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46<碧眼の白狐>

前回のあらすじ

彼は紅眼のセクシーなお姉さんと大運動会をしました。

狐は鉄格子の隙間を縫うようにゆっくりとした足取りで彼の目の前にやってくる。


白い狐「クア!!!」


威嚇をしているように見える。


「何故だ?俺は君に怒られることをしてしまっただろうか?」


彼の眉はハの字を描いている。


白い狐「クア!クア!クア!」


そうだ、反省しろ!!と言っているようにも聞こえなくもない。


「俺は何かしてしまっただろうか?君を怒らすというと・・・生前に君が怒ったことはないよな?」


白い狐「クア!クア!クア!」


よく考えろ!!と言っているように聞こえる気がしなくもない。


白い狐は彼が正解を言うまで許す気はないのかもしれない。


「君が俺の意に反したことは・・君が俺を勝手にかばったときと・・あとは・・」


白い狐「・・・・・。」


白い狐が静かになった。どうやら彼のこの考え方は間違ってはいないようだ。


「金持ちについていくように言った時ぐらいか?」


白い狐「クア!!クア!!クア!!クア!!クア!!」


正解でもないが完全な間違いでもないようだ。


「浮気を・・推奨した?」


白い狐「クア~~~!!!!」


「・・・浮気?」


白い狐「クア!」


「誰が浮気?」


白い狐「クア!!!!!」


狐の鳴き声からは強い感情を感じる。まるで「お前だ!!!!」と言っているかのようだ。


「俺は別に誰とも付き合ってはいな・・・痛・・」


白い狐は俺の足を甘嚙みしてきた。


「ま、まあ、そ、それはおいておこう。この5年間で俺が関わった女性は金髪の聖女様に赤髪の我儘女、眼鏡をかけた茶髪の女性、無責任な王級筆頭魔法使い殿にあとは強いて言うならギルドにいるレイシストの受付嬢ぐらいか?数だけは結構いるな。」


白い狐「ク、クア?」


白い狐は彼の本音に戸惑っているようにも見える。


「あ、しまった。もしかして今も女神様は見られているのだろうか?いや、夢だから大丈夫か?心だけは読めないと言っていたし・・。普段はあまり汚い言葉は口に出さないようにしているのだが、君を前にすると本音が出てしまうな。ああ、そうそう、一番重要な女性を忘れていた。」


白い狐「クア?」


他にいたか?と言っているように聞こえる。


「先に言ってしまったけどあの名前が分からない素敵な女神様だ。あ、君は知ってる?凄い美人なんだぜ。」


白い狐「・・・・・。」


彼は狐の様子に構わず続ける。


「特にあの大きなお胸とかお尻とか膝枕されたら幸せになりそうな美しい脚とか、あの触り心地がよさそうな長く美しい銀髪とか、」


白い狐「・・・・・。」


「でも、何よりもいいのがあの少し吊り上がった意志の強い青い目かな。あの美しい碧眼はいつまでも見ていたくなる。瞳孔が縦に長いのも君によく似ている。まるで俺の好みをそのまま具現化したような正に俺にとっての女神のような・・って正真正銘女神様か。」


白い狐「クア♪」


白い狐はいつの間にか俺の足に頭を擦り付けている。


「鎖がなければ撫でたいところだが・・それにしても何故こんなに機嫌が良くなったんだ?」


そんなことを言ったおかげか鎖が突如音もなく消えた。


彼は狐を抱き上げる。


「今言ったことは女神さまに絶対に内緒だぞ?完全なセクハラだからな。」


白い狐「クア♪」


「これは多分、了承の意かな?」


白い狐「クア。」


「ありがとうね。今日は俺が目覚めるまで傍にいてくれないか?」


白い狐「クア、クア~♪」


「本当に可愛いな。君は。」




「ハッ!ああ、夢か・・。いい夢だったな。・・早く名前を呼んでやりたいな。」


彼は水桶の水で顔を洗う。


「さて、気持ちを切り替えてセレスタに帰ろう。」


トントン


彼が着替えを済ましたあたりで部屋の戸が誰かにノックされた。


「はい、何でしょうか?」


女性の声「モニカ・サジューロです。」


チエロの町はサジューロ公爵領に含まれる。


「公爵令嬢様が俺に何の様だろうか?・・・今開けます。」


彼がドアを開けるとそこには王子の右腕に抱きついていた茶髪のメガネをした令嬢が立っていた。


「あ、昨日ぶりですね。しがない孤児に何の御用でしょうか?」


モニカ「えっと、・・・・その・・・・。」


「多分、貴女様はあれをどうやって倒したかが聞きたいのでしょうかね?」


彼は戸惑う彼女の様子を観察した後、助け舟を出した。


モニカ「ふぇ?・・ええ、そうです。そうです。」


どうやら彼女は図星を突かれて驚いたように見える。


「どうやら俺の白い刀は少し特殊みたいで魔法的な力も切断できるみたいです。ブレスをこの刀である程度無効化しつつ、あとはこちらが大怪我しないように少しずつ削ってきました。回復薬も沢山使っちゃいました。」


そう言いながら彼は何かをアピールするかのように空ビンを机の上に1つ置く。


モニカ「え?」


「ああ、刀の方が気になりますかね?そうですか。そうですか。そうですよね。曰く付きらしいので直接触るのはオススメしませんが、とても綺麗な刀ですよ。雪月白桜というのです。」


彼は大変機嫌がいい様子で雪月白桜を鞘から抜きゆっくりと机の上に置く。


モニカ「あ・・・。」


彼はまるで一番見栄えの良い角度を探しているように刀の置く角度を調整している。さらにモニカの顔と刀に視線を交互に向けている。もしかしたら100銅貨で購入した刀を自慢したいのかもしれない。


「モニカ様?どうされました?」


先程からモニカ様は彼の顔をガン見しながら意味のある音声を発さない。所謂上の空の状態である。少なくとも雪月白桜には全く興味がなさそうだ。


彼は少し残念そうな感情を一瞬だけその顔に映した。

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