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ギルドに行こう!


さてこの世界にはパークという、言わば超能力や魔法といった者が存在することは結構前に紹介したが、どうやら今俺たちが手にした能力は言ってしまえば『人工パーク』のような代物らしい。と言ってもその生み出していたリリィ張本人がもう無力化されているので二度と世に出ることは無いが。


そしてこの『名札集め』に参加している者は、俺のように犯罪を犯した者・借金で首が回らなくなった者・買い取られた者など400名の多岐に渡るらしい。


そんな話を先のママことチナツが説明していると件の『ギルド』に到着した。看板に狼のような動物の内蔵が可愛くデフォルメされて飛び出ている。


「ここです。ギルガルド支部、派遣ギルド『腐った臓物亭』」


「ええ…」


「ネーミングセンスイカれてるな」


「中身は普通の国家直属の公式ギルドなので。それでは入りましょう」


ぎぃ、と扉を開けると忙しく行き交う人の姿が目に止まった。なにやら謎の植物を袋に押し込んでいる職人ぽい人や大量の本をバランス崩して地面にぶちまける人、職員ぽい人と揉めてる鎧を着た男など様々だ。


「冒険者登録はあっちですね。幸い待ち時間は無いようです、早く行きましょう」


「というかそもそも何でその冒険者になる必要があるんだ?なんか意味あるのか?」


「まあ、元犯罪者がなれる職業って言ったら冒険者か物乞いくらいですからね。ギルガルドは他所の国に比べて偏見の目で見られる事が多いんです。どっちがいいですか?」


「冒険者で…」


「それでは行きましょう」


そのまま言われるがまま付いていくと、「登録」と描かれた区画に到着した。なにやら騒がしい気がする。


「な、なんなんだアイツは……」


驚愕しているモヒカンの男に俺は尋ねた。


「やあどうも、何かあったのか?」


「さささっき、Lv5に匹敵するチカラを持つやつが…… あわわ…」


口元を抑えたまま男はどこかへ言ってしまった。


「あれ多分災害レベルのこと言ってたよな?」


「大丈夫ですよお兄さん。そんなLv5に渡り合える力を持つ人がぽんぽん出るわけないじゃないですか!」


「それもそうだな!」


「「ははは!!」」


……


「ええと…それで……その、先程この力を見極める水晶が壊れてしまいまして…、新しく水晶が出来るまで冒険者登録できないというか…私どもとしても想定が…」


「…ちなみにどれくらいかかるんですか?」


「……一年くらい…ですかね」


とのギルド職員との一言により俺たちは追い返されてしまった。


そして午後一時現在。


「おいふざけんなよ!Lv5だか6だか知らんがそいつどこにいるんだ!見つけ次第俺がぶっ飛ばしてやる!!」


「落ち着いてくださいお兄さん!」


「まあ、無いものはしょうがないですね。冒険者登録というのはギルドへ行って登録する方法と何か大きな事件を解決すると向こうから冒険者の誘いが来るので気長に待つしか無いですね」


と、そこで言葉を区切ったチナツがぶるぶると身体を震わせる。


「すいません、ちょっとションベン行ってきます」


「トイレといえトイレと!!」


「あ、お兄さんわたしも行ってきます」


「うん、気を付けてな」


チナツはあんなに「The出来る女」みたいな雰囲気出しつつ言葉の端々がたまに残念なんだよな…。


そんなことを考えつつグラスの中身を飲み干して、ゆっくり息を吐く。


「フー…」


良く考えれば俺たちは今殺し合いをしている最中なんだよな。こんなゆったりのんびりしてていい物か…。椅子に背を預け周りをゆっくり見渡す。綺麗に剪定された植樹、軽快に流れるストリート音楽。それを喝采する街の人々。


「…ん?」


俺たちの近くで飲み物を飲んでいる人がいる。後ろ姿しか見えないがグラスを傾けたまま動こうとしない。

もしや気絶しているのか?


パキラは気になってその人に近付いた。


「あ、あのー大丈夫ですか?」


肩に手が触れた途端に違和感に気付いた。触れた途端にその人は体勢を崩し、椅子から滑り落ちてしまった。


「す、すいません。今起こしますね…!?」


その人と目が合った。


びっしりと深く刻まれたシワ、水気のない顔に肉のない身体には骨が浮き出ている。しぼんだ眼球から水分は失われておりそれはまるで『ミイラ』と言い表すに十分な見た目をしていた。


パキラが驚き手を離し、今一度周りを見ると同じようにミイラ化した人々が周りに次々と倒れていた。


その中でもまだ息がありそうな男を抱きかかえる。


「おい、生きてるか!?今医者に…」


「…く、び……」


「首?」


「そ、の…くび……」


彼は俺のチョーカーを指さしそのまま息絶えてしまった。


「よう兄弟、どうかしたのか?」


後ろから知らない誰かの声がした。


「これは…お前が?」


「さあ、知らないね」


振り返るとそこにはパキラと同年代くらいの男の姿があった。


そしてその首には俺たちと同じあのチョーカーが付けられていた。


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