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21 燃え盛る火山とモンスター

 

 玄武岩を踏み越えて進んでいくと、私たちは次第に周囲からゆっくりとした熱気を感じ始めた。


「アイス食べて身体を冷やしておいて正解だったわね」

「そうだね、ボクも此処は初めてきたけど、とんでもない温度だよ」


 ファリスがそこまで言うってなると、何もせずに来てたら今頃天然のオーブンと化してたんじゃないかしら。あまり考えたくないわ。

 さらに奥へと向かうと、コポコポって音と共に煮えたぎったマグマが姿を現した!


「うわぁ、これがマグマ…初めて見たわ」

「マグマの温度は1000度以上あるんだって、きっと手を付けたりしたら…」

「ちょ、ちょっとファリス、怖いこと言わないでほしいわ!」

「あはは、でもこのマグマの中を泳げるモンスターも居るんだよね」


 えぇ!? いろんな生物がいる川とか海とかとは訳が違うはず…触れるだけで火傷しそうなこんな赤い液体の中を泳げる生き物なんて存在するの? にわかには信じがたいけど、食べられるのかどうかも気になるところね。

 それにしても、舗装された道なんてどこにも見当たらない。グツグツと煮えるマグマに気をつけながら、慎重に足場へ飛びつつ進んでいくしかないわ。


 バオーンッ!

 狼の遠吠え…? いや、狼っていうか、この威圧感は地獄の犬みたいな…。


「もしかして、ヴォルハウンドかな。縄張りが近くにあるのかも」

「どんなモンスターなの?」

「口から強力な火を吐いたり、燃え盛る炎を使って肉弾戦を仕掛けてくる相手だね」


 うわ、聞くからに強そう…。


「またの名を豪炎狼…危険度はジェラキドスと同等ってされてるね。間違いなく強力な相手だから、もし会った時のために気を引き締めよう」

「そ、そうね…」


 ファリスとグランさんが二人がかりで相手をしていたあのモンスターと同じくらい…。

 でもなんだろう、怖いって気がしない。


 すると、マグマに浮かんだ向こうの岩の上を跳んで移動していくモンスターが見えた。


「ヴォルハウンドの幼体だね。すごく急いでるみたいだけど、どうしたのかな」

「何かに追われているみたいだけど…」


挿絵(By みてみん)


 必死に駆け抜けている幼いヴォルハウンドは、私たちの目の前に来ると振り返って辺りを見回していた。

 何を警戒しているのかと考えていると、地面が徐々に揺れだした!


「わ、い、一体何!?」

「こ、この感じは…!」


 ドゴーンッ!

 地面から大きな音を立てて大きな鰐のようなモンスターが…まさかこいつが溶岩の中を泳げるってモンスター!?


「ラヴァルドン! そうか、ヴォルハウンドはこいつから逃げてきたのか!」

「ま、また新しいモンスターね!」


 ラヴァルドンってモンスター、岩を溶かし崩すマグマが全身に付着していてもお構いなしにこっち見てる…! 一体どんな鱗を持ってるのよ!

 次の瞬間、私たちにマグマみたいな液体を口から吐き出した!


「うっわ! 危ないじゃないの!」

「クロエ、ここはラヴァルドンを倒そう。ヴァルハウンドよりは弱いはずだ!」

「分かったわ!」


 武器を構えてラヴァルドンに近づき、剣を振るった!


 ゴキンッ!

 この金属音…! 刃が通らない! 闘争心は十分込めてるのに!?

 お返しとばかりに尻尾で叩かれそうになって急いだ盾で防いだ。


「どういうことよ、あいつの柔らかそうな背鰭を狙ったのに!」

「クロエ、あいつの体表面を見て」


 ラヴァルドンの身体に付着していたマグマがあっという間に冷えて硬化してる…これのせいで肉質が硬くなったみたいね。


「ボクは頭を狙ってみる…!」


 今度はファリスが肉薄して、攻撃をすり抜けつつ顔面へハンマーを横から叩きつけた!

 ゴギィンッ!


「うっ、か、硬い!」


 鈍い音が鳴らない…ファリスの力を持ってしてもあの硬いマグマは叩き壊せないってこと!?


「あの頭部のマグマ、外側が硬くて、内側が柔らかいんだ! これじゃ衝撃を殺されてハンマーも通らないね…」

「えぇ!? どうするの?」


 属性攻撃を仕掛けようにもあいつに火が通るとも思えない。どうすれば…。


「クロエ、水は使えない?」

「み、水?」

「本で見たことが正しければ、あいつのマグマの鎧は水に弱いんだ。君の能力がもし使えればと思ったんだけど…」


 水…たしかに、私は水を魔法で注ぐことができるけど、あれはまだ戦いで使った試しがない。


 そんなことを考えてると、ラヴァルドンがさっきより強力なマグマを吐き出した!


 バウッ! ゴォー!

 それに対抗して、後ろにいたヴォルハウンドが口から炎を吐いてる…!

 一気にいろんなことが起こりすぎよ!


「ダメだ、ヴォルハウンドの方が押されてる!」


 このままじゃこっちにマグマが…やるしかない!

 水の力…水の力…! 両手に闘争心と澄んだ水のイメージを込めた。

 すると、剣と盾がそれぞれ穏やかな水が顕現した!

 よし、咄嗟にヴォルハウンドを押し退けて盾を構える!


 ドジューッ…!


「で、できた!」

「おお…! やったね!」


 水の盾で間一髪、マグマを防げた…!


「クロエ、今度はこっちの番だ。あいつの懐に飛び込もう!」

「了解よ!」


 ファリスが先行して、攻撃を引きつけつつ悉くすり抜けていく。そして、吐き出されたマグマを跳んで躱すと同時に、ハンマーを背中へ叩きつけた!


「クロエ、ボクと同じところへ!」

「ええ!」


 やつはちょうどマグマを吐いたばかりで無防備! 腕を踏み台にして背中に飛んで、ハンマーが叩きつけられてヒビが入ったところへ水流を宿した剣を突き立てた…!


 グルォォォ…!

「よし! 攻撃が通った…!」

「ナイスファイト!」


 外側の硬いマグマを割いて剣を通したからか、内側のアッツアツのマグマが今頃傷口に滲みてるころね!


「これなら行けるわね!」

「うん、次は顔面へーー」


 バオーンッ!!

 な、なに!? この咆哮はさっきの…!

 思い返す間もなく、気がつくと横から大きなオオカミが乱入してきた!


「ファリス、こいつって…!」

「ヴォルハウンド!」


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