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70<仮面を求めて>

前回のあらすじ

彼は薪割りをした。

「答えが思い浮かんだが・・・・あまり答えたくないな。」


シンディ「なんでよ?」


シンディは何故か自信ありげな表情をしている。


「もしかしたら俺の答えを聞いた君は怒りだすかもしれない。このまま何も答えずに帰っちゃダメかな?」


シンディ「ダメよ。さあ、言いなさい~。」






「昨日よりお腹が出て・・ヘブア!!」






バチーン!!!


シンディは予備動作の無い流れるような体重移動から渾身の張り手を放った。音から判断すると孤児院での聖女よりもかなり強くひっぱたいたようだ。


「・・・・・・。」


彼はほんの一瞬だけ変装する前の表情に戻った。


シンディ「もう!!ジョンの馬鹿!!!」


シンディは彼を残してドスドス足音を鳴らして自室へと戻って行った。


「・・・。これは俺が悪いのか?」


ヘニル「・・・・・。今のはお前が悪い。」


「・・・。そうですか。では、失礼します。」


彼は自室に戻った。


「・・・見事に腫れてるな。」


鏡には真っ赤な紅葉模様を左頬につけた黒髪黒目の男が立っている。


「とりあえず水で冷やしてみるか。」


彼は瓶から取り出した水で頬を濡らすが、あまり効果はなさそうだ。


「これはある意味良い機会か?腫れを隠すために仮面を買った・・・うむ。少し苦しいがこれ以上マシな言い訳もなかなか出来ないだろう。」


彼は町はずれにある雑貨屋に向かった。


「昨日は夜だったから気が付かなかったが、中々歴史を感じさせる建物だ。」


彼は少し建付けの悪い木製の戸を開く。その際にカランカランと呼び鈴がなる。


女性の声「いらっしゃいませ。」


「こんにちは。ソフィアさん。今日も相変わらず綺麗ですね。」


ソフィア「フフフ、お上手ね。伊達男さん。昨夜ぶりね。こんな寂れた雑貨屋にようこそ。」


「まあ、昨夜約束したからね。」


ソフィア「フフフ、冗談のつもりだったんだけど・・ありがとう。まあ、狭いけど見ていって下さいな。」


「へ~、新聞も置いているんですね。」


彼はそう言いながら手に取る。


ソフィア「まあ、毎日ではないですけどね。一週間に一回ぐらいの頻度で取り寄せています。」


「この村だと貴重な情報源になりそうですな。」


ソフィア「まあ、それなりに売れるわね。」


「でしょうねえ。」


ソフィア「ところでなぜ貴方の顔が赤く腫れているか尋ねても良いですか?」


「よくぞ聞いてくださいました。これはとある野生の村長の娘さんが原因なんですが・・。」


彼はシンディの神速の張り手について無駄のない体重移動、呼吸法等事細かに説明した。


「彼女には武道の心得があるのだろうか?それとも戦闘系の加護か?」


ソフィア「・・・・。」


ソフィアは目を見開き息を止めている。どうやら肩が震えているようだ。


「ところでソフィアさんならどう答えるべきだったか正解わかりますか?同じ女性として。」


ソフィア「私は彼女自身ではないので正解は分かりませんが、もし村の若い男が同じ状況になったらこう言うと思います。」


「む?」


ソフィア「ただ一言。シンディはかわいいね。と。」


「なるほど。次、同じ状況になったらそう言・・」


一瞬彼は言葉を途切れさす。


「いや、彼女にだけは言いたくない。人の頬を大した理由もなく躊躇いもなく殴る様な女が可愛いわけがない。あれは野猿だ。ウキ!ウキキ!!ウキキキキ!!!」


彼は右腕で頭の天辺を掻き猿の真似をした。


ソフィア「フフフフ。ジョンさんて本当に愉快な方ね。フフフフフ。フフフフ。」


ソフィアを肩を震わせて笑っている。


「ハッハッハッ、楽しんで頂いたのなら何よりです。」


ソフィア「ところで、その頬、包帯で薬草を当てましょうか?」


「・・・・・。お願いできますか?ソフィアさん。」


ソフィア「ええ、喜んで。」


ソフィアはとても丁寧に包帯を巻いた。




「・・・・。本当にありがとう。ソフィアさん。」




彼は目を細めた後、とても静かな声で感謝を述べた。


ソフィア「!!!」


「うん?どうかした?ソフィアさん?」


ソフィア「ジョンさん。薬草代の代わりにお願いがあるのですが。」


「何でも言って下さい。俺にできる事なら叶えましょう。」


彼は己の胸にこぶしを軽くあてる。


ソフィア「私の事をソフィって呼んで下さい。」


「・・・・。ソフィ。包帯ありがとうね。俺のこともジョンでいいよ。」


ソフィア「はい。ジョン。」


ソフィアは綻ぶような笑顔をしている。


「貴女は笑顔でいたほうが良いと思う。」


ソフィア「ジョンはそういう事をいろんな女性に言ってそうね。」


「・・い、いや、初めてだぞ。うん。本当だ。」


ソフィア「まあ、そういうことにしておいてあげるわ。ところで元々ジョンは何を探してこの店に来たの?」


「ああ、そうだそうだ。仮面を探しに来たんだった。顔が腫れているのを隠したくてね。」


ソフィア「仮面って縁日で売ってるあれのこと?」


「ああ、そうそう、それそれ。扱ってる?」


ソフィア「ちょっと待ってね。確か去年の祭りで売れ残ったのがあったはず・・。」


ソフィは店の奥に姿を消した。彼は暇つぶしを兼ねてか引き続き店内を観察し始める。


「薬草も売ってるんだな。さっきのは個人の物ではなく商品だったんだな。」


彼はどんな薬草があるかを見ようとして・・


「あれ?レトローヴォ草か・・・。」


ソフィア「どうしたのジョン?」


ソフィアが仮面を幾つか持って戻ってきた。

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