【第7話】ツンデレ『桜木秋奈』
「ねえ。あのLINE何?」
春花だ。
「お前のこと狙っている男たちがいるらしい。
次学校で喋ってるの見られたらもうおしまいかもしれない。」
「私が可愛すぎたのね。」
「自分で何言ってるんや。」
「夏海にも一応言っといた。あとは秋奈。
冬乃は帰りの時に言うつもり。」
「秋奈呼んでこようか?」
「ありがてえ」
「秋奈ー。」
「何ー?」
「優多が呼んでるよー。」
「え?なんで私が呼ばれるの?てか、あいつに呼ばれる筋合いなんてないわよ。」
「おい、全部聞こえてるが、あいつあんなに俺のこと嫌いなのか?」
「そ、そんなことないと思うよ。」
「焦りが出てるぞ。」
「じゃあもう私が行くね。」
「ありがてえ」
「秋奈ー」
「だからあいつのとこには行かないってば。」
「違う。私から話がある。」
「はいよ。」
「あのね、元々その気はないかもだけど、優多には学校ではあんま喋らないようにお願い。」
「え、なんでよ。」
「優多が変なやつに絡まれたらしくてね。」
「指導は?」
「学校以外。登下校も出来るだけなし。」
「てことは…」
「家しかないわね。」
「は?あいつを家にあげるつもり?」
「でも、グループ名とか決めてもらったし、少なくとも恩はある。」
「たしかにそうよ。あいつなんか家にあげたくないわ。」
「たしかに私たちのために一生懸命やってくれたよ?でも…」
「でしょ?しょうがないよ。
そうだ!優多をあげる家を交代制にするっていうのはどうかな?」
「せめてそれ。」
「分かった。じゃあ今日は私の家でいいから。
夏海と冬乃にも伝えとくね。」
「ありがと。」
「もう、なんなのよあいつ。心配させないでよね。」