1話 超新世代ゲーム
この物語は、完全フィクションであるので、
登場する全て、人物、組織、その他、
実在する全てのものと関係ありません。
ですので、
なんの気兼ねなく、お楽しみ下さい。
20025年 米シリコンバレーで、
企業ジオ・コンピーター社が、誕生した。
発売されたCPUは、現存の物の3.7倍の性能を出した。
世界を驚かせた同社は、
次々に、新次元CPUを発売して、
わずか5年で、トップメーカーとなった。
そのトップメーカーが、
2年後、完全子会社のゲームメーカーを設立した。
世界を驚かせたが、
更に、CEOの発言が、更に世界を沸かせた。
「新たに創るゲーム会社名は、
ジオ・ゲームズ・HOPE!
そして、
記念すべき一作目は、
ジオ・フリーダムワールド!
私は、
このゲームを作る為に、
ジオ・コンピーターを創りました。
そして今、
全ての条件は整ったのです!」
世界2位の大企業が、
ゲームの為に創られたと、
ゲーマー達は、震え、叫び、熱狂した。
1年後、発売されたゲームは、期待を遥かに超え、
ユーザーは、増え続け、
その数は、10億人を超えた。
その為、
専用ハードは不足し、
更に多くのプレーヤーは待たされた。
ただし、
一定のスペックが有れば、PCだろうと、
他のメーカーのゲーム機であろうと、
ゲームがプレー出来る為、
ソフトを手に入れ、ユーザーは増え続けたのだ。
しかしながら、
求められるスペックが高い為、
新たに購入するよりも、
専用ハードの方が、遥かに安くすむのだ。
それゆえに、専用ハードを手に入れるまで、
待つユーザーも多くいた。
そのプレーヤーの1人、
アバターネーム、ガガは、
遅れてゲームに入ったグループで、
1年前からプレーしているリアフレの、
アバターネーム、シンと合流するべく、
初ログインした。
「おまたせ〜、やっとログイン出来たよぉ〜。」
ガガは、アバターを、ハイエルフの男にして、
身長を215cmの痩せ型で、
ジョブを魔法使いにして作って来た。
このゲームのキャラクリに使える種族は、
100種を超える。
伝承から、過去の作品まで、
存在して来た全てが選べる。
全ての著作権もクリアしているのは、驚きである。
「しかし、、高えな、、相変わらず。」
シンは、
人間の男、ジョブは、レンジャー、
銃、ナイフなどを使う戦闘職である。
「まぁね、いつもの事だけど、、、それにしても、
すげぇな、、ここ、、、現実と区別出来ない、、。」
「だろう、
お前も、もっと早く来れば良かったのに。」
「色々と、こっちも都合があってな、、、
ところで、どこまで進んでいるの?、、
もう、宇宙に行けた?」
「、、、いや、まだ、この大陸までだ、、、。」
このゲームの第一段階の目標は、
宇宙に出ることだ。
そして、
そこで、自由を謳歌する事が、1つの区切りである。
「、、ひょとして、、このゲーム、手強い?」
「ある意味な、、、このゲームは、自由だからな、
、、、全てにおいて、、、。」
MMO RPGであり、
最高の自由度を売りにしたゲームである、
どんなプレーもできるのである。
別に宇宙を目指さなくても良いのである。
「、、、ところで、この星は、どうなの?、、、
、難易度高い?、、」
「、、ん〜、、中レベルって所かな、、、」
スタートで選べる星は、無数にあり、
選んだ星によっては、
詰む所もあるらしい。
人のいない未開の星から始めたら、
まさに、そうであるう。
逆に、
始めから宇宙に出る方法もある。
宇宙軍に入隊する方法だ。
スタート時から、新兵として宇宙に出れる。
が、
しかし、
軍人なので、やはり、
色々と制限がある。
自由を愛するプレーヤーには、
この選択肢は無い。
