表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/137

45<公平な評価>

前回のあらすじ

大型の魔物が出たらしい

部屋の中心に巨大な真っ黒い全身に赤い目を持つドラゴンが鎮座していた。一部鱗に傷がついている所があるが、昨日の戦闘によるものだろう。


「入口前に居たら面倒だと思っていましたが、運が良かったです。」


レミリア「こんな事を言う資格はありませんが、ご武運を。」


「おやおや、天使の声援を受けてしまいました。これは気張らないといけませんねえ。じゃあ、今からあのドラゴンをナンパしてきますので、皆さんはその間にご退席下さい。」


彼は雪月白桜を掲げながらドラゴンに向かって駆ける。


「なあ、そこのセクシーな紅眼のお姉さん、ちょっと俺とお茶してくれないか?」


これまた古典的なセリフを言いながら黒竜に向かって駆ける。


紅眼の黒竜「!」


黒竜は息を吸うような仕草をしながら身体をのけぞらす。


「おいおい、いきなり全力ブレスかよ。正直よけたいところだが・・・射線上に皆さんも居るし・・しょうがねえな・・。」


彼は地面を強く踏み抜き加速する。


ドン!!!


黒竜「!!!!!」


黒竜はまさか彼が突っ込んで来るとは思わなかったのか、ブレスを一瞬躊躇った。


そのおかげか、彼が到達するまでブレスが出ることはなかった


「・・・・斬る!!」


彼は白い光を湛える黒竜の口に向かって雪月白桜を全力で振り下ろす。


キン!!


黒竜「グギャアアアアア!!!!!」


ゴオオオオオオオ!!


少量の白い冷気の奔流ががやや的外れな方向に向かって飛んで行った。


彼は急いで黒竜から離れる。


「何とかなったか?」


黒竜は左目を負傷し、狙いがずれた氷のブレスは彼の右肩の一部に凍傷を残した。


彼は無言で回復薬を右腕に振りかける。


***「あの状況で前に突っ込むとはな・・。というよりもブレスの威力が異常に下がったな・・。」


**「おい!そんなことより逃げる事に専念しろ!」


***「ああ、そうだな。」


彼はそのまま黒竜に肉薄する。


黒竜「!!」


黒竜は体全体を横に回し尻尾による攻撃をしてきた。


「キエエエエエエ!!」


彼は奇声を上げながら尻尾に向かって雪月白桜を振り下ろす。


キン!と音を立てながら彼の雪月白桜は尻尾を切り裂いた。切断された尻尾は遠心力で吹っ飛び壁に大きな音と共に激突し止まった。


「おいおい、君の尻尾は飛び道具にもなるのか?愉快だな。」


そう言いながら周囲を見回す。どうやらいつの間にか全員避難が完了したようだ。


「これで漸く自由に戦えるか。」


彼は更に追撃しようと黒竜に向きなおる。


黒竜が叫びながら先程よりも大きく仰け反っている。ついでに何か黒い靄が黒龍に集まっているようにも見える。


「まあ、俺に出来ることはいつだって1つだけだ。」


次の瞬間黒竜の口が青く光った。


それに合わせるように彼は再び黒竜に斬りかかる。


キン!!と音を立てて黒竜の頭部の一部が消滅する。が、彼はブレスの余波を食らい吹き飛ばされ地面に転がる。


「痛って・・・。」


黒竜「ギャオオオオオオ!!!!!」


ドゴン!!ドゴン!!ドゴン!!ドゴン!!


黒竜は視界を失い、頭を振り回しながら闇雲にブレスを連発している


彼は身を低くしながら回復薬を体に振りかけ、シューっと音を立てて傷が治癒される。


「危なかった。」


黒竜はブレスを連発しているが、その威力は撃つたびにだんだんと減っているようにも見える。


「もし、このまま俺が岩陰に隠れていたら君は勝手に消滅するのかもしれないが・・なんでだろうな何故か君の状況が他人事に思えないんだ。」


彼は再び黒竜に向かって駆ける。


「今、楽にしてやる。君は無駄に苦しむ必要はない。」


俺は全力で黒竜の胴体に雪月白桜を振り下ろす。


キン!!


・・・ゴン!!


黒竜は消滅し、その場には大きな魔石が残った。


「はあ、はあ。・・・・相変わらず嫌な気分だ。」


彼は独り言を言いながら周囲を観察する様に見回す。


「・・・・。さて、皆さんは帰ちゃったかな?入口に死体回収班ぐらい残ってないかな?」


彼は一人洞窟を出る。洞窟の前は何もなく誰もおらずシーンと静まり返っていた。


「・・・・・。さ、善行度チェックだ。今回は結構無茶したからな。頼みますよ〜。」


善行度+600359


「はひょひょひょひょ〜〜〜〜〜〜!!!」


彼のあげる大きな奇声は岩壁に反響し見る者がいれば恐怖を感じるかもしれない。しかしながら幸か不幸か周囲には彼以外には誰もいない。


「まあ、大勢の人間の命を助けたと考えれば妥当なのか。ああ、神様は公平だな。」


彼はチエロの街により教会で生存報告をした後、安宿をとり就寝した。




チエロの高級宿にて


セドリック「それは本当か?」


レミリア「はい。念のため私も現場に赴き確認しましたが、成人大のかなり大型の魔石が放置されていました。」


セドリック「まさか英雄級の強さになるとは・・・・当日の警備体制を根本から見直す必要がありそうだ。」


レミリア「始原の加護持ちの前衛が居れば抑えられそうですが・・。」


セドリック「もし現れたら運が良かった程度の認識でいよう。」




「む?ここは?」


彼はいつの間にか牢屋にいた。


「見たことがある部屋だぞ?」


彼は己の体を見る。以前よりもぶっとい鎖が全身に巻き付き、雁字搦めに壁に固定されている。ついでにやはり昼間より体が大きくなっているようだ。


「以前はここいらであの美しい女神様の足音が近づいてきたものだが・・。」


「・・・・・。」


しばらく待ったが特に音はないもしない。


「これは目が覚めるまで待つしかないのだろうか?」


そのようなことを考えてきた時だ、


タタタタタタタタタタタッ


何やら連続した軽い音、動物の足音にも聞こえるような軽快で小さな音が近づいて来た。


「ん?」


俺は足音がする廊下の方を眺める。


タタタタタタタタタタタッ・・タ。


ふと音が途切れた。そこには昔と寸分違わぬ姿の白い狐がいた。


「えっと?久しぶりだね。恐らく5年ぶりぐらいかな?見ての通り今、俺は鎖で作った衣装で芋虫のコスプレに挑戦しているんだ。君もどうだ?なかなか刺激的だぞ?」


子狐相手に見栄を張ろうとして意味不明な言動になっている彼は自覚がないようだが、その表情は前世のあの日以前の様にとても柔らかいものとなっている。


白い狐「・・・・・・・。」


彼の最愛の白い狐は牢屋の外から彼を無言で見ている。


「もしかして何か機嫌が悪いのか?困ったな・・。」


と彼がそんな独り言を言っていると狐に動きがあった。

もし気に入りましたら評価をお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