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73<極悪人>

前回のあらすじ

彼はシンディの護衛をフリッツに押し付けた。

「さて、今日も薪割りだ。」


彼は前日と同様に隣の家に行く。


「おはようございます〜。」


ニヘル「おう。おはよう。む?その仮面は何だ?」


「ソフィのお店で買いました。この村では服装に何か特別なルールはありますか?できればこの仮面を被り続けたいのですが・・。」


ニヘル「特別な許可は要らんよ。もしかして昨日の朝のが原因か?」


「顔が腫れているというのは・・・・まあ、理由の一つです。」


ニヘル「まさか冗談ではなく腫れるほど強く叩いていたとはな。娘に代わり謝罪する。」


「・・謝罪を受け入れます。」


二へル「アイツには俺からも言っておく。」


「ならば俺からは特に言うことはありません。」


カサッ


物陰から彼を伺う者が居たが、彼は気が付かないふりをした。



「村長、薪割りなんですが、数日分を纏めて処理しても良いでしょうか?俺も常に健康とは限らないので、多少の余分と言うか、貯蓄のような物を確保しておきたいのです。」


ニヘル「ああ。それは構わない。昨日の様子から今日は裏庭に一週間分を用意してある。予め多めに処理してもらえれば多少日を空けても問題はない。」


「それは助かります。じゃあ、早速はじめます。」


彼は裏庭に向かう。


ニヘル「・・シンディ、相手が男だからといって暴力が無条件に許されるというわけではない。」


彼の後ろ姿を確認し、ニヘルは己の愛娘に呼びかける。


シンディ「・・・・・。」


ニヘル「加護のことを忘れれば、男はその気になれば暴力で女を無理やり従わせることだって出来るんだ。それを彼がしないのは理性や良心があるからだ。」


シンディ「・・・・・。」


ニヘル「相手に理性的な行動を求めるならばお前自身も同様に振る舞うべきだろう。違うか?」


シンディ「・・・うん。」


「さて、訓練もとい皆のための薪割りの時間だ。」


彼は昨日よりも多く積み上がった薪を眺めている。


「昨日のように何も目的意識を持たずにやると何も得ることなく終わってしまう。俺に必要なのはとにかく手数だ。それこそアンタウアムーロを手動で再現できるぐらいの手数が必要だ。・・まあ、試しに一回やってみるか。」


彼は薪を真上に軽く放り投げ、重力にしたがって降りてきた薪に対して雪月白桜を振り下ろす。


ギギン!!と音を立てて薪は4つに別れた。


「一応出来たな。後は一回でも多く切れれば・・・。よし、再開だ。」


その後も彼は薪を切り続けた。


3時間後、彼は次の薪を取ろうとして手が空を切った。


「む?・・・これで最後だったか。まあ、今日は一回斬る回数が増えたから進歩ありで良いかな?ニヘルさんに伝えに行こう。」


「村長、一週間分終わりました。」


彼が報告に行くとニヘルは昨日と同じ様に本を読んでいた。


ニヘル「む?もう終わったか。ご苦労。一応確認しに行こう。」


彼は21銀貨(纏めて一週間分)の報酬を貰った。


ニヘル「必要分はあるからしばらく休日にしても良いぞ。」


「了解しました。」


その日、昼食をシグルドさんのところでとった後、室内で素振りをして一日は終了した。



この村に彼が来て一か月程度が経過した。


「む?朝か。・・・本当に平和な村だな。時々使命を忘れそうになるな。」


彼は枕元に置かれた白い狐の仮面を見る。


「・・・・。もしこの場にあの子がいて、俺に加護があれば・・・。」


パンッ!!!


彼は己の頬を強くたたいた。


「俺は何馬鹿なこと考えてんだ。甘えてんじゃねえ。」


彼が朝食を済ませ顔を洗っていると戸からノックが聞こえてきた。


「む?は〜い、今、出ま〜す。」


戸を開けるとそこには長い金髪を後ろに束ねた女性が立っていた。


「ソフィ?おはよう?」


ソフィア「おはよう。ジョン。」


「どうしたんだ?何か約束していただろうか?」


ソフィア「特に約束はないけど、暇だから来ちゃった。」


「えっと、立っているのもアレでしょうし、とりあえず中に入る・・・か?」


ソフィア「あ〜、やらし〜、ジョンは私に何をするつもり〜?」


「え〜と?そういうつもりではなかったんだが・・、中が嫌なら外のベンチで話を聞こうか?」


彼は戸惑っていながらも提案した。


ソフィア「・・ごめんなさい。調子に乗りすぎたわ。村の案内でもしようかなと思ったの。どう?」


「それは正直助かる。細かいところが分からなくてね。ありがとう。ソフィ。」


ソフィア「じゃあ、ほら。」


「うん?なんだ?」


ソフィアは彼に向かって手を出している。


ソフィア「もう、女の子に恥をかかせる気?」


彼はソフィの手を握った。水仕事をしているのか少し肌が荒れているようだ。


ソフィア「フフ、ありがとう。でも、私はこうのほうが嬉しいかな?」


そう言いながらソフィは彼の指の間にソフィの指が互い違いに挟まれるように握ってきた。所謂恋人繋ぎっというやつだ。


「ソフィ、流石にこれは・・。」


ソフィア「嫌・・ですか?一回でいいから男の人とこうやって繋いでみたかったの。今日だけでも駄目?」


「貴女がどうこうではなくて、狐の仮面を被った変態男と手を繋いで歩くのはソフィが傍から見られてどうなのかなって思ったんだ。嫌ではないよ。」


ソフィは少し目を見開いたように思える。


ソフィア「・・・本当に見た目と中身のギャップが凄いわね・・。」


「君の中では俺はどれだけ極悪人なのだろうか?」

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