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72<理想的な幼馴染の関係性>

前回のあらすじ

狐の仮面を手に入れた。

シグルド「そ、そうか。まあ、酒の名前は候補に入れておく。」


彼のまるで今頃酔いが回ってきたような奇想天外な発想にドン引きしているようだ。


「ところで、看板には居酒屋と書いてありますが、昼は定食もあるのでしょうか?」


シグルド「ああ、幾つかランチメニューがあるぞ。」


シンシア「あら、この声は噂の色男・・なんで狐の仮面?えっと・・ともかく、こんにちは。ジョンさん。」


奥から赤髪ボブヘアの女性が出てきた。


「こんにちはシンシアさん。ちょっと顔が事故で腫れたんで仮面で隠しています。」


シンシア「あらあらそれは災難ね。・・いらっしゃい。メニューはこちらよ。」


「う~む、では、この日替わりランチお願いします。」


シンシア「了解よ。シグ。」


シグルド「おう。少し待ってろ。」


「・・・・・。」


彼はシグルドの背中とシンシアとを交互に見ている。


シンシア「何か聞きたそうな顔ね?」


「あ、いや、大したことではないのですが、お二人はとても仲が良さそうですね。」


シンシア「ええ、彼とは幼馴染なの。」


「幼馴染だったんですね。俺は勝手に二人が恋人同士であるか夫婦かと思っていました。」


シンシア「え!?そ、そう?そう見える?フフ、フフフ。」


シンシアからは笑みがこぼれている。


シグルド「お~い、出来たぞ。」


今日のランチはネズミの油揚げのようだ。


「これはうまそうだ。頂きます。」


シグルド「ジョンは変わった挨拶をするんだな。」


彼は今まで食事は基本一人であり前世の癖でこの挨拶を毎回していた。


「お狐様から今日のランチ前にこれを必ず言うように頼まれたのです。違和感があるようですので今後はやめます。義理は果たしたと思いますので。」


シグルド「お、おう、そうか。ところでシアと何を話していたんだ?」


「理想的な幼馴染の関係性についての観察結果と考察について少々。」


シンシア「クスクス。物は言いようね。唯の雑談がお堅い論文の題名に聞こえるわ。」


シグルド「幼馴染か・・シアとも長い付き合いだな。生まれた時からだから・・かれこれ20年以上だな。」


シンシア「シグ、そうね・・。」


二人の視線が交差する。


「・・・。お代は置いておきます。ごちそうさまでした。さよなら~。」


彼は500銅貨を机の上に置いて逃げるように退散した。


シンシア「彼には気を使わせてしまったかしら?」


シグルド「うん?どういうことだ?」


シンシア「・・・・・・はあ。」



「さて、何か良さそうな依頼はあるだろうか?」


彼は掲示板を眺めるが、あまり昨日と変わっていない様だ。変わったこといえばネズミ退治の張り紙が消えているぐらいである。


「首都とは違い更新頻度はかなりのんびりしてるな。これは部屋に引きこもって修行に明け暮れたほうが良さそうだな。」


シンディの声「あ~~~!!こんなところにいた!!」


掲示板から離れようとしたところ、シンディに彼は呼び止められた。


「ん?」


シンディ「ってなんで仮面しているの?」


「顔が少し腫れちゃったから仮面で隠しているんだ。」


シンディ「あ、あれは、貴方が」


「俺が?」


シンディ「悪いのよ。」


「いやいや。少し都合の悪い事実を言われたからと言って相手をノーモーションでぶん殴る方が明らかに悪いでしょ。そう思いませんか?親愛なるシンディ?」


シンディ「違うわ。私悪くないもん。」


「魔物は本能の赴くまま人間に襲いかかってきますが、貴女は魔物ではありませんね?」


シンディ「・・・・ち、違うわ。」


シンディは少し拗ねた表情をしている。


「で、シンディさんは俺にどの様な御用で?」


シンディ「・・・・。実は一ヶ月後、ドゥオの町に用があるのだけど護衛とし一緒に来て欲しいの!!」


「薪割はしなくて良いの?」


シンディ「前日までに終わらせておけばいいの。朝の様子なら1ヶ月あれば流石に調整は出来るでしょ?」


「出来なくはないが俺には君についていく理由がない。契約では1日の分は決まっているからな。」


シンディ「なんでよ?私が頼んでいるのよ?」


「うん?それはどういう意味だい?」


シンディ「私と一緒に行けるのよ?」


「・・・。シンディさんは貴族の令嬢に会ったことはあるか?」


シンディ「ないけどそれがどうしたの?」


「一度会えば分かるさ。自分がどれだけ滑稽なことを言っているかがね。」


シンディ「どういう意味よ!」


「まあ、ともかく俺は君の護衛をするつもりはない。他を当たって欲しい。そうだな・・・例えば彼に頼めば良いんじゃないかな?我ながらいい考えだと思う。」


シンディ「え?」


フリッツ「二人で何を話している?」


彼がどの時点で気が付いたか知らないが、いつの間にかフリッツが彼らの傍にいた。


「シンディさんがフリッツに護衛を頼みたいらしいぞ。詳しいことは彼女から聞いてくれ。じゃあな~。」


フリッツ「お、おい!新入り!!・・・どういうことだシンディ?」


シンディ「・・ま、いいか。目的は達成できそうだし」


彼は二人を置いて小屋に戻った。


その日の夜、彼はそれなりに長い日記を記入し床についた。

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