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109<職場体験>

前回のあらすじ

黒い二級神様と邂逅した。

「え?」


マルーモ「今から俺が君に攻撃を仕掛ける。それを防ぐんだ。もちろん、余裕があれば俺に攻撃を仕掛けてもいい。さあ、君の愛刀を再現したから使ってくれ。」


そういうと彼の目の前に雪月白桜によく似た刀が現れた。


彼はそれを手に取り、2,3回振って重さと重心を確認した後、いつも通り天に掲げる。


マルーモ「おお!!話には聞いていたけど本当にその剣術を使うんだな。オジサンは嬉しいね。・・・セトの奴がこの場にいれば苦笑いするんだろうけどな。」


マルーモは上機嫌である。ちなみにマルーモのセリフの後半は非常に小声であり、仮に聞こえたとしても彼には意味は分からないことだろう。


「えっと?」


マルーモ「その剣技は絶望が現れるたびに人類が発明しそして失伝を繰り返す。稀に君のような人間が現れるからこそ神々は人類に何度失望しようとも結局見捨てることができない。」


「この剣技はあの方に教えて頂いたものであり、俺が人類の代表というのは・・むしろ嫌われていますし・・。」


マルーモ「周りに恵まれなかった弊害か。ま、これは彼女がどうにかするだろう・・多分。」


「え?」


マルーモ「今は気にしなくていい。さ、気を取り直して、始めるぞ。全力で防ぎたまえ。」


そう言うとマルーモはその場で青眼の構えから袈裟斬りを放った。


「!!」


パン!!!


本能に従い彼は横に飛んだ。


彼は避けきれず脚を衝撃波で切断された。と思ったら直ぐに脚が修復された。


マルーモ「良く衝撃波が来ると分かったね。良い勘だ。もう一回同じ技を撃つから今度は刀で衝撃波を斬ってみて欲しい。」


「わかりました。」


マルーモは先ほどと同様に袈裟斬りを放つ。


衝撃波が先程と同じ軌道で飛んでくる。彼はそれに向かって全力で刀を振り下ろす。


「・・・・・!!」


パン!!ギギギギ、・・・ドスン。


彼は衝撃波を打ち消せず、刀ごと吹き飛ばされ、地面に叩きつけられた。


「斬れない!?どうなってんだ!?」


マルーモ「いや〜、驚いたよ。あれを防ぐとは。」


「・・・。果たして今のは防いだと言えるのでしょうか?」


マルーモ「普通はあれで刀ごと君が真っ二つに切れるんだけど、本当に空間切断で対抗できるんだね。君は体勢はかなり崩れたが、一応防げた。素晴らしいことだ。今度から連続でいくぞ〜。相手の動きの予兆を良く観察するんだ。俺が動作してから反応したのでは遅いからな〜。」


「お願いします。」



その後、彼は多くの攻撃を受けた。まともに防げた事は一度もないが、だんだんと体勢が崩れなくなってきている。


マルーモ「動きは段々良くなっている。まあ、相手の行動に関わらず叩き切るというのも1つの正解だが、せっかく単純な剣技を極めたんだ。剣を振るのを無意識に任せて、意識を相手の予備動作に向けられれば更に戦いやすくなるだろう。」


マルーモは剣を消滅させる。


「マルモ様?」


マルーモ「物理攻撃への対策はこんなものでいいだろう。今度は魔法だ。訓練だからエト級でいいか・・良し。」


彼はかたずを飲む。


マルーモ「今から君に向かって色々な属性の攻撃魔法を撃つ。それを刀で無効化するんだ。とりあえずはファイレートから行くぞ。」


-ファイレート-


巨大な火球が彼に向かって飛んでいく。


火球が近づき熱線に肌が焼け始めた頃に俺は雪月白桜を振り下ろした。


ギィン!!と音がし、火球は二つに割れ、辺りに熱気を残し消滅した。


「今のが本当にファイレートですか?」


上級魔法使いが放つグランダ級よりも明らかに巨大な火の玉だった。


彼は震えた手を見ている。少し痺れたのかもしれない。


マルーモ「最下級でしかもかなり手加減した魔法とは言え、神が放つ魔法を切り裂くとは君には驚かされる。さ、次はグラツィエートだ。」


その後彼は氷、水の魔法を切断した。


マルーモ「さて、今までは何かが飛んでいく魔法だった。ここからは系統を変える。」


「む?」


マルーモ「偶然か意図的にか君は過去に二回これを攻略している。災厄相手にまぐれは存在しない。この機会に完全に習得して欲しい。さ、まずはトンドレートだ。」


マルーモ様が赤く光る。


-トンドレート-


ズカーン!!!と大きな音がしたと思うと彼を中心に閃光が迸った。その後彼は崩れるように倒れた。


「こ、これは反応が全く出来なかった・・。」


マルーモ「物理現象化した雷に対応するのは人間では非常に困難だ。ならどうするか?君は既にそれを知っているはずだ。」


「思い当たるのはアレぐらいだが・・・。まあ、やってみるか。もう一度お願いします。」


マルーモ「その意気だ。」


マルーモが再び赤く光る。


彼はその場で雪月白桜を振り下ろす。


キーンという甲高い音が辺りに響き渡る。


マルーモ「素晴らしい。今、君は俺の魔法を無効化した。さ、どんどんいくぞ。次はシュトンムレートだ。」


その後、彼は石壁、重力魔法を撃ち消した。


マルーモ「今ので主な攻撃魔法は終わりかな。無印、グランダ、グランデガと階級が上がってもやることは同じだ。相手が光ったらとりあえず剣を振り下ろし、それでもキャンセルできなかったら、再び剣を構えて次に発生する物理現象を再び斬ればいい。」


「なるほど。」


マルーモ「じゃあ、今から俺がランダムなエト級攻撃魔法を適当な間隔で放ち続けるから防ぎ続けてみてくれ。」


「はい!!」


数刻後。


「はあ、はあ、はあ、・・。」


マルーモ「これで理論上は地上の生物からの魔法攻撃はすべて防げるようになった筈だ。災厄相手に瞬殺される心配は無くなっただろう。」


「そうですか・・。」


マルーモ「さて、このまま地上に返すと君は身分不相応な自信を持ってしまうだろう。そうすると油断して足元をすくわれそうだ。そのような悲劇を防ぐために君は天蓋というのも知るべきだ。という訳で最後にほんのちょっとだけ本気で魔法を放とう。」


「はひょ?」

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