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76<怨憎会苦>

前回のあらすじ

彼は2人の少女の初恋をある意味終わらせた。

ニヘルの声「剣聖様、別に隠し立てするつもりはありませんが、流石に村民が村の外で何をしているかまでは把握していません故、まあ、村民に聞いてはまわりますが、1〜2日はお時間を頂きたい。」


「剣聖だと!!!なんで?!」


彼は器用に小声で驚く。


やはり聞き覚えが有る声「トリシャ、村長さんをあまり責めちゃ駄目よ。これはあくまで個人的な買い物なのだから。」


パトリシア「確かにそうね。モニカ。村長さん、ごめんなさい。」


「賢者もいるんかよ。最悪だな。」


モニカ「村長さん、私達が直接聞いて回っても良いでしょうか?あまり村長さんのお手をわずらわすわけには行かないと思いますので。」


ニヘル「それは助かりますが、万が一何かあったときに問題ですね。御二方や護衛の方は大層お強いのでしょうが、一応形式上だけでも村の護衛というか案内人をつけて良いでしょうか?」


パトリシア「うん。いいよ。」


モニカ「わざわざありがとうございます。」


ニヘル「門番はさすがに駄目だから・・・・あ・・・一人だけ都合のいい奴がいたな・・。」


彼からははっきりとは見えないが村長は誰かを探している。


ニヘル「誰かジョンが何処にいるか知らないか?多分、この時間は狐の仮面を被ってそこらをウロウロしていると思う。」


「人のことを浮浪者みたいに言わないで欲しい。」


周囲の人間が笑いながら彼を見ている。


「・・・コホン。は〜い?呼びましたか〜?村長〜?」


ニヘル「おう、良いところにいた。ジョン済まないが、この二人の貴人に護衛としてついてくれないか?」


あんな美人と歩けてずるいな〜という声がどこからか聞こえる。


「え!?俺ですか!?何かあったら首が物理的に飛ぶ係じゃないですか!?」


あ、やっぱり選ばれなくてよかった〜という声が続けて聞こえた。


ニヘル「あとでバケネズミの唐揚げをおすそ分けするから・・頼む。」


「化けネズミか・・しょうがないな。了解・・・・・・です。」


彼は村長さんの前に躍り出る。そこには赤髪の幼馴染と茶髪の知的美人が立っていた。


「御二方とその護衛の方々、噂はかねがね伺っております。本日、護衛を務めさせていただきます。ジョンと言います。『大変短い間だけ』ですがよろしくおねがいします。」


パトリシア「?」


モニカ「?」


「えっと、な、何か?」


仮面のお陰で表情は隠せているが、汗を一筋かいている。


パトリシア「もしかして、私達とどこかで会ったことない?」


「セレスタの街にて遠目には御二方を見たことがあります。恐らくその時の事だとは思いますが・・。」


パトリシア「う〜ん?もっと身近にいたような?」


「多分、他人の空似だと思います。」


モニカ「えっと、ジョンさんは何故、狐の仮面を被っているんですか?」


「少し前に事故で頬を強く打ち付けてしまい、少し腫れているのです。見苦しいので仮面で隠しています。」


実は彼の傷はほとんど治っていて本当にごくわずかな違和感がある程度である。


パトリシア「モニカ、リサ姉は少し遅れて到着だっけ?」


「はひょ?」


彼は器用に小声で奇声を上げる。


モニカ「ええ、確かそうね。」


パトリシア「じゃ、そのときに治してもらいましょ?」


「い、いえ、聖女様の回復魔法は災厄を倒すためや重症患者の為だけに使われるべき貴重なものです。俺の怪我はそこまで大げさなものではないので治療は不要です。これは遠慮ではなく本当に本当に不要です。(早口)」


パトリシア「・・・・。」


モニカ「・・・。セレスタのクレーマー達に聞かせてあげたい言葉ですね。」


パトリシア「ジョンさん。聖女はそこまで狭量じゃないわ。きっと治してくれると思うの。」


「あと、怪我もそうなのですが、人目に見せるのも憚られるような醜い容姿ですので、仮面を外すのは勘弁頂きたく・・。」


彼の首筋に幾つかの汗が見える。


イェンス「嘘をつくな〜〜。シンディに抱きつかれたことを忘れたとは言わせんぞ〜!!このスケコマシ野郎〜!!」


彼は赤髪の変態により退路をふさがれてしまった。


モニカ「そこまで隠されると逆に見たくなりますね。」


パトリシア「ん?あれは教会の馬車かな?」


いつの間にやらペンタゴンのマークが着いた馬車が村の入口に停車している。今回、個人的な買い物に来たというのは本当らしく聖女が乗る割には簡素な馬車である。


モニカ「リサ姉〜、こっちよ〜。」


リサ「お待たせしました。モニカ、トリシャ。」


パトリシア「ねえ、リサ姉、着いてそうそう申し訳ないんだけどこちらにいるジョンさんに回復魔法をかけて貰えない?顔を怪我しているんですって。」


「いえ、先程も申し上げましたとおり軽症ですのでお気になさらず。」


リサ「・・・。貴方はとある者に声が似ていますね。」


聖女は静かな声で告げる。


モニカ「え?」


パトリシア「とにかく回復魔法をかけてあげない?」


リサ「そうですね。レサニーゴ。」


木属性の回復魔法を唱えられた。彼の左頬に緑色の光が集まり僅かな違和感が完全に消滅していた。


「ありがとうございます。聖女様。」


モニカ「ジョンさん。これで仮面をつける理由はなくなりましたね。」

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