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僕だけのための人生  作者: あなず
3/3

#三話:異常

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武田航平side


私は武田航平。警察として、日々真面目に日本の平和を守っている。


今年42歳で独身だ。彼女すら出来ないのはこのイカつい顔のせいだろうか。


今日は親を殺害した少年と面談することになっている。最近の若者はどうしてこんなことをするのか理解できない。きっとその少年にも何か事情があったのだろうが殺人は行けないことだ。手元にある資料を見る。


黒崎玲、17歳男、犯罪歴は無し、14歳から学校にはいっていないらしい。玄関で父親を殺害したあと上半身を潰し、壁にぶちまけたそうだ。その後1ヶ月ほど放置し、その間本人は自室にこもりゲームをしていたそうだ。


こりゃ典型的なイカレだな。

今回の面談は精神疾患があるかどうかか、、


ガチャ


どこか影のある髪が肩ぐらいの少年が手錠をつけて部屋に連れてこられた。


「ほらっ早く座れ」

「へーい」


一応会話はまともにできるらしいな。どこかなめたような口振りで人生を軽く見ている、そんな人種だと思った。

俺は手元の資料を手でめくりながら、犯行動機について聞くことにした。


「黒崎。単刀直入に言うけどなんで父親を殺したんだ?」


「えーと、ムカついた、、?から、です?」


黒崎が前髪を上げながらそう言った。目は生き生きとしていた。親を殺して今から少年院にぶち込まれるっていうのに全く頭がおかしいやつの考えは理解できない。


「ムカついてそこまですることは無いだろう。お前、1人の親を殺したという自覚があるのかッ!」


俺は少しキツめにそういった。


「僕、喉乾きました。」

「ふざけるなッッ!!!!」


どうやらこいつは今の自分の状況がわかってないらしい。その後も質問を繰り返したが適当な返答ばかりが返ってきており、ついには無視されるようになった。こいつは本物のイカレだと資料に【精神的な欠陥あり】と書き込んだ。

監房で同室のヤツらと上手くやって行けるのか、癇癪持ちとも書かれているので本格的に関わりたくない人間だな。












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硯太一side


ガチャ


監房の鍵が開けられおそらく新しい同室のものだと思われる男が入ってきた。髪は全体的にボサボサなのに前髪は短くて少し滑稽だ。顔は素朴だがかなり整っている。


「今日からよろしくお願いします!黒崎玲です!!」


元気よくキラキラした目で挨拶をした。


「…おう、よろしく。俺は渡辺創(わたなべはじめ)。18歳だ。」


創さんが挨拶をする。僕は創さんが18歳だということを今初めて知った。

この監房特段仲が悪いという訳でもないのだが創さんは寡黙で僕はビビり、源は違う監房の奴と仲がいい。そのためあまり会話をしないのだ。それに僕は先週入ってきたばっかりだしね。


「俺は齋藤源(さいとうげん)。源って呼んでよ。」


硯太一(すずりたいち)です。14歳です。」


僕は源の後に続いて自己紹介をする。

この後も新しく入ってきたやつはフレンドリーで、僕も直ぐにうちとけた。


教官から癇癪持ちだと聞いていたので警戒していたがそんな素振りは一切なく、どこか底知れない怖さがあった。

好きな物の話になり、その後犯した罪の話になった。ちなみに、玲はオムレツが好きらしい。ちなみに僕は肉じゃが、創さんは焼肉、源はパンケーキだ。


「俺は友達を刺しちゃって傷害で捕まっちゃった。」

源がそう言う。源は今まで院内でも喧嘩が多く昔からやんちゃをしている性格のようだ。


「俺は放火と住居侵入だ。どうしても晴らしたい恨みがあってな。後悔はしていない」

きっと創さんは情熱的なところがでて罪を犯したんだろう。創さんに恨まれるのはゴメンだな。


「僕は窃盗。お金持ちが羨ましいです。」

僕はちょっと小物感が出ている気がして恥ずかしかった。


「結構みんなひでぇことやってんだな。」


玲が笑いながらそういった。


「そういう玲は何したんだよ。」


僕も気になった。良い奴そうだし何をしたのか全然想像がつかない。


玲はニヤリとはにかみながら口を開く


「僕は殺人。親殺しちゃった。お前らもやっちゃうかもね。はは」






あー。玲はヤバいやつだったのかもしれない。

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