【第2話】YouTuber指導①
『私たちもYouTuberなんだよ。』
「…え?」
開いた口が塞がらなかった。
こんなグループ見た事がないし、自分と同じだと思うとなんだか嫌だった。
「待て待て、とりあえず学校終わってからじっくり話は聞く。」
「分かった。」
━━帰宅中…
「私がリーダーの春花。」
「私は夏海です!」
「私が秋奈よ。」
「…」
「おい、最後が全く聞こえなかったぞ。」
「あーごめんね。この子人見知りだから。冬乃って言うんだよ。」
春花が言った。
「そこで、お願いなんだけどさ!」
夏海が元気よく言う。
「なんだよ」
『私たちに指導してほしい。』
「さっきも聞いたがバカなのか?」
「考えてみろ。俺は単独でやってる顔出しもしていないゲーム実況者。お前らはグループでやってる顔出しもしているYouTuber。」
「真反対すぎるのに、どうやってお前らを指導するんだ。」
「実はね、私たちゆたっちの影響でYouTube始めたの。だから本当はこの学校にゆたっちが来た事を知った時は驚いたし、めっちゃ嬉しかった。」
「そ、そんなこと言ったって無理なもんは無理だ。」
「え、じゃあみんなにこの事言っちゃおうかな。」
春花が答える。
「それだけはやめてくれ。」
「じゃあ指導して。」
「無理だ。」
「じゃあ…」
「あーもう、わかったよ、やればいいんだろ。」
「なんで知られたくないんだろう。」
冬乃が小さく呟いた。