56<LGBT>
前回のあらすじ
彼はマニコ・ベーラさんを抱いた。(嘘は書いていない)
白い雌狐ちゃんは幼女に一番激しく反応している。
「あ~・・え~・・言い訳聞いてくれます~?」
彼は妻に浮気がばれた哀れな男の様に言い訳を始める。
白い狐「クア!」
「まず、俺はロリコンではないし、ペドフィリアでもない。いいな?」
白い狐「クア~?」
本当か~?と言っているように聞こえなくもない。
セリフは毎回一緒だが、今日の彼女は前世より明らかに感情表現が豊かである。
「そもそも俺が好きなのは凛とした少し年上のお姉さんタイプだ。」
白い狐「・・・・・。クア。」
どうやら狐裁判長殿は彼の弁解に一定の理解を示したようだ。
「まあ、あれは子供たちにやる気を出してもらうために、身近な例を挙げただけなんだ。良いな?」
白い狐「・・・・クア。」
「次に聖女さんだが・・・。」
白い狐「・・・・・・・。」
「まあ、彼女は少し年上だし、お姉さんタイプではあるし、素敵な女性ではあるし、話も合うし、あの目は懐かしいクラスメートを思い出させる事もあるが・・・・。」
彼を路上で正座させた黒髪ボブヘアの女の子は茶色の眼をしていた。
白い狐「・・・・・・・。」
白い狐は何か真剣な顔で彼を観察している。その様子は嫉妬をしているというよりは何かを探っているようにも見える。当の彼は弁明するのに必死でその視線には気が付いていない様だ。
「彼女とは立場上相容れない。恐らくどこかで殺し合いになってしまうのだろう。人物自体は好感は持てるけどね。立場が立場なら良い友人になれたかもしれない。」
白い狐「・・・・。クア!!クア!!クア!!クア!!」
無言だった狐は彼と目が合うと、まるで嫉妬するかのように彼に吠え立てた。
「ハハハ。君にはできるだけ嘘や隠し事はしたくないんだ。」
白い狐「・・・クア。」
「あと、マニコさん改めモニカさんだが・・・。」
白い狐「・・・・・・・。」
「まあ、彼女もまた穏やかなタイプで好感は持てるし、友人ぐらいにはなれそうだが、彼女は多分ただ愚痴を言いたいだけだろうな。偶に付き合うぐらいがちょうどいい。」
白い狐「・・・・・・・。」
「後は俺の好みで言うと・・目が青くない。ああ、聖女様もそうだな。青じゃない。残念だ。もし青空のような碧眼だったらセクハラをしていたかもしれない。」
白い狐「・・・・。」
「・・・ん?・・どうした?ここは君が怒る場面ではないのか?」
白い狐「クア?」
狐はまるで彼の追及に対して誤魔化す様に首をかしげている。あざとい。
「まあ、機嫌が悪くないならいいか。・・ところで君は男については聞かないのか?」
白い狐「クア?」
狐はぽかんとしている。まるで何言ってんだコイツ?とでも言いそうな表情である。
「ほら、セドリック・・あの金髪王子とかどう思う?」
白い狐「クア?」
「金持ちだぞアイツ、日常的に旨い肉喰ってそうだろ?」
白い狐「クア?」
そもそも根本的に興味がなさそうだ。
「もしかして君は・・女好き?」
白い狐「クア!?!?」
「メスなのに?しかも幼女好き?・・・業が深いな。将来が少し心配だ。いや、偏見や思い込みは良くないな。最近はLGBTがどうたらこうたら・・これも一つの愛の形か。」
恐らく彼はLGBTの使い方を間違えている。
白い狐「カカカ、クア!?!?」
子狐ちゃんは初めてするような奇妙な鳴き声をしているが、この状態になった彼には通じない。
「フフフ。隠さなくて良いぞ。君の性癖趣向が何であれ、俺は君を大切に思っているからね。再会できた時に名前を付けるのは変わらないから安心してくれたまえ。」
彼の誤解は加速する。
白い狐「クア!!!クア!!!クア!!!」
狐は焦っているが、残念ながら彼には通じない。
「まあ、そんな女好きにもかかわらず、あの時、貧乏人の男の傍に残ってくれたことはとても嬉しかったぞ!!」
彼の中では最愛の子狐ちゃんは女好きで確定してしまったようだ。