当然、この2人もそうである。
「、、この星は、文明レベルが高い方だから、
宇宙港まで行って、船を手に入れさえすれば、
自由な宇宙を満喫出来るはず、、、
、、けど、、この星、、治安悪い、、と、言うか、
悪くなった、、からな、、、無法地帯?」
「、、マジか、、、。」
「、、ところで、ギフトスキル、貰えた?」
「、、一応、これ、、、」
このゲームは、1ユーザー、1アバター、の、
縛りがある代わりに、ギフトスキルがある。
リアルの能力を、分析して、
このゲーム用の、スキルが、
初ログイン時に、送られるものだ。
最低でも、1つは、送られるが、
多くの人は、複数貰える。
アバターに馴染みやすいように、
与えられるものらしい。
「、、お前〜、、リアルラックの高い奴め、
タフガイ、武の深淵、ラッキー、、って、
、、これで、なんで、魔法使い?」
「、、いいじゃん、魔法使いに成りたいんだから。」
「、、ったく、相変わらず、考え無しだな。」
「ひっどいっ。」
「わははは、、ほれ。」
シンは自身のステータスを見せてくれた。
「わっ、、、すげ〜な〜相変わらず、、、
なになに、
強健、断固たる意志、喧嘩無双、、って、
喧嘩無双って、リアルと一緒じゃんか!」
「わははは、失礼な、、ここ、ここを開くと、
ギフトスキルの詳細が出るから、、、。」
「、、なになに、喧嘩無双、、
武器を持たない戦闘において、体力、
筋力、耐久力、攻撃力が、
30%上昇、敵が1人増える度、
更に5%上昇、
最大700%上昇する。
更に、
武器を持たない時、
威圧が発動し、
カリスマ値30%上昇、
HP自動回復が発動する。
、、、無敵かい!」
「わははは、でも、そうでもない。
みんな、一癖も二癖もあるからな〜。」
「と、言う事で、コレやるよ。
今まで、集めた、ドロップアイテムの装備。」
シンは、ガガにあげる為に集めた装備品を、
手渡した。
「すげぇ、マジ、ありがとう!」
こうしてガガは、
シンとパーティー、いわゆるチームを組んだのだ。
彼は、善良で良い人だが、
それだけでは無い、
ガガに最良の装備を与え、チームの底上げ、
と言う意図もある。
つまり、
ゲームを進めるのに、信頼出来る仲間が必要だと、
判断したのだ。
「どうする? 銃持つ? この星のプレーヤーは、
だいたい持ってるけど、持つならやるよ。」
「ありがとう!、、でも俺射撃ヘタだからなぁ〜、
、、、でも、御守り代りに、拳銃ちょうだい。」
「、、ほい!、、本当に護身用のやつな。」
「サンキュー。」
どうやら本当に治安が悪い星らしいが、
おそらく、他の星も、同じ状況だろう事は、
予想がつく。
シンが言った通り、このゲームは、
自由なのである。
現実世界では出来ない、
犯罪を、
楽しむプレーヤーが、多かったのだ。
ゲーム内にも、その星や、国ごとの法律はある。
が、
そんな事は、プレーヤーには、意味をなさない。
プレーヤー達は、自身の思うままに、
プレーするだけである。
とりあえず、シンに連れられ、
彼のアジトに向かった。
街並みは近代的で、ビルが立ち並び、
店舗も多い、時折りすれ違う人と挨拶した。
「おはようシン、。」
「おはよう。」
「そちらの方は、お友達?」
「そう、いや、違うかな〜」
「おい!」
「ははは、うそうそ、コイツは、ガガ、」
「よろしくです。」
「そう、でも、ずいぶんと、背が高いのね、
それに、エルフの方なんて、私、初めて見たぁ、、、。」
「はは、2メーター15で、キャラクリしました。」
「キャラクリ??その意味はわからないけど、
身長2m15cmあるって事なのね、
驚き、
あっ、そうそうシンさん、
今日のパン、買っていきますか?」
「ああ、後で買いに行くよ。」
