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17<ニノマエ>

前回のあらすじ

クスクスグス

-彼が封印された記憶に触れようとしています。重要事項にはノイズが付加されます。-


テルーオ歴■■■■年■■月■■日


赤髪の女「■■■様、今日はいよいよ判定の日ですね。」


やたらとスカートが短く、黒いニーソックスを履き、美しい脚を強調した改造メイド服姿の女が男に話しかける。赤レンガで出来た部屋の中には白く細長いテーブルが置いてあり彼ら以外にも幾人かいるようだ。


男「ああ、結構ドキドキしているよ。」


赤髪の女「■■■様、大丈夫ですよ。例えどんな■■であっても私の忠誠心は変わりませんから。」


茶髪の女「何、一人で抜け駆けしているんですか?■■■様、気を付けてください。こういうこと言う人間が一番信用できないんですよ?何故ならばもし本当にそう思っているのならば態々ソレを口に出す必要がないはずですから。」


これまたスカートの短いメイドが男に話しかけた。


赤髪の女「あら?それを言うならば●●も信用できないという結論になるけど?」


男「・・・。」


金髪の壮年期の男「そう不安そうな顔をするな。どんな■■があったとしてもお前は俺の息子だ。安心しろ。」


黒髪の壮年期の女「そうよ。●●、▲▲、■■■の護衛お願いね?」


男はいつも通りその容姿は分からないが、父親が金髪なのだから彼も恐らくは金髪なのだろう。


赤髪の女&茶髪の女「「お任せください。」」


二人の侍女は彼の両腕をそれぞれ抱きしめ異口同音に答えた。


場面は何処か異国の方式の神聖な場所に代わる。大きな部屋の中にはカラフルなガラスを通した光が入り神秘的な色に彩られている。室内には彼と同世代ぐらいの人間が大勢おり、順番に大きな水晶玉に触れている。


