22<得た物>
前回のあらすじ
彼らは彼の逆鱗に触れてしまった。
-???が封印された記憶に触れようとしています。重要事項にはノイズが付加されます。-
テルーオ歴■■■■年■■月■■日
女「ねえ、■■■。」
とある見晴らしの良い平原で夕日に照らされオレンジ色となった数多の兵士の死体に囲まれながら、地面に血だらけで倒れた女がいる。またその傍に男がしゃがみ何かを語らっている。
男「■■■■様。喋らないでください。傷口が広がります。今、援軍が来てくれているはずです。手当をすればすぐに良くなるはずです」
女「・・・貴方は残酷な嘘をつくのね。そんなの来る訳ないわよ。」
彼女は断言する。
女「そもそも大国と戦うというのに一個中隊だけ向かわせるというのがおかしいのよ。」
男「・・・・・。」
男は薄々感づいていたのか否定をしない。
女「貴方のおかげで全滅させられたけど・・・ごめんなさい。私は足手まといだったでしょ?」
男「そんなことありません。貴女様がいたから俺は今こうして生きています。」
女「・・・クス。私が死ねばあの男はこれ幸いに妹に王位を継承させるでしょうね。」
男「■■■■様・・・・。」
女「ねえ、■■■。最期に顔を良く見せて。私が大好きなその■■目を見せて。」
男「・・・・・。」
男は着色瞳晶を投げ捨てた。
彼女は震える手で彼の髪をかき分け彼の眼を見る。
女「本当に大好きな優しい目。ねえ、もしかしたら貴方は私に恩義を感じてくれているかもしれないけど、感謝したいのはこっちの方なの。」
男「俺は貴女様に頂いた恩に報いれるような大したことは出来ていません。」
女「誰もが私を人間もどきと蔑む中、貴方だけは私を真っすぐ見てくれた。それにどれほど救われたか・・多分うまくは伝わらないでしょうね。・・ゴフッ!!」
男「■■■■様!?」
女「ねえ、私の■■■、貴方は輪廻転生って信じる?」
男「生まれ変わりって奴ですか?」
女「そうよ。私は信じているの。何処か遠い未来に貴方と再会して恋に落ちるの。素敵でしょ?」
男「そんな悲しい事言わないでください。一緒に生きましょうよ!!!■■■■様!!」
彼女に水滴が落ちる。
女「フフフ。貴方の泣き顔って初めて見ました。私だけしか知らない貴方の表情。フフフ。」
男「■■■■様は何故笑顔でいられるんですか?」
女「さあ、多分今が幸せだからかな?・・ゴフッ!!ゴフッ!!・・そろそろ時間みたい。ねえ、■■■、私ね生まれ変わるなら人間じゃない生き物になりたいの。人間じゃなければこんな下らない理由で死ぬこともないでしょ?貴方は姿が変わっても私を見つけてくれるかしら?ガフッ!!ガフッ!!」
彼女は紅い塊を2回吐いた。
男「貴女様がどのような姿であっても必ず見つけ出します。」
女「フフフ、ねえ最期に教えて?貴方は私をどう思っていたの?」
男「愛しています。」
彼は間髪入れずに簡潔に答えた。
女「フフフ、ペッタンコだから心配だったけど・・良かった。私も貴方の事大好きよ。フフフ、初恋が叶ったわ。・・・・。ああ・・・ずっ・・と・・貴方・・と・・一・緒・・にい・・たかっ・・た・・・な・・・。」
彼女は最期に目をつぶり一滴の涙を流し、それきり動かなくなった。
男「・・・・■■■■様?■■■■様!!!」
彼女はもう動かない。
男「・・・・。」
黒い霧が周囲に現れる。
ザザザッ。
彼女が力尽きてからしばらくの後、複数の足音のような音がした。男が音がした方向にゆっくりと振り返る。
赤服の兵士「生き残りがいたか面倒だな。おい、こいつを殺せば目撃者はいなくなる、これで■■様が次の・・」
-とまり木の内の一体が持つ感情値が閾値を超えました。-
-次の「 」が確定しました。-
セリフの途中でゴロンと兵士の首が落ち、続いて身体が地面に崩れるように倒れた。
男は剣を振り抜いていた。どうやら魔法的な力で離れた兵士を害したようだ。まさか風圧で人が死ぬなんてことはあるはずがない。
兵士「なっ!今何をした?」
黒い霧が彼を中心に渦巻く。
男「・・・我主ノ命令ヲ完遂セン・・。」
彼は兵士の言葉が聞こえていないのか小声でボソボソ呟きながら兵士達にゆっくりと近づく。
兵士「クッ!!」
兵士達は男に向かい様々な属性の攻撃魔法を乱射する。
男「・・・・・。」
彼は無言で魔法を切り裂きながら兵士に近づいていく。まるで寝ている彼女を守るように彼に当たらないであろう魔法ですら唯の一つも撃ち漏らすことはない。
男「・・・・・。」
彼は剣を高く掲げ振り下ろす。
ギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギン
空気が割れるような音が多重に発生し、
ビチャビチャビチャビチャビチャ
続いて水風船が壁に当たるような音が複数響いた。
彼を中心として無数の斬撃痕が放射状に広がり、地面には直前まで人間であったものが無数に転がる。この場の生き物は再び彼一人となった。
男「・・・・・。」
彼は■■■■の遺体の元に近づき、慈しむように髪を一撫でする。
男「・・・・・・。」
-?????????????-
彼の剣と■■■■の遺体が金色に光り、光が収まった時、彼女は消え、白い大きな剣が彼の右手に捕まれていた。その剣の根本には三日月と雪の結晶を単純化したような刻印があった。
テルオ歴5021年1月1日人類は「 」の殺害に成功した。
-正式な過程を経て処理されたため、とまり木が持っている善行度は全て無視されます。-
-人族への罰則はありません。-
-世界の浄化が正常終了しました。-
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