105<復讐>
前回のあらすじ
遠征初日
リサ「え?」
モニカ「え?」
「そう言えば昔、昆虫食について話した事があったな。」
リサ「え?なんで、その流れでその話をするのですか?」
「おやおやおや、あそこに都合よく蜘蛛の巣がありますな。女郎蜘蛛でしょうか?」
モニカ「待って、待って、待って・・・。なんで蜘蛛がそこで話題に出てくるの?」
「聞きたいですか?聞きたいですよね?聞いてくださいね?」
彼は口だけ笑いながら賢者に迫る。
モニカ「や、止めて!!」
モニカは殆ど悲鳴のような声を上げている。
「ハッハッハッ。冗談だ。干し肉を持ってるから早めのおやつにしないか?」
リサ「それは何の肉でしょうか?」
モニカ「もしかしてバケネズミ?」
「普通の鶏肉です。ご安心を。」
彼は二人に一塊ずつ差し出す。
彼は蜘蛛の巣に向かい家主を捕まえた。
モニカ「え?なんでそれを持ってこっちに来るんですか?」
「賢者様、ファイレートをこの蜘蛛にぶつけてくれないか?」
モニカ「ファ、ファイレート。」
モニカは雪月白桜の上にある蜘蛛に火の玉を当てた。辺りに焦げた匂いが漂う。
「ありがとうございます。最近は食べてなかったが偶にはいい。贅沢言うなら塩コショウが欲しいかな。」
彼は躊躇うことなく口に放り込む。
リサ「嘘、本当に食べた・・。」
モニカ「・・・・・。」
彼は二人に水を渡す。
「少し休憩したら行こう。あまり遅くなると勇者様が怒りそうだ。」
リサ「・・・・。」
モニカ「・・・。」
二人は偶に彼を見ている。
リサ「あ、あの・・。」
「ん?ペースが早かったか?」
リサ「いいえ。丁度いいです。」
「特に何もなければ進むぞ?」
モニカ「あの・・。」
「休憩か?」
モニカ「あ・・いえ・・・。」
「二人共、何か気になるか?」
リサ「いえ・・。」
モニカ「何でもないです。」
「あそこに火が見える。多分あれがベースキャンプだろう。後少しだ。」
リサ「・・・・。」
モニカ「・・・。」
彼女たちはその後も彼をチラチラ見ながら後ろをついて行く。
結局、その後は何事もなくベースキャンプに着いた。
セドリック「二人共無事か?」
リサ「うん。」
モニカ「はい。大丈夫です。王子殿下。」
「・・・・・・。」
兵士A「おい、料理の準備を手伝ってくれ!!」
「任せてください。何を刻めばよいでしょうか?」
兵士A「んん?仮面?お前何処の部隊だ?隠密部隊なんかあったか?」
「まあまあ、何だっていいじゃないですか?休んでてくださいよ。先輩。」
兵士A「おう。そうさせてもらうわ。ああ、ちなみにお前は玉ねぎな。」
「え?玉ねぎ?」
兵士A「頼んだぞ。」
「あ、はい。」
リサ「・・・。」
モニカ「・・・・。」
賢者と聖女は岩に腰掛けながら何やら話しているが、剣聖と勇者がいつの間にかいなくなっている。
兵士B「おい、黒髪、こっちで氷を刻んでくれ〜。」
「今夜はかき氷も出るんですか。とても風流ですな〜。ただいま向かいま〜す。」
兵士C「おい、こっちで岩を切り刻んでくれ〜。」
「い・・岩!?何に使うんですか!?」
兵士C「あ、いや、料理の材料じゃないぞ。肉を焼くための皿にするんだ。」
「了解です〜。」
兵士C「って、おい、本当に斬り刻みやがった。どうなってんだお前の刀は。」
「なんと!!!この刀について聞きたいですか?2時間かかりますが、聞きたいですか?聞きたいですよね?聞いてくださいね?ありがとうございます。この刀の名は・・・。」
彼は満面の笑顔で説明をしようとしている。
兵士C「何だその恐怖の三段活用。勝手に話し始めるな〜やめろ〜。」
兵士Cは逃げた。
「・・とても残念だ。かつてあの娘が俺の側にいてくれた事を証明する唯一の物証だというのに・・。」
兵士D「おい、黒髪、黄昏れてないで、次は肉を頼む。やたら量があるんだ。」
「了解です〜」
「中々いい修行だったな。」
彼の目の前にはカレーと肉じゃがとかき氷とご飯とステーキが並べられている。
「なんかすごい量だな。まあ、これぐらい食わないと体が持たないか。」
料理が半分ほど減った辺りで誰かに声をかけられた。
兵士A「おい、黒髪、さっきのあれ凄かったな。実は俺、実家でニグラリベーロ国立学園の食堂の手配をやってんだ。どうだ?興味あるなら口利きぐらいは出来るぞ?」
「・・・・。じゃあ、お願いできますかね?もし、生き残れたら料理を手伝うのも悪くない。」
彼の回答には少し間があった。
兵士A「おう。黒髪黒眼が来たら歓迎するように伝えておくわ。」
「ありがとうございます。」
リサ「・・・。」
モニカ「・・・・。」
「あ〜、よく食った。明日も早い・・寝よ。」
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