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53<別れさせ屋始めました>

前回のあらすじ

彼は子供達への授業を終えた。

「ん?」


セドリック「お前は・・・。」


「こんな日雇い労働者の巣窟に我が国の王子様・・・?」


今日はたまたまそういう日だったのか、ギルド内には王子とその護衛兵以外には受付嬢しかおらず閑散としている。


セドリック「ちょうどいいところに来てくれた。」


「む?」


彼は少し戸惑っているようだ。


セドリック「確かセリスとやら、さっきの依頼だが・・。」


受付嬢「は、はい!!」


セドリック「さっき言ったとおりあの者に任せよう。」


彼は聞こえないふりをしている。


受付嬢「で、では、その様に手配します。」


彼は王子と受付嬢を無視して掲示板に向かう。


「何か良い依頼はないかな?そう言えば最近イノシシを食べてないな。イノシシ狩りの依頼でもないだろうか?」


王子が彼の背後から近づく。


セドリック「王子を無視するとはある意味お前は大物だよ。」


「そりゃ、名指しされなかったからな。」


彼は振り返らずに答える。


セドリック「お前以外この空間にいないだろう。」


「で、セドリック・ユベラージョイ・セレスタ様は俺に何のようですか?」


彼は振り返りながら答える。


セドリック「とある女性の話し相手をお前に命じる。」


「え?」


彼は怪訝な顔をしている。


セドリック「聖女よりお前は小さな女の子を誑し込むのが得意だと聞いた。」


王子の護衛の騎士さんの彼に対する視線は生暖かい。


「王子殿下、その表現は大きな誤解を招きます。俺はロリコンではないですし、ペドフィリアでもありません。あと、個人的見解では貴方様の方が俺よりも女性の扱いにはずっとずっとずっと長けているように思いますが?」


彼は大げさに両手を広げている。


ブフッ。


王子の護衛の一人が何故か息を素早く口から吐いた。


セドリック「・・コホン。俺は女性を口説いたことはない。」


近衛兵「・・・・・・。」


護衛の騎士は何かを言いたげな目で己の主人を見ている。


「紅眼の男と話したがる人間がこの地上にいるとは思えませんがねえ。」


受付嬢が無言で頷いている。


セドリック「その点に関しては大丈夫だ。彼女は目が見えない。」


「話すとしても何を話すんだ?君がわざわざ相手を探すということはその女性はかなり地位のある人なのだろう?孤児にその相手が務まるとは思えないけどな?」


彼は丁寧な言葉に疲れたのか、その口調は砕けた表現に変わっていたが、金髪の王子は特に気にしていないようだ。


セドリック「実はその女性はレーグノの要人なのだが・・俺と婚約したいと押しかけてきたんだ。」


レーグノは1000年位前はセレスタと仲が悪い国であった。


「へ〜、そりゃいいじゃん。結婚しちまえよ。」


彼はめんどくさそうに返答する。


セドリック「確かに政治的には悪くはない話だ。相手の国も大きいしそこと友好関係が結べるのは良いことだ。」


「じゃあ、いいんじゃねえの?」


セドリック「良くない。俺には心に決めた女性がいる。」


「え?君、何を言ってるの?確か以前、何人もオンナゴを侍らしてなかった?俺の記憶では少なくとも三人ぐらい周りにいなかったか?ほら、チエロの洞窟でさ。羨ましいな~と話した記憶もあるのだが?」


ブフ。


またどこかで誰かが吹き出したようだ。話の本題に全く関係ないが、今日の王子の護衛兵の一人は黒竜のときに王子のそばにいた居た護衛さんのようだ。


セドリック「あれは全員、学生時代の火遊びだ。相手も割り切っている。俺が真実の愛を捧げるのは唯一人だけだ。」


王子の言葉を受け彼は顔をしかめている。


「・・・・これ以上君の考え方に口を挟む気はないけど、あまり護衛さんの仕事や週刊誌の仕事を増やすなよ?」


セドリック「それに彼女は・・。その・・・・。一回会えば分かるとは思うのだが・・・。」


「皆まで言わなくていい。要は向こうから断るように話を持っていけば良いのかな?」


セドリック「ああ。」


「破談にするだけなら簡単だろうけど、国交に影響が出てはまずいんだろ?」


セドリック「ああ、だが幸い向こうはレーグノにも黙って非公式で来ているらしい。だから断ること自体は大きな問題にはならないはずだ。」


「素朴な疑問だが、君が直接断るのは何か問題があるのか?正直、俺には荷が重すぎる。」


セドリック「一度遠目に見たがあまりにも悍ましく・・」


彼は無表情で王子を見ている。


セドリック「お前はどんな塩漬け依頼でも受けると聞く。」


「・・・。別に断るとは言っていない。で、いつからだ?」


セドリック「今日だ。」


「は!?今日!?」


彼は驚いたのか眼を見開き、裏返った声で返答をする。


セドリック「このあと直ぐだ。」


「適当な奴が見つからなかったらどうするつもりだったんだ?」


セドリック「最悪、護衛の一人にやらすつもりだった。」


彼は護衛の方々の表情を見るが、護衛も無表情であり心情は読み取れない。


「分かった。案内してくれ。」


王子の依頼というか命令はあまりにも不自然な点だらけだが、彼は素直に従うことにしたようだ。


セドリック「待て、報酬だが・・。」


「いらねえよ。人の想いを卑怯な方法で踏みにじる手伝いをするんだ。対価なんか貰えるか。」

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