57<三段活用>
前回のあらすじ
狐裁判長殿は彼の弁解に一定の理解を示した
「マニコ・ベーラ・レーグノ様、意外なところでお会いしましたね。お肌の具合はいかがでしょうか?眼鏡なんかかけてイメチェンでしょうか?って目も良くなったのですね?とても似合っていますよ。まるで長年眼鏡を使ってきたかのようだ。」
モニカ「え・・あ・・・・、・・・もう。意地悪。」
「・・・コホン。で、何をなさっているのですか?モニカ様?」
モニカ「・・・・ハイキングです。ハイ。」
果たしてハイキングに望遠鏡なんか必要なのだろうか?
「ドラゴンの観察ではなくてですか?」
モニカ「は、はい!確かにドラゴン級でした。」
このお嬢様は一体ナニを言っているのでしょうか?
「もし体調が悪いのでしたら麓まで送りましょうか?」
モニカ「是非、お願いします。」
モニカはふらついている。
「もし、抵抗がなければ横抱きしましょうか?」
モニカ「ふぇ?・・ぜ、ぜ、是非お願いします。」
モニカは同じセリフを言いながら彼にしがみついている。彼女の顔は少し赤い。
「のどが渇いたりはしませんか?」
モニカ「だ、大丈夫です。」
「もし異変を感じたらすぐに言って下さい。」
モニカ「は、はい。」
「そう言えば、モニカ様は学園にはまだ通われているのですよね?」
モニカ「え?ええ。最終学年ですが、在学中です。」
「その後、王子殿下とはどうですか?最後に会ったのは王城でなので学校での様子は分かりませんが。」
モニカ「・・・。王子殿下は相変わらず女子生徒には人気があります。」
「モニカ様はその後、王子殿下とは?」
モニカ「ご安心を。綺麗サッパリ関係がなくなりました。今はただのクラスメートです。」
「・・そうですか、まあ、なるべくしてなったという感想ですね。」
モニカ「・・そうですね。」
「・・コホン。王子殿下はやはりまだ婚約者は決めていないのでしょうか?以前、心に決めた人がいるとか何とか本人が言っていた気がしますが。」
モニカ「それが不思議な事にまだなんですよね。歴代の王族の方でも特に遅いほうだと思います。」
「なるほど、何か理由があるのかもしれませんね。」
モニカが何故か彼をジト目で見ているが彼は気が付かないふりをしている様だ。
モニカ「ジトー」
ついに彼女は口で言い始めた。
「モニカ様はどなたか良い人は学園で見つかりましたか?」
モニカ「学園にはいませんね。皆、胸ばかり見るんです。」
「そうですか。いつか見つかるといいですね。」
モニカ「ジトー」
どうやら気に入ったらしい。
「えっと?何か?」
モニカ「学園以外でとかは聞かないんですか?」
「む?ああ、そういう可能性もあるか。どなたかいるのですか?」
モニカ「ええ、いますよ。聞きたいですか?聞きたいですよね?聞いてくださいね?」
余談だが、後世の人々はこの論法を恐怖のサジューロ式三段活用と呼ぶようになる。
「どのような方なのでしょうか?」
モニカ「その人はなんと言いますか空気のような人なんです。」
「空気?」
モニカ「存在感が全くないというか。でもいないと困るそんな人。」
「はぁ?」
彼は困惑している。
モニカ「あまり良いとは言えない初対面だった私の愚痴に全て付き合って頂き真摯に答えてくれました。」
「はあ。」
モニカ「何よりも人に見せない努力を褒められるのって恥ずかしいですけど本当に嬉しいですね。多分あの時に落ちたんだと思います。ずっと側にいる人よりもあっちのほうが絶対良いって電気が走ったんです。その時は照れて悪態をついてしまいましたが。」
「はあ。」
モニカ「更に体を売られそうになった時も途中で気がついて止めてくれたんです。もし、クラスの男子が相手だったらと思うとゾッとします。」
「はぁ」
「でも、何より他人のために簡単に自分の命を懸けられる人。まるで物語に出てくる英雄みたい。」
「・・・。はあ。まあ、どんな奴かわかりませんが、良い奴がいたんですね。良かった良かった。」
モニカ「む〜〜。それってわざとですか?」
「多分、その人も貴女様の事は悪くは思ってはいないと思います。」
モニカ「・・・・・。」
「・・・・。俺にはその人がどなたか分かりませんが、もし人間でなくなったとしてもその人が人間だったときの事を覚えていてあげてくださいね。」
モニカ「え?あの?」
「いや、余計なことを言いましたね。あまり気にしないで下さい。」
彼らはチエロの町についたようだ。
「さて、着きましたよ。」
彼はモニカさんをゆっくりと降ろす。
モニカ「・・・。やはり、優しいのですね。」
「さあ、ただ天使のような美人を抱きしめたかっただけかもしれませんよ?では、またどこかで。」
善行度+50
モニカ「貴方はご自身の事を既に・・・もし貴方が人間だったら・・・いえ、駄目ね。この考えは捨てましょう。」
「というわけでお約束のレトローヴォ草です。」
リサ「いつもありがとうございます。」
善行度+5012
「毎度あり。」
リサ「いつも思いますけど本当に報酬はなくて良いのですか?」
「ええ、既に貰っていますから。」
リサ「何か差し上げた事はありますでしょうか?」
「いつも貰っていますよ?リサ様?」
リサ「フフ、貴方はいつも同じことをおっしゃいますね。」
「これ以上貰ったら罰が当たりますから。」
リサ「貴方はそれに関しては教えてくれる気はなさそうですね。」
「では、失礼し・・・。」
彼が別れの挨拶を仕掛けたところで聖女は割り込んだ。
リサ「明日は加護の判定の日ですね。」
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