神官「では、次の方、どうぞこちらに。」


女「はい。」


偶々先頭に居た女が神官に呼ばれ水晶玉の前に出る。


女「・・・・・。」


女は少し緊張しているようだ。


女「ふう。」


女が水晶玉に静かに触れる。


その瞬間、淡い白に光る。


神官「魔法使いですね。適性は光属性のみですね。」


女「・・うう。」


金髪の男「この出来損ないが!!お前とは婚約破棄だ!!」


女「待ってください■■■様!!!」


彼女は恋人と思われる男に縋りつこうとする。


バシン!!!と乾いた音が鳴り響く。


金髪の男「じゃあな、伯爵はお前が説得しておけよ!!」


男は一方的に宣言した後、女を置いて立ち去った。


女「うう・・。」


男「・・・・。」


赤髪の女「ぼっちゃま?」


彼は列を抜け出し一人取り残された令嬢に近づく。


男「ハンカチです。どうぞ。」


女「何方が存じ上げませんが、ありがとうございます。」


女は涙をぬぐう。


彼女の頬は腫れあがっている。


男「出来ればハンカチを水にぬらして、しばらく抑えていた方がいいでしょう。折角の妖精のように美しいお顔が台無しだ。」


女「フフ、お上手ですね。」


男「貴女は笑っていた方がいい。」


女「・・・・!」


茶髪の女「こうしてまた一人、哀れな少女が坊ちゃまの毒牙にかかりましたとさ。」


赤髪の女「あの光景何度も見覚えがあるわ。恐らくあの女性の次のセリフは自己紹介でしょうね。」


女「私、■■■■■■・■■■■■■■■■と言います。」


男「え?」


女「お名前を教えて頂けませんか?」


男「■■■・■■■■■■■■です。」


女「まあ。貴方様が噂の■■■様ですのね。」


男「噂?」


女「あ・・・。何でもないです。悪い噂ではありません。」


男「そうですか。」


男は列をちらりと見る。彼の番は近いみたいだ。


女「■■■様は婚約者は・・・。」


男「いませんよ?」


女「え?」


男「ん?」


女「■■■■嬢が貴方様の婚約者だと伺ったことがあるのですが・・?」


男「■■■■嬢?何方様だ?」


女「なるほど。・・婚約破棄されたのは運が良かったかも・・。」


女は小声で独り言ちる。


男「このまま歓談したいところだがそろそろ俺の番みたいだ。そのハンカチは差し上げるよ。」


女「あ・・・はい・・♡」


神官「では、■■■・■■■■■■■■様、どうぞ。」


男「ふ~~。」


赤髪の女「頑張ってきて下さい。スケコマシ様。」


男「え?」


茶髪の女「帰ったらケーキを用意していますよ。ジゴロ■■■様。」


男「え?」


赤髪の女「ほら、神官さんが待っていますよ。」


男「あ、ハイ。」


男は■■■の前まで移動し、神官に一礼する。


神官「・・・、どうぞ。」


男「・・・・。」


彼は恐る恐る■■■に触れる。


男「・・・・何も起きないな。」


彼はしばらく触り続けたが何かが起こる気配はない。


神官「・・・・。■■■様、試しに私が触ってみます。しばしそこの椅子でお待ちください。」


神官は■■■が席に着くのを確認してから水晶玉に触れる。


神官が触れた瞬間、仄かに白く発光する。


神官「故障ではないようですね。となると■■■様は珍しい加護なしとなります。」


男「そうですか・・・。分かりました。ありがとうございました。」





神官「いいえ。まだ終わりではありません。」




男「ん?」


神官「ところで■■■さんには同行者はおられますか?」


男「ああ。二人ほど・・。」


彼は従者を探したが、何処にも見当たらなかった。


男「あれ?」


神官「・・・哀れな。」


神官は小声で何かを言った。


男「え?」


神官「衛兵!!!!!」


神官が突如大きな声を出したかと思うと何処からともなく複数の神官兵達が集まってくる。


神官兵「■■■様、いや、■■■、お前には魔物が化けている疑いあるため拘束する。」


男「え?」


神官兵「ほら歩け。」


彼は複数の兵士に拘束されながら無理やりと何処かに引きずられる様に連れてかれる。


男「俺は■■■・■■■■■■■■!!人間だ!!!」


神官兵「黙れ!!!」


彼は槍の柄で背中を強く殴打される。


男「~~!!!!!?」


彼は激痛で声が出ないようだ。


神官兵「痛い目に会いたくなければ黙って歩け!!」


そのまま、教会の外に連れてかれる。


教会を出る際、先程女性に渡したハンカチが土だらけになって地面に落ちているのが彼からは見えた。


男はその後、目隠し、手枷、足枷を嵌められ馬車にて長時間何処かに移動させられた後、牢屋のような場所に入れられ、壁から両腕を吊られる様に拘束される。


男「一体何なんだよ!!!」


神官兵「うるさい!!」


ドゴ!!


男「ガハッ!!」


神官兵「早く正体を現せ!!魔物!!」


バキッ!!!


男「!!」


男は血を吐いた。


神官兵「・・・・。魔物のくせに血が赤いとはな。」


男「・・・こんなことしてただで済むと思うのか?」


神官兵「・・もしかしてお前の実家の事を言っているのか?フン。これを見ろ。」


神官兵は書類を一枚男に見えるように掲げる。


男「?」


■■■・■■■■■■■■を■■■■■■■■家から除籍する。


■■■■・■■■■■■■■


男「な!?」


男の反応よりそれは偽造ではなく本物なのだろう。


神官兵「ハッハツハッ、加護がない奴は辺境伯家には要らないそうだ。良かったな~!!」


男「・・・・・・・。」


神官兵「何ガンたれてんだ!!!」


ドゴッ!!!


男「・・・・・。」


シュー・・・・・。


牢屋の中に空気の流れが出来る。


神官兵「・・・・・?」


虫の音、風の音、遠くに聞こえる川のせせらぎ、その他普段は気にしないような音すらも全てが静まり返った。


男「・・・・。」


ミシミシ・・・。


ただ何かが軋むような音だけがする。


神官兵「な、何をしている・・・・・?」


ドゴッ!!


男「・・・・・・。」


薄っすらと部屋の中が暗くなった。


男「・・・・・。」


バキッ!!!


男を拘束する鉄の鎖が一つちぎれた。


神官兵「!?!??!」


男「・・・・・。」


ミシミシ


神官兵「ヒ、ヒイ!!」


神官兵は何かに怯えるように男を持っている武器で殴打し続ける。



神官兵「ハァ・・・ハァ・・・・。」


神官兵が気が付くと男は気絶していた。


男の全身は痣だらけになり、顔は腫れあがっていた。


ガチャン。


神官兵の後ろで物音がする。


神官兵「・・・・!!」


神官兵は弾かれる様にそちらを振り向く。


■■■■「・・・・・。」


神官兵「あ、貴女様は・・・・。」


彼女もまたその顔はボヤケテ判別できないが、仕草などから判断するに気絶している彼を見ているようだ。


神官兵「こ、これは・・、暴れたので取り押さえようと。」


■■■■「貴方は神に己の行動を胸を張って報告できますか?」


無機質で平坦な声が女から発せられた。湧き上がる感情を無理やり抑えているようにも聞こえる。


神官兵「そ、それは・・・。」


■■■■「私は今とても機嫌が悪いです。死刑になりたくなければ今直ぐにここを立ち去り、貴方の上司に彼は死んだと報告なさい。良いですね?」


神官兵「ヒ、ヒイ・・!!」


神官兵は逃げるように立ち去った。


■■■■「いつの時代も人は変わりませんね。それにしても・・。」


彼女は彼が引き千切った鎖を一瞥した後、彼の頬を右手で優しく撫でる。


■■■■「三千年ぶりですね。■■■■の兵士さん。今度は私が貴方に安らぎを与える番です。」


彼女の声は神官兵に向けた物とは異なりとても優しい物であった。

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