32<傲慢王女の断罪>
前回のあらすじ
ノベロ君は女神様の贈り物でネズミ狩りをしました。
村長「一応現場を確認させてくれ。」
彼は村長を案内する。
村長「確かに全滅しているな。その年齢でスキルを使えるのか?」
「ええ、まあ。依頼完了ということでよいでしょうか?」
村長「ああ。文句なしだ。どれサインをしよう。」
「ありがとうございます。」
村長「報酬はギルドに預けているからそちらで受け取って欲しい。」
「了解しました。では。」
そのまま俺はセレスタにトンボ帰りをする。彼は馬車の中で睡眠をとった。
「依頼を済ませてきました。」
受付の女「一応、印はあるわね。ほら報酬よ。」
女は銅貨を何枚か投げつけた。
「・・・。ありがとうございます。美しいお姉さま。」
受付の女「・・・!」
女の胸元にはセリスと書いてある。
善行度+200
「もしかして貢献度に対して対価が不足しているほど差額が善行度に反映されるのか?」
彼はギルドの掲示板を眺める。
「塩漬け依頼は横取りされる心配もほぼ無く宝の山ということか。」
彼は満足げな顔をしながら孤児院に戻った。
「ただい・・・。」
パトリシア「遅〜い。どこほっつき歩いてたの?早く食事作って〜。」
「「そうだぞ、トリシャを待たすなんて何考えてんだ?」」
セドリック「そうだ、早くしろ!!」
「死よ彼の者の苦しみを優しく拭い去り・・・・。」
彼はどこぞの神のようなセリフを言いながら右手を雪月白桜に伸ばし・・
「フウ、フウ、・・落ち着け俺。」
残念ながら彼は思い止まったようだ。
「神父は?」
パトリシア「昨日の夜からどっかに行っちゃった。ねえ、さっさと夕食用意して」
彼は不満そうな顔で台所に向かう。
パトリシア「さ、皆、傲慢王女の断罪ごっこしよ?」
セドリック「トリシャ?もう今日は30回目だぞ?」
パトリシア「セディは嫌?」
セドリック「そうではないけど・・。」
女の子「ねえねえ、今度は私がお姫様が良い~。で、セディが王子を追い詰めるスパダリの辺境伯令息の役ね。」
パトリシア「ねえ、マリー、姫ってどの姫?」
女の子「そりゃ、ヒロインをざまあする女主人公の公爵令嬢のお姫様よ。」
パトリシア「え、駄目よ。それは私がやる~。マリーはモブの銀髪碧眼のお姫様でいいじゃない。」
女の子「良くない!!!いつもトリシャばかりずるい!!!それに銀髪碧眼なんて陰気臭そう・・ともかくそれは嫌!!!」
ほんの一瞬だけ彼の手が止まった。
パトリシア「じゃあ、女主人公から王子を寝取るヒロインの義妹でいいじゃない。」
セドリック「俺も主役はトリシャが良いな。」
パトリシア「はい、決定~。」
女の子「キ~~!!」
子供たちの話す物語は題名と中身に大きな相違があり、少なくとも題名の王女様は断罪したりされたりすることはない様だ。まるで、誰かが無理やり元の話を捻じ曲げたような違和感がある。
パトリシア「マリーはわがままねえ。じゃあ、筋肉修行に国外にドラゴンを倒しに行く脳筋男爵令嬢の役でいいじゃない。美人らしいし、いいじゃない。」
女の子「もう、義妹で良いわ。」
彼は鶏肉の仕込みは終え、フライパンに乗せ加熱し始めた。
パトリシア「マリー、貴女何を言っているかわかっているの?これは本人どうしの感情ではなく王家と公爵家との契約なのよ?」
女の子「ごめんなさい。トリシャ姉、貴女の事は尊敬していますが、彼は譲れません。真実の愛に気がついてしまったの!!いけないことだとは分かっているの、ごめんなさい。譲ってお姉さま!!」
パトリシア「何よ、貴女なんかが彼にふさわしいはずないじゃない。妾の子のくせに!!いつも貴女は私から大切な物ばかり奪っていくのね。」
男の子「トリシャ、申し訳ない。婚約を破棄して欲しい。俺の有積で構わない。俺は彼女を愛し・・・ごめん、マリー、このセリフは言えないわ。俺、トリシャの方が良い。」
女の子「私だってこんな役やりたくないわよ!!ジャックが誰とくっつこうが心底どうでもいいし!!!」
パトリシア「もう、二人ともまじめにやってよ~!!!」
さて、料理ができたようだ。劇もちょうど終わった様だし、タイミングは良いのだろう。
「できたぞ。」
セドリック「遅えよ!!」
「朕茲ニ戦ヲ宣ス。朕ハ全力ヲ奮テ交戦ニ従事シ総力ヲ挙ケテ戦ノ目的ヲ達成ス・・・」
彼は黒き神のようなセリフを言いながら、その手を懐にある雪月白桜の元に・・・
「・・・。・・・はあ、はあ。落ち着け俺。感情は捨てろ。あの子との再会が叶わなくなる。」
