【第9話】YouTuber指導③
「…!?」
「何驚いてんのよ。早く答えて。」
「全員同じだ。」
「うーん。なんかつまんないなー。1番を決めるとしたら誰?」
「そんなの決めきれん。」
「じゃあ帰らせないし、YouTuberのことみんなに言おっかな。」
「ちょ、ちょっと待て。」
この時、俺は答えを出すのに必死だった。
しかし、この些細な答えで、後の俺の人生を大きく変えることとなるとは、思ってもいなかった。
「え!」
「いや、全く好きでもないぞ。ただ、4人の中で誰を選ぶってなったらの話だ。お前らに恋愛感情なんてこれっぽっちもねえ。」
「またまたー。まあとにかくYouTuber頑張ろ!」
「いや、俺とお前らでは立場が違いすぎるぞ?対等なんて思ってんなよ。」
こんなことを話して、俺は春花と別れた。
━━翌日の放課後…
[今日から本当にYouTuber指導始めてもらうからよろしく!あ、ちなみに私の家ね。]
帰り際に春花からLINEがきた。
そして俺は家に帰って動画を撮った後、冬乃と春花の家へと向かった。
━━ピンポーン
「はーい。」
「来たぞ。」
「よっ!優多!」
「夏海と秋奈は?」
「もう来てるよー。」
━━ガチャ
「あ!ゆたっちー!久しぶりやね!」
「昨日ぶりだろ。」
「もたもたしてないで早く始めなさいよ、三宅。」
やはり俺は秋奈に嫌われてるらしい。
なぜこんなにも冷たいのだろうか。
「よし、じゃあ始めよう。
まずは、リハーサルをしてみるか。」
「リハーサル…?」
春花が言った。
「そうだ、とにかくどんなテーマでも構わない。
俺は見とくから本当に動画を撮る時のようにやってくれ。」
「はーい。」
「はーい!皆さんこんにちはー!令和ドフラミンゴの…」
「おい!お前らはバカなのか?」
「え、なになに。いつも通りやってって言うからやってるけど。」
春花が答えた。
「お前ら令和ドフラミンゴどんだけ気に入ってたんだよ…。」
「あー!キャッスルメゾンか!」
「キャトルセゾンな。」
「てか、それってどういう意味なの?」
「分からないなら調べろ。今そんなことに時間は割いてられない。」
「はーい。」
「はーい!皆さんこんにちは!キャトルセゾンの春花でーす。」
「夏海です!」
「秋奈よ。」
「冬乃…。」
挨拶は問題なさそうだな。
あとは冬乃が声を張ってくれれば完璧だ。
あー、タイプが違うって難し。