白い狐「・・・クア。」
狐は何かを諦めたようだ。
「以前も言ったが君が人間の言葉を話せたら良かったのにな。」
白い狐「クア。」
「今日も意識が飛ぶまで傍にいてくれ。」
白い狐「クア。」
「う~む。君の名前はユリの方が良かったかな?」
白い狐「クア!?!?」
「でも、あの女と同じ名前になっちゃうしな・・。」
白い狐「クア。」
テルーオ歴6017年4月10日
彼が教会の手伝いを始めてから早二年、判定の日が近づいてきた。
「さて、もうすぐあの日だが・・・。」
彼は虚空を見上げる。
「善行度は901282か・・これは大事件でも起きない限り間に合いそうにないな。」
俺はいつもどおり掲示板を確認する。
受付嬢「紅眼、相変わらず不気味な目をしているわね。こっちを見ないで頂戴。で、今日はどうするの?」
受付嬢はいつも通りこんな態度であるが、彼はもはやあまり気にしていなさそうだ。ある意味素直だから彼にとっては案外相手をするのが一番気楽な人物なのかもしれない。
「ん〜〜〜。さて、なにかいい依頼はあるだろうか?」
彼はいつも通りギルドの掲示板を見回す。
「ん?これは?」
<依頼内容>
美容師の実験台
依頼主:美容師-アイリス
依頼内容:新しいカットの実験台
報酬:1銀貨
期間:1時間
支払い条件:実験終了後、ギルドにて手渡し
備考:斬新な髪型を思いついたのでどなたか協力してくれないかしら?男性で毛量が多い人がいいわね。
「俺は短髪だからこの依頼は受けられないが前世のように変装するのは良いかもしれないな。他に何かあるだろうか?」
<依頼内容>
猫探し
依頼主:アリシア
依頼内容:ミーちゃんの捜索
報酬:1銅貨
期間:見つかるまで。
支払い条件:対象を依頼主に引き渡し後、ギルドにて手渡し。
備考:ミーちゃんが通算56回目の脱走をしたの。誰か助けて。
「ミーちゃんはまた脱走したんだ。一度挑戦して成功はさせたけど見つけるまでが大変だったな。他にはなにかあるだろうか?」
<依頼内容>
レトローヴォ草の納入
依頼主:リサ・サンクトゥーロ
依頼内容:レトローヴォ草100本の納入
報酬:備考欄。
期間:備考欄。
支払い条件:備考欄。
備考:いつもどおり一応ギルドを通します。いつもどおり納入お願いします。報酬はいつもどおりです。期間もいつもどおりです。
「そう言えばもうそういう時期か。まあ、納入するのはこれが最期だろう。」
俺はカウンターに依頼表を持っていく。
「これをお願いします。セリスさん。」
受付嬢「・・・!・・・ほら。」
いつもどおり書類を投げてきた。
「では・・・。」
彼はギルドを後にした。
セリス「・・・・。・・・・そういえば彼に名前を呼ばれたのは初めてね。」
セリスは彼が出て行った扉をしばらく無言で眺めていた。無意識なのかその右手は自身の長い茶色の髪を弄っていた。
ところ変わって彼はレトローヴォ草を求めチエロ近郊の高原に来ている。いつも通り大型のドラゴン達がひっきりなしに離着陸している。
「相変わらずドラゴンと小動物が共存している。不思議な光景だ。」
彼はいつもどおり雪月白桜を岩に立て掛け、服も脱ぎ、露出狂となる。
「もしかしたら何回も来ているから匂い自体を覚えられている可能性が高いが敢えてやり方を変える必要はあるまい。どうせ俺以外の人間はここにはいないだろうし・・。」
彼はいつもどおり薬草を採取し、いつもどおり若手ドラゴンに匂いを嗅がれ岩場から離れる。いつもと違う点と言えば・・・
***「リサ姉に言われてきましたが・・・こ、これは・・し、刺激が強すぎます。全員あんなおっきいの?・・?・・・絶対入らないです。あ・・だめ・・ブフ!!」
彼は服を着た後、鼻血を出して倒れている女性に声をかける。どこかで見覚えがある気がする。
「モニ・・・・」
彼はちょっとした悪戯を思いついたようにニヤリと笑った。
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