やはり非常に残念ながら彼は寸での処で思い思い止まってしまったようだ。彼は自身以外の分の食事を作り、彼自身は以前作ったバケネズミの干し肉を食した。
善行度+20
彼はいつもどおり日記を記入し床につく。
-彼が封印された記憶に触れようとしています。重要事項にはノイズが付加されます。-
テルーオ歴■■■■年■■月■■日
男「え?俺が貴女様の■■■ですか?」
女「フフフ。貴方に拒否権はありません。私のために世界最強の剣士になって下さい♡」
男「素質という観点では俺は最も向いていない男だと思います。」
女は男の両頬に手を沿え顔を至近距離で覗き込む。女の方が少しだけ身長が低い。
男「!?」
女「いつ暗殺されるか不安でしょうがないのです。強い人は沢山いますが私が心から信頼できる人は世界に一人しかいません。私には貴方しか頼れる人がいないのです。どうか、どうか、引き受けて頂けませんか?」
女の声は震えている。
男「■■■■■■■■■様。我が命に代えても貴女様をお守りします。」
男は覚悟を決めた様子で宣言する。
女「私のおねだりにとても弱いところも大好きよ。私の■■■♡」
女は先程の雰囲気が嘘であったかのように楽し気に笑った様である。
男「え?あれ?え?」
女「フフフ。はい、ご褒美よ。」
チュッ!!
という水音に似た音がする。
男「!?」
女「フフフ。お顔が真っ赤ですよ。私の■■■。」
男「貴女にキスされればどんな男でもこうなりますよ。」
女「・・・♪ねえ、■■■。貴方ならいつでも私の寝室に来ていいからね?」
男「え?」
女「寝るときはいつも裸なの。つまりそういうことですよ。私の■■■。」
男は何を想像したのか狼狽えている様だ。
女「フフフ、何を想像したの?」
男「・・・コホン。コホン。・・えっと・・」
女「冗談はここまでにして、ねえ、■■■。その剣と髪の毛を一本下さい。」
男「ん?はい。」
彼は自らの髪の毛を一本抜き、剣と共に女に渡す。
女「ありがとう。」
女はそう言いながら自らの髪の毛を一本引き抜く。
男「何をなさるつもりで?」
女「私の加護は知っていますね?」
男「噂では聞いた事があります。」
女「髪の毛を元に私の魔法で貴方の剣を直します。性能は元と変わらず既製品と同程度ですが、贈らせていただけませんか?」
男「喜んで。」
女「・・がんばろ。」
-グランダシャンジ・グラーヴォ-
女が金色に光ったと思うと右手には新品状態の鋼の剣が現れた。
女「この大きさの鉄の塊ともなると流石にかなり疲弊しますね。・・コホン。何の変哲もない鋼の剣ですが受け取っていただけますか?私の■■■?」
男「貴女様から贈られた剣です。どのような聖剣、魔剣よりも価値があります。ありがとうございます。」
男が剣を受け取った瞬間、剣は鈍く光った。
男「ところで俺の髪の毛は必要だったのでしょうか?」
女「唯の願掛けよ。私と貴女以外の者にはその剣に触って欲しくないなって。」
男「・・・。」
女「何か言った?」
男「何でもありません。」
女「ところで話しは変わりますが■■■は絶望の白狐を倒したのは誰か知っていますか?」
男「絶望の白狐?・・・えっと・・?特に歴史上には名は残っていなかったような・・。状況的に始原の加護持ちではなかったことは確かでしょうが・・。」
女「その人の特徴は■■■■で、凄い男前で、何の■■■■■もない唯の兵士。そして貴方のように相手の痛みがわかる人。」
男「え?■■■■様、それは御冗談ですよね?」
女「私がここで貴方に嘘をつく理由がありますか?」
男「い、いえ。」
女「そして、その方の名前は■■・■■■■■■■。」
男「え!?■■・■■■■■■■!?」
女「そう。貴方が使っている剣技の使い手です。」
男「まじか・・・あの後書きは妄想じゃなくて本当だったのか。」
女は何が楽しいのか男の顔を微笑しながら観察している。
男「あんな地味な剣技で・・か。」
女「見栄えも良くないし、ただひたすら地味だけど、歴史上で始原の加護持ち以外の人間が災厄を倒した技術ってそれしかないのよ。自信を持って私の■■■。」
男「お心遣い感謝します。」
「前世で見た奇妙な夢と関連があるのか?この夢には何か意味があるのだろうか?」
とある日の早朝、彼は自室で訝しんだ。
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