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108<黒い二級神様>

前回のあらすじ

空想をした。

「コイツはやべえ。野に解き放ってはいけない。監禁されるべきは貴女自身だ。衛兵さん、こっちです。魔法に耐えられる頑丈な牢屋が必要です。至急手配頼む。人類存続の危機だ。」


彼は額に左手を当てて嘆くふりをする。


リサ「彼女を正しい方向に導くのは私の限界を著しく超えています。ああ、神よ。無力な私をお許しください。」


リサは口角を上げながら大げさに祈りのポーズをとっている。


モニカ「二人共なんでそんなに息ぴったりなんですか?」


リサ「貴女様のセリフを聞けば大抵の人は似たような反応になると思いますよ。モニカ・サジューロ公爵令嬢様?」


モニカ「リサ姉はなんでそんな他人行儀な事を言うんですか?」


「ま、まあ、いつかその条件に当てはまる人に出会えるといいな。陰ながら応援するよ。」


モニカ「あら、ジョンさん忘れていませんか?私は公爵令嬢ですよ。大抵の無理は通るんです。例えば黒髪の平民を自由に捕えることもできちゃうんですよ。」


「そいつが誰だか知らないが可哀そうにな。」


モニカ「そんなことを言ってしまっていいんですか?捕まえちゃいますよ?」


「まあ、魔物の俺には関係ない事だから止めはしないさ。」


リサ「・・・・・・。」


パトリシア「貴女達何してるの?」


「剣聖殿、君の友人は犯罪者予備軍みたいだ。然るべき時が来たら捕らえた方が良いかもしれない。」


パトリシア「モニカ?」


「確かそんな名前だった気がする。」


モニカ「トリシャはそんな酷い事を友人にはしないよね?」


パトリシア「え?全く会話が分からない・・・。」


リサ「そういえば、ジョンさんトリシャにも聞いてみます?」


「確かに興味があるな。」


パトリシア「何の事?」


モニカ「トリシャは災厄を倒したら何がしたい?」


パトリシア「・・・・。セディの正妻。」


パトリシアは彼を見ながら告げた。


「君は昔から全くブレないね。」


パトリシア「・・・・。」


モニカ「・・・・・・。クス。」


リサ「・・・・・・・。クスクス。」


「ん?俺何か変なこと言ったか?」


パトリシア「・・何よ、二人共。」


モニカ「・・・・・・・・別に。」


リサ「・・・・・・ええ、何も。」


セドリック「・・・・・。こんなところに居たのか?今から明日の役割について確認したい。中央の広場に集まってくれ。」


「了解。」


広場には彼らだけでなく兵士達も大勢集まっていた。


セドリック「今回災厄は取り巻きを何体か引き連れているため、オーソドックスな前衛で後衛を守って、後衛の大火力魔法で削る・・という戦法は機能しない可能性が高い。」


彼の言う通り敵が複数ということは乱戦になる可能性が高い。


セドリック「そこで後衛一人に前衛一人が対になるように組にし、遊撃的に戦うことにする。」



セドリック「・・・・と、ここまでは一般兵の話だ。始原の加護持ちは4人1組で当たる。そして、後、お前は自由に戦ってくれ。」


「ん?」


セドリック「鋼鉄の剣を紙のように切断出来るお前なら災厄にも大損害を与えられるだろう。お前の動きを制限するのは勿体ない。」


「過大な評価だと思うが了解した。」


兵士「勇者様、彼は俺と同じ飯番ではないのですか?前線に出して大丈夫なのでしょうか?これは反対したい訳ではなくて、純粋な質問であります。」


セドリックは彼を見る。その表情は少し困っているように見える。


彼は仮面と着色瞳晶を外した。


「まあ、こういうことです。皆様。」


彼は何を考えているかわかない真顔で正体を明かした。


兵士「赤い目・・。紅眼の死神か。」


色んな所から敵意の込められた視線が彼に向けられる。


セドリック「そういうことだ。彼の強さはこの場の全員が知っているだろう。」


その日彼はいつも通り日記をつけて就寝をした。



彼は見たことがない場所に居た。だが、ハルモニーオのジンジャやセレスタの教会と同様に何か神聖な雰囲気のある石造りの建物の内部にいるようだ。


「ここは初めて見る場所だな。一体どこだろう?」


男の声「久し・・いや、初めましてだな。ノベロ君。」


彼は声のする方を見る。そこには黒い二級神様がいた。


「マ、マルモ様?な、なぜ?」


彼はセリフを言いながら最敬礼をとる。


マルーモ「おっと、堅苦しい挨拶は不要だ。ルーミオが君に会ったと自慢してきたから悔しくなって会いに来たってだけだから、気楽にして欲しい。」


「えっと・・・。」


彼は対峙しているだけで物凄い重圧を感じているようだ。


マルーモ「加護無しの人間が災厄に挑むと聞いて神界は少し騒ぎになっているんだ。しかも無謀な戦いではなくきちんと勝機のある戦いだ。君の愛しいあの娘も別室で見守っているぞ。君は今最も神から注目されている人間だ。良かったな色男。ハッハッハッ。」


「愛しいあの娘・・はたしてどっちだろ?」


彼はボソリと疑問を漏らした。


マルーモ「ああ、そう言えば彼女はまだ君に告げていないんだな。まあ、そのうち分かるよ。それにしても好きな娘が気になるか。君もきちんと一人の男だな。・・さて、」


そう言うとマルーモ様は黒剣を取り出した。


マルーモ「少し稽古をつけてあげよう。この空間では何をしても君は傷がつかない。安心して欲しい。」


ブオン。という音と共に景色が草原に変化した。

人類存続の危機。人類滅亡の危機。・・・あれ?

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