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49<死刃の狐人>

前回のあらすじ

神父が逮捕された。

「彼は気に入った孤児にしか教育をしていませんでした。俺は家事をしながら盗み聞きして最低限の読み書きだけできるようになりました。」


リサ「だから貴方様は独特な表現を使うことがあるのですね。」


「独特な表現?」


リサ「天使のように美しいだとか何とか・・」


少し赤い顔をして聖女は例を出した。


「ああ、あれは素直にそう思っているだけですよ。女性相手に嘘を言ってもすぐにバレますからね。」


リサ「あ、貴方は誰にもあんな事を言っているのですか?」


今まで彼は誰に言ってきただろうか?


「もちろん全員ではないですよ。俺にも好き嫌いはありますから。」


彼は口角を上げている。


リサ「もう、貴方はそういう事を・・。」


「さて、話は脱線しましたが、もし俺が先生になるなら勉強させてもらえませんか?教会の蔵書なんかがあれば読んでみたいのですが?」


リサ「・・ということは・・。」


「ええ、お受けしますよ、聖女様。」


リサ「そうですか。では、早速貴方の部屋に案内しましょう。」


「まるで最初から決まっていたみたいですね。」


リサ「つい最近破門になった者がいるので空き部屋がちょうどあったんです。」


「ああ。なるほど。最初の奉仕活動は自室の掃除からでしょうか?」


リサ「フフ。そうなりますね。」



-とまり木の一体が他種族により破壊されました。-


-正式な過程を経て処理されたため、とまり木が持っていた善行度は無視されます。-


-像族への罰則はありません。-



「さて、歴代の災厄については・・・このあたりか・・・。」


彼は今教会内の書庫に来ている。


「先ずは1000年前か。ケイ兄は結局、何という災厄と戦ったのだろうか?」



<災厄辞典>


一覧


ブランカ・ヴルーポ・デ・マレスペーロ・・テルーオ歴元年

絶望の大鬼が発生するまで長らく最悪と言われていた災厄であり、記録が残っている最古の災厄でもある。戦闘力という観点では未だに歴代最強と言われている。現代語ではそのまま絶望の白狐と訳される。ニグラリヴェーロ王国に発生。この妖狐を人類が討伐した日がテルーオ歴元年の1月1日である。

詳細:5頁


崩国の大蛇・・テルーオ歴201年

レーグノ王国の地に発生。

詳細:12頁



中略



壊滅の巨象・・テルーオ歴2999年

ドゥノーイ王国(現デゼルト王国)に発生。

詳細:300頁


絶望の大鬼・・テルーオ歴3107年

テルーオ歴6015年現在、唯一人類で討伐する事が叶わず神が介入した災厄。絶望の名はブランカ・ヴルーポ・デ・マレスペーロからとられている。ブランカネージョ王国に発生。

詳細:307頁



「絶望・・興味はあるがこの項目について調べるのは後にしよう。」



中略


獄炎の赤龍・・テルーオ歴4916年

ハルモニーオ帝国の地に発生。

詳細:395頁


死刃の狐人・・テルーオ歴5021年

フィーノ王国の地に発生

詳細:401頁


中略


雷雲の黄竜・・テルーオ歴5907年

レーグノ共和国に発生。テルーオ歴6015年現在最新の災厄。

詳細:575頁



「年号的にはこの死刃ナンタラという奴が該当か?フィーノというと俺が最期に居た場所に近い国だな。まあ、詳細を見てみよう。」



死刃の狐人

記録上唯一2体の生き物から発生した災厄。



「ん?」



通常、災厄は単体の生き物に黒い霧(未だに正体は分からないが、通常の魔物の周りに稀に現れる黒い霧と同質の物と言われている)が集まり、災厄となるが、この災厄は■と■■に黒い霧が集まり合体するように発生したとケイゴ・ニノマエの手記にある。



「一部が黒塗りされている?どういうことだ?」


一箇所筆跡が違う文字で記述されている箇所がある。


注記:■■の部分はテルーオ歴5500年ごろには既に何者かによって塗りつぶされており、原本とされるケイゴ・ニノマエの手記も紛失しているため、今となっては不明である。この項目については該当箇所が多い。



討伐メンバー

勇者ジョン・ベルクナー、剣聖ケイゴ・ニノマエ、賢者ケイト・ドゥクテル、聖者ブライアン・ラッセル、 ・・・・・



「へ~。大抵は聖女になることが多いらしいが、この時は聖者だったんだな。なんとなく筋肉モリモリな大男な気がする。なんとなく。」



災厄の行動パターン

この災厄は魔法や特殊な攻撃はせず近接物理攻撃のみ行った。絶望の大鬼と同様に刀剣を操り、また同様に人類による魔法や物理攻撃を一方的に切り裂き無効化した。人類側はその討伐までに10000本程刀剣を破壊されたと記録されている。絶望の大鬼と比べ人類側の被害が著しく軽微なのはどういう訳か、この災厄は周囲に人間が居ない場合は桜の木の側で何もせずに佇むという特性があり、それを利用して人類は反撃をしたとされる。また、大鬼とは異なり衝撃波による遠距離攻撃についての記録はない。


「なんだろう。桜の木のところの説明に無理がある気がするな。この頁は本当に事実を書いているのだろうか?」


災厄の容貌

実際に討伐に参加したケイゴ・ニノマエの手記には

「刀と右前足が一体化し、黒い狐の耳と紅眼としっぽを持つ人間の男に似た魔物」と記録されている。


討伐後

討伐メンバーでの死者は計100名程度。同様の行動をとった絶望の大鬼の1億余りに比べると少なく思えるが歴代で見ると被害が多い部類に入る。



テルーオ歴6015年現在、フィーノでは縁日等に桜の木の欠片を玄関先に飾る事が多いが、この災厄が桜の側でだけは大人しくなったという事に因んでいる。

一方、同国では同時期から縁日に男の子に黒いカツラを装着させ、女の子に白い狐の仮面を装着させるという記述が登場し始め現在でも続いているが、この災厄と因果があるかどうかについては専門家の間でも意見が別れている。



「この風習って・・偶然の一致だろうか?機会があればフィーノに行ってみたいところだが出来るかな?」

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