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39<聖女様>

前回のあらすじ

はひょ。

シスター「すいません。そこの御方。」


「俺のことでしょうか?大罪人に何かご用ですか?」


シスター「クス。ええ、聖女様が貴方に用があると・・。」


「聖女様?そんなお偉いさんが俺なんかに何の様だろう?」


シスター「お礼がしたいとの事です。」


彼はシスターに連れられ小部屋の中に案内される。しばらくするとガチャリと彼の背後で扉が開かれる。


**「また、お会いしましたね。」


ついさっきどこかで聞いたような声が聞こえる。彼が振り向くとそこには・・。


「え!?」


リサ「聖女に初めて会う人は皆似たような反応をしますね。そうです。私が聖女です。」


そう言いながらリサは少し赤い顔で前髪を整える。彼女の癖なのだろうか?


「超絶美少女なリサ様が聖女様?」


彼が思わずといった様子でこう言うと、リサは顔を更に赤くした。


リサ「や、やめてください。あ、あれは久々に街に出てはっちゃけたと言うか普段の反動が・・。」


案外ストレスが貯まる役割なのかもしれない。


「これは失礼しました。」


リサは無言で彼の近くに寄り、彼女の小さな手で彼の両手を取る。


「え?あの?」


リサ「レトローヴォ草は助かりました。在庫が尽きかけて危ない状況だったのです。」


「お役に立てたようで良かったです。では、俺はこれで。」


リサ「お待ち下さい。今回は偶々貴方様がいましたが、次回はこうなるとは限りません。どうやって採取したか教えて頂けませんか?」


「逆にお伺いしたいのですが、教会では今まではどうやって確保していたのでしょうか?」


リサ「今までは大金をギルドにお支払いし確保して貰っていました。ですが、最近、教会の上層部で配置換えがありまして、薬草よりは魔法優先の方針に変わってしまいまして・・。」


「聖女様の魔法に頼る方針となったわけですか・・。教会中の男を魅了し、方針まで変えさせるとは貴女様は罪な女性ですね。」


リサ「もう、揶揄わないでください。」


「・・・。今から話すのはあくまで俺の場合です。他の人がやってうまくいくかは分かりません。それでも宜しいでしょうか?」


リサ「ええ。お願いします。」


彼はドラゴン達の前で一人ストリップショーを開催しながらついでに薬草を採ってきた黒髪紅眼の変質者について説明した。


リサ「え!?裸ですか!?」


「ドラゴンに己は無害な生き物ですというのをアピールする必要があります。まあ、弱者の生存術ってやつですね。あまり強い人が同じことをやっても上手く行かないかもしれません。」


リサは真っ赤な顔をしている。もしかしたら己が裸になっているのを想像しているのかもしれない。


「リサ様?まあ、もしかしたら他にも良い方法があるかもしれませんが、俺の場合はこうしました。」


リサ「むむむ。」


「?」


リサ「厚かましいお願いですが、定期的にレトローヴォ草を確保頂くことはできませんか?」


「無報酬でならば良いですよ。」


リサ「え!?いや流石に報酬を支払いますよ!?」


彼は前回同様に困ったような表情をしている。


「そうですね。では、こうしましょう。」


リサ「・・・・。」


リサは無言で彼の言葉を待つ。


「では・・俺の葬式で嘘泣きでもいいので泣いて頂けませんか?そうして頂けたらそれ以上の幸福はありません。聖女を泣かした男として歴史書に刻まれるのも悪くない。」


リサ「あ、あの・・冗談ですよね?」


「ええ。冗談です。」


彼は真顔のまま、あっさり冗談と認めた。


リサ「も、もう。びっくりしました。では、金銭で・・」


「いえ、金銭よりも欲しい物があります。」


彼はリサの手を取る。


リサ「ふぇ?・・えっと・・まさか・・・・?」


リサは顔を赤くしている。


「俺が死んだ後も俺のことを覚えていて頂けませんか?どんな形でも良いのです。極悪人としても取るに足らないつまらない男としてでも良いので何らかの形で覚えていて欲しいのです。具体的には時たま墓参りにでも来て下されば嬉しいですね。」


リサはほんの一瞬だけ目を見開いた。


リサ「・・・・。そんなことで良いのですか?」


「はい。十分です。」


リサ「わかりました。」


リサがお辞儀している間だけ彼は眼を閉じていたが、彼女が気づくことはなかった。


「では俺は失礼します。依頼が待っていますので。」


聖女は立ち去り小さくなっていく彼の背を凝視しながらぽつりと漏らす。


リサ「大きくて力強い手でしたね。」



彼はその脚で普段よりも遅い時間にギルドの扉を開いた。


カランカラン。いつもどおりの音が鳴り響く。


ざわざわ。


普段も騒がしいところではあるが今日は特段騒がしい。


**「あ、紅眼。」


誰かが彼を指差した。今日の彼は注目を浴びているようだが、特に気にすることもなくいつもどおり塩漬け依頼の欄に直行する。


「どれにしようか。より取り見取り、ビュッフェスタイルというやつだな。」


**「ねえ。」


「偶には大猪とサバイバルデートにするか?いや、火吹きトカゲとリンボーダンスパーティというのもナカナカ。う〜む。」


**「ねえ。」


「森林狼と持久走大会もポイント高そうだな。悩む。依頼日が古いものからやるか?ライバルがいないというのも問題かもしれないな。」


**「ねえってば!!」


彼は誰かに肩を叩かれた。どうやら彼以外にも塩漬け依頼ハンターがいるらしい。


「ああ。申し訳ない。依頼書が見えなかったですかね。今、横に移動します。」


彼は掲示板を見ながら横にスライド移動する。


「いやいや、戦闘ばかりだとただの戦闘狂みたいであの子に倦厭されてしまうかもしれないな。う〜む。ここは全依頼中ぶっちぎりの難易度を誇る猫探しに再び手を出すか?再度人類の限界に挑戦してみるか?」


只今、彼は猫探し、報酬:1銅貨という依頼を精査している。


**「ねえ、お願いだからこっちを向いて。」

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