48<救済処置>
前回のあらすじ
ノベロはモニカ・サジューロに尋問を受けた。
**「なんでも孤児院の神父が児童虐待及び横領の容疑で捕まったらしい。」
「そりゃあ大変だ。でも、となると孤児達はどうなるのでしょうか?」
彼は一瞬何か複雑な顔をした後、無難なことを通行人に尋ねた。
**「さあ、代わりのシスターか神父が来るんじゃないかな?知らんけど。」
「そうなんですね。」
**「あんたはここの関係者か?」
「いや、貴方と同じ野次馬だ。久しぶりにセレスタに来たら面白そうなことになってたんでね。ただの興味本位で聞いているってだけだ。」
**「そうか。黒い噂もあるからあまり首突っ込むなよ?」
そう言いながら野次馬は何処かに立ち去った。
「まあ、いいか、俺もそろそろ出ようと思ってたから後任が誰であろうともあまり関係ないな。」
彼は野次馬をかき分け孤児院に入る。
「あら?俺の荷物がなくなっている?」
***「あ、帰ってきた。」
振り返ると一人の子供が彼を見ていた。年齢は10差ぐらいだろうか?
「マルコか久しぶりだな。俺の荷物を知らないか?」
マルコ「神父がどこかに持っていったよ。」
「そうか、ありがとう。」
彼は荷物のことは早々に諦め足早に立ち去ろうとする。
「部屋でも探すか。」
独り言を言っていると先ほどの子供が彼の袖を引っ張った。
マルコ「ごはん・・。もう3日食べてないの・・。」
「自分で用意する気はないのか?君の歳で俺は調理をさせられていた記憶があるぞ?あの神父にな。君も見ていただろう?」
彼は淡々とした様子で告げた。
マルコ「早く~。死んじゃう~。」
マルコは彼の忠告を聞く気はないのか己の要求を主張する。
「・・・・・この甘ったれた子供が将来どうなろうと俺の知ったことではない・・・か。腹減ってるやつを今直ぐ全員呼んでこい。明日の朝までここに居てやる。」
善行度+50
次の日、彼が朝起きると不思議なことが起きていた。なんと便所も誰かが掃除して綺麗だし、朝食も用意されている。
「これは一体何が起きているんだ?」
女性の声「あら、おはようございます。」
「どうして貴女様がここに?」
リサ「あら?聖女が孤児院にいるのは不思議ですか?」
「そういわれるとそこまでは・・・。」
リサ「聞きましたよ。チエロの洞窟で多くの人間の身代わりとなっておまけに黒竜を倒したとか。」
「まあ、確かに囮役にはなりましたね。でも、何故既にご存知なのでしょうか?流石に耳が早すぎませんか?」
リサ「ああ、それはモニカ・サジューロさんから伝書鳩が来たのです。」
「え?」
リサ「どちらかと言うとこの孤児院の惨状を伝えるのが主で貴方の活躍はおまけという感じでしたが。」
「この孤児院の惨状・・・児童虐待のこと?」
リサ「モニカさんの手紙には貴方が虫を食べて生きてきたと書いてあったため聖女として調査にのりだしたのです。」
「え?あれは飯の量が少ないから俺が勝手に採ってきて食べていただけなんですが・・。」
リサ「まあ、それはただのきっかけですね。それを口実に調べたら不正が出るわ出るわ。補助金の私的流用から始まり、ある程度大きくなった容姿の良い女児の如何わしい店への斡旋、いろいろね。」
「そんなことまでしていたのですね。気が付かなかったな。去年いなくなったマリーとか大丈夫だったのだろうか?」
リサ「・・・。彼女は普通の平民に引き取られたみたいですよ。」
リサは一瞬の間の後、質問に答えた。
「それは良かった。ところで今後、孤児院の運営はどの様な方が担当になるのでしょうか?」
リサ「心配しなくて大丈夫ですよ。今度はまともなシスターが派遣される予定ですから。」
「そうですか。良かった。それなら心置きなく出ていくことが出来ます。」
リサ「・・・・・・。」
「えっと?聖女様?急に静かになってどうしたんですか?」
リサ「どうして相談してくれなかったのですか?私は聖女ですよ?」
「既に王子様から教会の方に伝わっていると思いました。それでもなお動かないという事は何かしらややこしい政治的な事情があるのではないかと思っていました。」
リサ「・・・・。それは・・・。」
「リサ様、知らなかったことはしょうがないですよ。この様に対策して頂いただけで十分です。まあ、どちらにしろ近々出ていくつもりでしたが、ありがとうございました。」
リサ「・・・、引越し先の目星はありますか?」
「まだはっきりとは決めていませんが、ギルド周辺で考えています。」
リサ「もし、よろしかったら教会で住み込みで働きませんか?奉仕活動はする必要はありますけど、貴方様のこれまでの行動を見ているとそちらの方に向いているようにも思えるのです。もちろん余暇はありますので、街でギルドで依頼をする程度の余裕はあるはずです。」
「奉仕活動とは具体的には何をするのでしょうか?」
リサ「スラムでの炊き出し、清掃活動、孤児への教育・・などでしょうか。」
「最後の教育ですが、俺はまともな教育を受けたことがありません。専用の者がするのでしょうか?」
リサ「・・?貴方様の言動からは何か教養を感じますが、神父はそれすらも怠っていたのですか?」
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