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1<初恋>

皮鎧を着た男「ハァ、ハァ、ハァ・・・、流石に再生能力にも限界があるみたいだな。」


男は九つの尾を持つ白い大きな狐と対峙している。そんな彼と彼女の周りには小型のクレーターがいくつも出来ている。元は鬱蒼とした森の一部だったのかもしれないが、彼らの周りには土の色しか残っていない。


皮鎧を着た男「なぜ俺にだけはあの鎖の攻撃をしなかった?」


白い狐は彼を無言で凝視するのみで攻撃するそぶりを見せない。


皮鎧を着た男「なぜ、そんなに優しい目をする?」


白狐「・・・・。」


皮鎧を着た男「君に俺の仲間は全員殺された。それだけじゃない。多くの人々が殺された。」


白狐「・・・・。」


その化け狐は彼の言葉を理解しているのかいないのか彼を凝視し続けている。


皮鎧を着た男「最後まで絶望であってくれ。倒すべき相手であってくれ。」


化け狐は運命を受け入れるかのように目を瞑り寝そべった。


彼は剣を大げさに高く掲げた状態で袈裟切りをしようとしているようであるが、その手は震えている。


皮鎧を着た男「相手は皆の仇、仇、仇・・・。」


白狐「・・・・・・?」


狐はいつまでも攻撃してこない人間に疑問を持ったのか眼を開けた。


男は苦渋に満ちた顔をしている。


皮鎧を着た男「・・・。次会う時は違う立場で・・・。」


白狐「・・・。」


彼の表情を確認するように視線を向けた後、化け狐は再び目をゆっくりと閉じた。


皮鎧を着た男「・・・。許せ。」


キーン!!!!


辺りに甲高い音が鳴り響き、


ドン!!


という大きな鈍い音が続いて辺りに響いた。


ポツ、ポツ、サー・・・・。


オチェアーノ歴7997年或いはテルーオ歴元年1月1日、記録によればこの日ニグラリヴェーロの地には大雨が降ったという。

初回だけ短いですが次回からは1話おおよそ2000文字程度となります。

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