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33<最高難易度>

前回のあらすじ

彼は遅い中二病を患った。

テルーオ歴6010年3月4日


「今日は前々から気になっているこれに手を出してみようか。」


2刻後、彼はギルド内の掲示板から猫の捜索依頼の依頼表を取り外していた。


「お願いします。」


受付嬢「・・・はぁ、ネズミの次は猫なのね。」


セリスと名札の付いた受付嬢は呆れた様子をしながらも処理を済ませた。



<依頼内容>


猫探し


依頼主:アリシア


依頼内容:ミーちゃんの捜索


報酬:1銅貨


期間:見つかるまで。


支払い条件:対象を依頼主に引き渡し後、ギルドにて手渡し。


備考:ミーちゃんが通算8回目の脱走をしたの。誰か助けて~。



「お姉さま、アリシアさんという方はどこにお住まいですか?」


受付嬢「・・・・・。この建物から右手に10軒先よ。ほらさっさと行って。」


彼の後ろには誰もいない。


「名残惜しいですが失礼します。」


受付嬢「・・・・。」


「7,8,9,10。話によればここだろうか?」


彼の目の前にはこの国では一般的な石造りの一軒家が鎮座している。


「多分平民の家かな?」


彼は意を決して呼び鈴を鳴らす。


???「は~い。」



「どうも。」


茶髪の女性「えっと?・・・!!」


彼女は彼の赤い目を見て言葉を詰まらせた。


「・・・・・。猫探しの依頼を受けた者です。」


彼は依頼表を見せる。


茶髪の女性「そ、そうなのね。あの子ったらまた勝手に依頼を出して・・・。アリシア~。」


女性が玄関先で呼びかけるとしばらくしてから足音が聞こえてくる。


アリシアと呼ばれた女の子「なに~?ママ~?」


茶髪の女性「ミーちゃんをまた逃がしたのね?」


アリシア「あ・・うん・・。」


茶髪の女性「放っておいてもその内帰ってくるわよ。」


アリシア「でも、馬車に轢かれちゃったら・・・。」


茶髪の女性「はあ・・。それで今度の報酬はいくらにしたの?」


アリシア「1銅貨。」


茶髪の女性「え?」


女性はそう言いながら彼の顔をじっと見る。


「・・・・。はい、確かに1銅貨です。今日はミーちゃんの外見的特徴を伺いに来ました。」


アリシア「えっとね~、名前の通り黒茶白の三毛猫なんだけど、全体的に黒い部分が多いかな?あとね~、あ、そうそう~、顔は白いんだけど右目の上に茶色の毛があってそこだけ斑点みたいに見えるの~。後、雌猫ね。」


「三毛猫で黒が多いが顔は白っぽく右目の上が茶色の雌猫・・。」


彼は手帳にメモをしている。


「ミーちゃんが良く行く場所というのはありますか?」


アリシア「ん~、わかんな~い。いつもいろんな場所で見つかるの~。」


「・・・・・ありがとうございました。虱潰しに探すことにします。」


茶髪の女性「あ、あの・・・。」


彼は礼をした後、踵を返そうとすると声をかけられた。


「ん?何でしょうか?」


茶髪の女性「本当に1銅貨でいいのかしら?」


「・・・・。はい。では。」


彼は今度こそ立ち去った。


アリシア「ママ、なんかあの子怖い。」


茶髪の女性「・・・。子供らしくない子供、将来苦労しそうね。」


そもそも彼に将来が来るかどうかは定かではない。


「ん~、見つからん。」


2日後、彼は噴水前で唸っていた。


「猫はいっぱいいるが・・肝心の三毛猫がいねえ・・・。」


**「ニャー、ニャー・・・。」


彼の周りには猫が群がっている。


「ほら、拾った肉だ。小さいけど・・・。」


彼はトコトコやってきた猫達に肉の欠片を与える。


**「ニャー、ニャー・・・。」


猫たちはエサに群がる。


「君達・・三毛猫のミーちゃんの行方を知らんか?」


**「ニャー?」


「ん?気のせいか?俺の言葉に反応した?」


**「ニャー?」


「まるであの子みたいだな。」


**「ニャー?」


「もし知っていたら案内してくれないか?」


**「ニャ?ニャニャニャ?・・ニャー。」


地面に転がっていた猫の一匹が立ち上がる。


「うん?」


**「ニャー。」


「これはついてこいという意味か?」


彼は白い猫の後をついて行く。


猫は路地に入り、貧民街を抜け、さびれた空き地に向かっていった。


「・・・こんなところに空き地があったんだな。」


そこには数匹の猫が日向ぼっこをしている。


「ん?あそこに居るのは三毛猫だな。」


**「ニャー、ニャー。」


その三毛猫は彼と視線が会うとゆっくりと近づいてくる。彼の目の前にたどり着いたと思ったら徐に彼にお尻を向けた。


「なんで猫ってのは俺に尻を向けてくるんだ?その癖、向こうから近づいてきやがる。俺は君たちの尻には興味がないんだけどな・・。」


そう言いながら彼は三毛猫の顔を観察する。


「黒多めに白い顔に右眼の上に茶色か。確かに条件に合致するな。」


彼はそう言いながら猫の全身を改めて観察する。


「幸い怪我とかはしていないようだな。病気もなさそうだ。」


ミーちゃん「ニャ?ニャ?」


「どうやら君の主人が君を探している様だ。どうだ?そろそろ家に戻る気はないか?」


ミーちゃん「ニャー。」


ミーちゃんは鳴きながら彼にとびかかってくる。


「妙に人懐っこい猫だな。ククク。」


ミーちゃん「ニャ~~。」


「ありがとうな。」


彼は案内してくれた白い猫にお礼を言う。


**「ニャ~?」


白い猫は彼の言葉がわかっているのかいないのか一言だけ返事のような鳴き声をあげた。


彼は猫を抱えて依頼主の家まで運んでいく。


アリシア「あ、ミーちゃん!!」


ミーちゃん「!!」


偶々家の前に居たアリシアが彼に気が付いた。ミーちゃんは彼女の少し大きな声にびっくりしたのか一瞬だけ全身を硬直させた。


茶髪の女性「あの猫が大人しく他人に抱えられているなんて・・。」


彼はアリシアにミーちゃんを引き渡す。アリシアはミーちゃんを手に入れると家の中に戻ろうとする。


ミーちゃん「・・・・・。」


一瞬だけ猫が明らかに嫌そうな顔をしたが彼は気が付かなかったようだ。


「・・・・。これで契約完了でしょうか?」


アリシアは彼の言葉が聞こえないのか家の中に引っ込んでしまった。


「・・・・・。」


茶髪の女性「あの子ったら・・・。私が代わりにサインしましょう。」


「・・・。確かに。では、俺はこれで。」




茶髪の女性「・・・・・。本当に不気味な子供ね。」」




彼の背中を一瞥した後、女性も家の中に入っていった。


「依頼を終えました。」


受付嬢「・・・・。ほら。」


受付嬢は言葉少なに1銅貨を差し出した。


善行度:+400


「・・・・。時間はかかったが結構、稼げたな。」


受付嬢「・・・。いつも思うけどなんで彼はあんな満足気なの?」


立ち去る彼の背中を怪訝な顔で凝視していた。



女の声「相変わらずの浮気性ですね。ですが、まあ今日のは許しましょう。メス共も貴方に特別な関心を抱いたようではないようですので。」


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