「それじゃぁ、またのお越しをお待ちしております。」
そうして2人は、その場を離れて行った。
「まさか、今のNPCか?、、、。」
「ああ、プレーヤーと、区別つかないだろう、
あの話、本当かもな、、、。」
「あれか、、、。」
このゲームの特徴として、
完全な自由度、
そして、
リアルな、NPCがいる事、
これが、他のゲームに比べて、
圧倒的に上なのである。
真実はわからないが、
都市伝説レベルの話だが、
このゲームのサーバーが、
ジオ・コンピューター本社の地下にあり、
世界最高のスーパーわコンピューターが、
このゲームの為に、
10000機稼働しており、
更に、
月面に、
70000機稼働していると、
そんな話だが、
このゲームのクオリティーの高さが、
そう言った話しが生まれたのかも知れない。
確かに、
このゲームのメインサーバーは、
ジオ・コンピューター本社の地下にあるのだから。
ただのゲームに、
そこまでの事をするはずが無いのだし、
また、必要も無い。
実際の所、
NPCのAIが、高いレベルで、
人間と変わらない所は、事実である。
「これじゃ、プレーヤーとNPCが区別出来なくて、
困るんじゃ?」
「、そうでもない、鑑定系スキルが有れば、一発だし、
それに、戦闘になれば、HPバーの上に出る、
ネームの横に、プレーヤーかNPCか表示されるから。」
「へぇ〜なるほど、なるほど、
じゃあ、鑑定系スキルは、早めに取らなきゃな。」
「、、まぁ、必須では無いけどね、
あると、便利ではある。
むしろ、お前の場合、
無詠唱魔法を急いでマスターした方が良い、
銃が蔓延する世界では、、。」
「無詠唱魔法!、、カッコいい!」
「お前、初期魔法は?」
「え?ひょとして、人によって違うの?」
「プレーヤーの潜在能力によって違うらしい。」
「、、えっと、ファイヤーボールと、、
ホーリーレイ?、、ステータス上昇のバフらしい。」
「なんか、お前らしい。」
「そうか?」
ビル街の裏路地に、古い廃ビルがあり、
その中に、2人は入った。
その一室が、綺麗に整えられた、
彼らのギルドホームである。
「ようこそ、我らのギルドホームへ。」
ガガは、
こうして、このギルドに入り、
ゲームを始める事になった。
とりあえず、今は、シンをギルマスにして、
シンの前からのゲーム仲間の、ナナと、
カイン、そして、新たにガガが、加わり、
4人である。
改めてガガは思う。
「、、それにしても凄いですね、
色々とフルダイブ形のゲームやって来たけど、
本当に、現実世界との区別がつかない、、」
カインが答えた。
「、、久しぶりガガ、マジこのゲームは、凄いから、
プレーして見れば、もっと実感するぜ。」
ナナも、会話に入って来た。
「久しぶりですガガさん。
このゲーム本当に凄いから、困っちゃう。
沼るし、
オマケに、リアルに戻って時とか、
つい、こっちの癖が出たり、
大変よ!」
「ははは、ナナは、やりすぎだよ、なぁ、
シン、ガガ。」
「確かにな、、。」
「そうなんだ。」
「もう!シンには、言われたく無いわ!」
その場で笑いが湧き、皆楽しんでいるが、
シンは、少し気になる事があった。
現在、10億人いるプレーヤーによる犯罪率が、
上がっている、
と、言う噂がある事を、
当然、
かつて無い、前代未聞のプレーヤー数のゲームである、
犯罪の多い国のプレーヤーが、
それを上げているのだろうが、
もし、
そうでは無いのであれば、
仮に、
原因の一端が、このゲームにあるのなら、
この先、
楽しくゲームをプレー出来るのであろうかと、
考えてしまうのである。
今も、この星では、
ゲーム内とは言え、
プレーヤーの犯罪が増え続いているのだから。
第1話 完