91<次期村長>
前回のあらすじ
ばれちゃった♡
リサ「彼は貴女に違う立場で云々って言う返答をしたと思うけど、あれって昔私が言われた言葉でもあるの。」
モニカ「それって多分何年も前の話ですよね?」
リサ「ええ。その時は単に貴族と平民という身分差の意味だと思ったけど、今思えばもっと根本的なところの事を言っていたのかもしれませんね。」
モニカ「彼はやはり自分に加護がないのを子供の頃から分かっていたのかしら?どういう気持ちで判定の日を迎えたのでしょうか?私には彼の言動が全て演技だとは思えないのです。」
パトリシア「ねえ、皆、もうこれを考えるの止めない?。私達は彼とは相容れないの。これ以上考えるといざというときに剣が鈍りそうだわ。あれは、魔物なの。人じゃないの。」
モニカ「そう・・ね。」
リサ「ともかく対災厄としては強力な味方が手に入ったと考えましょう。今までの行動から考えるにそれまでは裏切ることはないでしょう。」
「あ、仮面どうしよう。」
自室に戻った彼は顔の辺りに物足りない感覚を得たようだ。
「極自然な動きで強奪されたが、どこかで代わりの仮面を探すか。」
彼は雪月白桜を眺める。
「君とは長い付き合いだが、今世でも最期まで頼むわ。あの仮面みたいに途中離脱はさせられそうにない。」
それに反応するように雪月白桜は鈍く光る。
「さて、素振りの続きだ。」
その後、ぶっ倒れるまで素振りをした後、それなりに長い日記を記し、床についた。
翌日、彼は薪割り後に村長に居間に呼び出された。
ニヘル村長「という訳で、護衛は昨日で終わりで良いらしい。後は適当に過ごすと仰っていた。」
「なるほど。了解しました。」
ニヘル村長「で、これが約束のバケネズミの油揚げと唐揚げだ。」
「これは美味しそうだ。」
彼の眼の前には山盛りのごちそうが置いてある。
「ん?当初の約束より些か量が多くないですか?」
ニヘル村長「シンディの事もあるからな。」
「・・・。了解しました。」
ニヘル村長「時に、ジョン、相談良いか?」
「なんでしょうか?」
ニヘル村長「シンディの事なんだが・・・。」
「昨日は少し元気がなかったですね。まあ、いろいろと衝撃的な体験だったでしょうから無理もありませんが。」
ニヘル村長「一人娘故に今まで甘やかしていた自覚はあったが、あのまま次期村長にするのは少し不安でな。ジョンはどう思う?」
「まあ、少し世間知らずな側面があるように思います。根は善良なのでしょうが。」
彼は苦笑いしながら答える。
ニヘル「シンディは妻に似て容姿が良く、村の男にチヤホヤされて生きてきたが、あの・・まあ、とても容姿が良い方々が来て初めて容姿に関して嫉妬したんだろうな。とんでもないことをしてしまった。」
「まあ、自分も同じように推測しました。で、相談というのは?」
ニヘル「これはシンディ自身が乗り越えなくてはいけない試練だが、それとなくシンディの様子を見てやってくれないか?変な事はしないとは思うが、一応な。」
「否というわけではありませんが、彼女の幼馴染達の方が適任なのではないでしょうか?俺は新参者なので、あまりシンディのことは知りませんので。」
ニヘル「彼らはあの方達に夢中だ。多分シンディが彼らを信用する事は今後ないと思う。唯一フリッツだけは違うが、あれはソフィと仲が良くなったからな。頼みづらくてな。」
「・・・。分かりました。いつ前線に呼ばれるかわかりませんが、それまでは気にするようにします。」
ニヘル「ありがとう。村長ではなくあの娘の父親として礼を言う。」
「どういたしまして。」
村長と話しが終えたころにはお昼になっていた。彼は居酒屋シグルドにお邪魔する。
シンシア「いらっしゃい。仮面はもうしないの?」
「こんにちは。仮面は聖女様に盗られてしまいました。ハッハッハッ。」
シンシア「あら、まあ、それは残念・・とも言えないわね。色男さん。」
シグルド「おう、ジョンか。いつもの日替わり定食か?」
「ええ、シグルドさん。それでお願いします。」
彼は500銅貨をシンシアに手渡した。
シンシア「毎度あり。そう言えば今日は護衛の仕事は良いの?」
「昨日全ての施設を案内しましたので今日からはお役御免です。」
シンシア「じゃあ、あの貴き方々は今どこに?」
「さあ。その辺をプラプラ回っているんじゃないでしょうか?見て回るものがあるかと言われると疑問ですが・・。」
シグルド「ほら、出来たぞ。」
「ああ、どうも。」
今日は鶏の唐揚とサラダとスープとパンらしい。
シグルド「何を話してたんだ?」
シンシア「今、あの人達がどこに居るかって話。」
シグルド「そう言えば朝、村の男どもに囲まれながら店の前を通ってたな。」
シンシア「・・・・へえ。」
シンシアの機嫌が悪くなった様だ。それに気が付かずに幼馴染は続ける。
シグルド「特にあの聖女様は良いよな。朗らかな笑顔で。思わず祈りたくなる。」
シンシア「・・へえ。」
更に機嫌が悪くなったようだ。しかしながら彼が食べ終わるには幾ばくかの時間が必要そうだ。
シグルド「男どもが追いかけたくなるのもわかる。」
シンシア「・・・・。」
彼はちらりとシンシアの顔色を伺った後、食べるペースを更に上げた。
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