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87<鏡花水月>

前回のあらすじ

シンディが聖女に襲い掛かった。

ニヘル「・・・・はい。存じております。」


エレーヌ「・・グス・・グス。」


シンディは両親の反応から漸く状況を正しく認識したのか顔が青ざめている。


リサ「もしくは災厄発生時にシンディ・ドゥハンを前線に投入すること。前線に投入されるまではいかなる刑罰も彼女には施されません。これも法律通りですね。」


始原の加護持ちは世界のために強制的に死刑に処されるという意味でもある。だからこそそれを害そうとした場合はほぼ確実に前線送りになる。


ニヘル「・・・・はい。」


エレーヌ「・・・・。」


リサ「二つ目についてはシンディ・ドゥハンの代理を誰か行うことも可能です。但し、自発的な立候補が必要です。その場合彼女は完全に免責となりますね。」


リサは法律にはない選択肢を提示した。


ニヘル「!!!」


エレーヌ「!!!」


ニヘル「エレーヌ。この村を任せたぞ。」


エレーヌ「駄目よ!!貴方はこの村に必要なの。代わりに私が・・。」


ニヘル「ならん!!俺が行く!!」


「・・・・・。」


彼は何か絶対に手に入らない物を分厚い硝子越しに見るような羨望の眼差しで村長一家のやり取りを見ていた。


エレーヌ「ダメよ。貴方がいないと・・。」


ニヘル「エレーヌ頼む分かってくれ・・。」


「村長、俺がいくよ。」


この時の彼の声は決して大きくはなかったが、妙にはっきりとその場にいた全員の耳に響いた。


シンディ「え?・・・なんで?」


リサ「え?!!」


モニカ「!!!」


パトリシア「!!」


ニヘル「ジョン?」


村長の顔には期待と申し訳無さが入り乱れた複雑な表情が浮かんでいる。


「まだ短い期間ですが、シンディさんのおかげでこの平和な村に馴染めましたから、恩返ししないとと考えましてね。」


シンディ「・・・・。」


「村長。お願いしたい。」


ニヘル「・・・・・。」


「聖女様、確認ですが、前線に投入され災厄を倒すまではいかなる刑罰。例えば死刑ですら保留になるんですよね?」


リサ「はい。聖女の名の元に保証します。」


「聖女様、ありがとうございます。村長さん。実はこの件があろうが無かろうが、俺は災厄に挑むつもりだったんだ。」


ニヘル「ジョン?どういうことだ?」


「俺には物心ついたときから決めていた人生の目標があって、それを達成するためには災厄をこの手で倒す必要があるんだ。」


リサ「・・・・・。」


二へル「ジョン・・・・、本当にいいのか?」


「ええ。さあ、お願いします。」


ニヘル「・・・・ジョン。頼めるか?」


「喜んで。ニヘル・ドゥハン殿。」


モニカ「・・・・・。」


パトリシア「・・・。ジョン、貴方は一体?」


「聖女様、宜しいでしょうか?俺が代理です。」


リサ「了解しました。・・・ジョンさんの献身に免じ、この件に関しては何も制裁を課さない事を約束しましょう。」


リサの視線は一瞬シンディに向いた。


シンディ「・・・・。」


「さて、皆様、災厄が現れるまでの間、訓練に専念したいのですが、良い環境はありませんかね?だだっ広い空間があれば特別な器具は要らないのですが・・。贅沢言えば雨をしのげる屋根ぐらいはあると嬉しいですけど・・。まあ、なければこの村で訓練をしようと思いますが・・。」


彼は明るい声を出す。


モニカ「でしたら私の屋敷なんかどうでしょうか?屋根もありますし、お食事も用意させて頂きます。もし、必要でしたら、とある公爵令嬢が直接身の回りのお世話を・・」


リサ「モニカ?何を言ってるの?教会の騎士団の訓練所を一部間借りするのが良いでしょう。万が一ケガをしても私が専属で回復できますので。」


パトリシア「リサ姉こそ何を言っているの?王城に有る訓練所の一部のほうが良いと思うわ。セディにお願いしてみる。施設という観点では一番のはずよ?」


モニカ「トリシャはどうやって王子に説明するの?ヤキモチ焼かれてしまうと思いますよ?その点、私はフリーですから。どうですかジョンさん?」


リサ「そうよ、トリシャは引っ込んでいなさい。」


パトシリア「二人とも酷い。一応、私、未来の王妃なのに・・。」


「剣聖様がどうというわけではないのですが、俺も王城は少し遠慮したいと言うか・・。何より勇者様の不興は買いたくはないので・・。」


パトリシア「むう。」


リサ「まあ、そうですよね?では、教会に向かうということで・・・。」


モニカ「何、自然に誘導しているんですか?聖職者が聞いて呆れますね。さ、こんな腹黒聖女様は放っといて、私の実家にしませんか?ジョンさん?」


「美しい女性二人に誘われるのは光栄なことですが、迷ってしまいますね~。」


ふと、彼は室内の視線が彼に集まっているのに気がついたようだ。


「ああ、すみません。少しお時間頂けないでしょうか?御三方はまだ数日は滞在すると思いますので、その間に決めたいと思います。」


リサ「いい返事をお待ちしておりますね♡ジョンさん♡」


モニカ「うわ、リサ姉、年齢考えると今のぶりっ子は・・ちょっときついですよ。」


リサ「モニカは煩いですね。」


パトリシア「ジョンさん。あまり王子様の事は気にしなくて大丈夫ですよ?私の言うことは何でも叶えてくれますから。」


「剣聖様、ありがとうございます。とりあえずはこの場はお開きで良いでしょうか?御三方は村を案内しますよ?」


リサ「フフ。そうですね。」


エレーヌ「ジョンさん。本当にありがとう。」


「お気になさらず。利害が一致したというだけですので。」


ニヘル「・・・。シンディ、後で話が有る。」


シンディ「・・・うん。」


善行度692099(+1500)


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