソフィア「ねえ、フリッツ・・私もあれされたい。駄目?」
フリッツ「遠慮するな。」
フリッツはそう言いながらソフィアを横抱き気する。
ソフィア「結構、これ恥ずかしいわね。・・ねえ、フリッツ、重くない?」
フリッツ「むしろ軽すぎて心配になるよ。」
シンディ「ほら、ああ言うのが理想なのよ。」
シンディは幼馴染のやり取りを指差す。
「そういうのは他のやつに頼んでくれ。」
彼は二人に別れを告げ、シンディを運びながら掲示板の前にたどり着いた。
「ちょっと下ろすぞ。掲示板を確認したい。」
シンディ「うん。」
「あまり目ぼしいのはないが・・・。うん?」
<依頼内容>
隣村への護衛
依頼主:シンディ・ドゥハン
依頼内容:ドゥオの村への護衛
報酬:9銀貨
期間:3日間(移動2日、滞在1日)
支払い条件:依頼完了後、依頼人が村長宅で現金手渡し。
備考:デリカシーがあり、絶対に裏切らない素敵な殿方希望。
「シンディ、君の依頼だけど、これって以前、護衛を探していたやつとは無関係か?」
シンディ「え?ああ、あれ延期になってたの。どうも街道に危険な魔物が出たとかで危なそうだから時期をずらしたの。」
「へえ、そんな事があったんだな。」
シンディ「・・・・・。」
「ん?」
シンディ「・・・ジトー。」
どっかの貴族令嬢みたいに口で言ってる。流行っているのだろうか?
「シンディ、どうした?」
シンディ「ジトー。」
「俺はデリカシーがなく、裏切り者の男だから君の依頼には不適当だぞ?」
シンディ「そんな事ないわ。父さんと母さんを除いてこの村で貴方ほど信用できる人はいないわ。」
シンディは静かな声で告げた。
「そりゃ、光栄なことだな。」
シンディ「という訳で、受けて?」
「はいはい。」
シンディ「え?本当に良いの?」
「そろそろ一回、村の外に出たいと思っていたからな。ついでだ。」
シンディ「そう。でも、ありがとう。」
「で、この依頼票には時期が書いてないけどいつからだ?」
シンディ「厳格な日は決めてなかったけど、明日からでも良い?内容は向こうの村長さんと話すのと、ここ数カ月の新聞を交換するだけだから。」
ドゥオもまた聖女の故郷のサンクトゥーロ領の一部である。
「なるほど。では、今日の訓練は軽めの方が良いかな?」
シンディ「お願い。」
「じゃあ、昼飯にするか。」
シンディ「うん。じゃあ、またお願い、ね?」
俺はシンディを横抱きにする。
シンディ「・・・・。」
シンディは彼の横顔を楽し気に凝視している。
「うん?」
シンディ「なんでもない。」
「そうか。」
シンディ「フフ。」
彼らは居酒屋シグルドに向かう。
シンシア「あら、二人共いらっしゃい。」
「こんにちは。」
シンディ「こんにちは。日替わり定食2つね。」
シグルド「了解。少し待ってろ〜。」
「シアさん。ここに置いておくぞ。」
彼は1銀貨を机の上に置く。
シンディ「毎度のことだけど・・ジョン、流石に自分の分は出すわよ。」
シンディは彼に500銅貨を手渡す。
シンシア「・・・。シンディ、貴女変わったわね。」
シンディ「そう?」
シンシア「ジョンさんのおかげかしら?」
シンディ「シア姉の意地悪。」
シグルド「2人共、出来たぞ〜。」
今日は川魚の丸焼きとサラダとパンとスープらしい。
「今日も美味そうだな。」
シグルド「おう。自信作だ。」
シンディ「ねえ、ジョン。」
「どうした?」
シンディ「ドゥオって行ったことある?」
「いや、初めてだぞ?何か変わった物でもあるのか?」
シンディ「特に変わった物はないけど。まあ、ならいいか。」
「ん?」
シンディ「なんでもない。忘れて。」
「モグモグ。そうか。」
昼食後、彼らはいつもの空き地に来た。
「いつも思うが、シンディは俺の素振りを見てて面白いのか?」
シンディ「貴方の剣は正直速すぎて見えないけど、貴方を見ているのは楽しいわよ。」
「そういうものか。」
シンディ「そういうものよ。」
彼はいつもどおり素振りをし、日記を書きこの日を終えた。
シンディ「父さん。彼をやっと誘えたわ。」
自宅に戻ったシンディは嬉しそうな様子で両親に報告する。
ニヘル「そうか。」
対する父親は少し気の毒そうな顔をしている。
シンディ「?」
ニヘル「彼は戦場に行くという運命であるということは忘れないようにな。」
シンディ「・・!!!・・・・うん。」
エレーヌ「まあまあ、ニヘル。シンディ、今は純粋に楽しんできなさいな。」
そういうエレーヌもニヘルと同じような表情をしていた。
コンコン。
誰かが彼の部屋の戸を叩く。
「は〜い。」
シンディの声「ジョン、起きてる?」
「今、起きた。もう、出発か?着替えるから少し待ってくれ。」
シンディ「うん。村の入口で待ってる。」
彼は着替えた後、村の入口に向かう。
「シンディ、待たせたな。」
シンディ「いいの。私が早く来ただけだから。」
そう言いながらシンディは彼の左腕に抱きついた。
門番「ひゅ〜、仲いいなあ。君達。」
シンディ「もう、アントンさん。からかわないで下さい。」
「そうですよ。すぐに彼女にはもっとふさわしい人が現れますから。・・・・多分。」
シンディは脚を少しあげた。彼は咄嗟に左足を移動する。
スカ。トン。
彼の脚があった所にシンディが脚を静かに置いた。
シンディ「なんで避けるのよ!!」
「なんとなく嫌な予感がしたからな。女性に踏まれて喜ぶのは確か・・フランツだったか?ともかく俺は彼とは違うんだ。」
シンディ「私だってフランツなんか踏みたくないわよ。ジョンだから踏みたいの。」
「え?シンディ?」
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