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作者: 平 一

悪魔の小説書きながら、社会のためにと称しつつ、文明論を描くとは。

何かが憑いてるわけじゃない、と思いたい(涙)……なんちて(笑)。

実際には「古代宇宙飛行士(古代の宇宙人)」仮説のように、

神や悪魔を演じつつ人類を文明化した異星人の物語なので、お許しいただきたいです。


今や人類、神魔の如き技術の力を得て、悪い事も自己責任、悪魔のせいにはできず、

私達自身が〝責任ある神〟にならねばならないといわれます(Y.N.ハラリ)。

現代の神話とは、我々自身の内なる天使を戒め、悪魔をも改心させながら、

全てを活かして文明の持続的発展を図っていく物語ではないかと思います。


今では政策が科学・技術に基づくようになり、宗教も政策から文化活動に重心が移ると共に、

残った政策部分も合理的、国際的、分権的な方向に変化してゆくのではないかと期待します。

元々悪魔は異教の神々が堕とされたもので、それも本来の信仰としては廃れておりましょう。

日本は争いも少なめの八百万の神々の島国、『泣いた赤鬼』を悲しむ優しい文化もあります。


この小説も主題は健全至極で、むしろつまらないほど真面目ですし(おいおい![笑])、

学問的には教科書掲載も可と自負しています(ならこんな物語はマズいだろう![笑])。

加えて、文化は多様性を愛する、サブカルがあるからメインが輝くともいうことで、

どうか神様、寛大な心でご容赦いただきたい……と願いつつ、書きました。


言い訳ばかり書いてしまいましたが、こんな少々特殊な趣味でもお楽しみいただけたら、

他の作品もご覧いただけますと幸いです。

量子頭脳への人格転移マインドアップローディングを達成せる人類の共有人格は、

自種族の全ての量子人格群及び個体群に対し、かく語れり。


『技術と政策は、文明の二本柱なり。

文明活動の本体は、全ての人々が営む経済・社会活動にして、

富を生産し、これを豊かにする活動が科学・技術、

富を分配し、これを健全に保つ活動が制度・政策なりとせば、

両者は各々、次なる十二の経路ルートに分かれん』


挿絵(By みてみん) 


『第一、第二の経路ルートは、

技術と政策が経済・社会活動に直接的に大きく働きかけて、

豊かにし、または健全に保つ、いわば直接経路(ルート)なり。

は農業、工業、情報技術などの主力技術と、

産業・財政、福祉・保険政策などの経済・社会政策なり。

理事種族アスモデウスは、現在の主力技術というべき種族間融和技術、

共用人格演算指示(プログラム)技術や共通個体形成技術の第一人者なり。

また理事種族アドラメレクは、非炭素系の多数種族と少数種族の不和を抱え、

発展途上の宙域も多き銀河系外周星域において、

最も大規模な経済・社会政策を展開し、域内種族の融和と発展を達成せり』


『第三、第四の経路ルートは、

技術利用の必要条件である物的資源と、政策実現の必要条件である人的資源を

確保する、いわば間接経路(ルート)なり。

は土木、機械、光電子、生物工学技術などの周辺技術と、

教育、医療などの人的資源政策なり。

理事種族アモンは現在最も重要な周辺技術というべき、

超空間輸送・通信技術の専門家なり。

また理事種族ゴモリーは、アンドロメダ銀河の旧帝国系種族星域において、

最も必要とされる教育政策を実施し、民主化と自由化を実現せり』


『第五、第六の経路ルートは、

技術と政策が担当組織の内部において、科学・技術の研究・開発や

制度・政策の立案・実施を助ける、いわば自助経路(ルート)なり。

は施設整備、組織運営や人材育成に関わる、

研究・開発技術と行政管理政策なり。

理事種族ストラスは旧帝国時代から科学省長官を務め、

研究・開発技術に関して最高の能力を有せり。

また理事種族アスタロトは、数万の種族からなる帝国艦隊司令長官として、

行政管理政策に関して最良の適性を有せり』


『第七から第十二までの経路ルートは、

技術と政策がお互いを、広義における経済・社会活動の一部として助け合う、

いわば互助経路(ルート)なり。

は政策を助ける社会工学的技術と、技術を助ける技術的政策なり。

これらの経路ルートは、相手方のどの経路ルートを助けるかによりて、

さらに次の三種類に分かれん』


『第七、第八の経路ルートは、

相手方が経済・社会活動全体に働きかける直接経路(ルート)を助けるべく、

自らもまた経済・社会活動全体の中で助ける、広域支援経路(ルート)なり。

は経済・社会活動を助けるのみならず、

実際には経済・社会政策の効率性をも高めて助ける会計・組織技術と、

主力技術の誤用・悪用・副作用を防ぎ、活用を助ける、

環境、防犯、防災などの社会組織・指導に関わる社会工学的政策なり。

理事種族ヴォラクは、

巨大な移動社会ともいうべき帝国艦隊の技術的運用を助ける司令長官補佐として、

社会工学的技術に関する比類なき能力を証明せり。

また理事種族マルコシアスは、

アンドロメダ銀河の中央部を事実上運営し来たる種族として

社会工学的政策に関する最善の資質を実証せり』


『第九、第十の経路ルートは、

相手方の間接経路(ルート)を助けるべく、

経済・社会活動では供給しきれぬ部分を補う、部分支援経路(ルート)なり。

は、個々の業界や家庭では供給し得ざる教育に関する教育技術と、

市場原理や互助活動のみでは困難な大規模施設の建設などを支援・調整する、

社会基盤インフラ政策なり。

理事種族バールゼブルは、旧親衛軍に所属する冷徹な社会性昆虫種族から、

荒廃せる旧皇帝領の長官として民主化や生活向上を先導リードする種族に発展し、

教育技術における最良の業績を挙げたり。

また理事種族ベールは、巨大惑星に群体で生活する非炭素系種族用の

惑星移動機関や分離個体生成設備の建設など、

社会基盤インフラ政策における最大の実績を有せり』


『第十一、第十二の経路(ルート)は、

相手方の自助経路(ルート)を助けるべく、

独自の公共性や権力性を有する技術組織、政策組織に必要な支援を行う、

いわば特注経路(ルート)なり。

は、政府の内部活動を効率化する企画支援技術オペレーションズ・リサーチと、

科学研究・技術開発の健全な推進を助ける研究・開発政策なり。

理事種族アミーはバールゼブルの技術部門副官として、

強大な旧帝国中枢種族を撃退する作戦群の考案と実現を助け、

企画支援技術オペレーションズ・リサーチにおける最大の勲功くんこうを挙げたり。

また理事種族グラシャラボラスは、バールゼブルの民生部門副官として、

戦闘の惨害を最小限にとどめる統一力場障壁の開発を求めてこれに成功し、

研究・開発政策における最上の功績を挙げたり』


『十三番目の理事種族でもある現皇帝種族サタンもまた、

かつては偉大なる〝先帝〟種族のもとで文明開発長官を務め、

技術と政策の双方に通暁つうぎょうせる技術官僚テクノクラート種族なり。

彼女は、〝先帝〟帰化人格群からの指導や他の理事種族からの支援を受けつつ、

さらに多くの種族の長所を開発し、新国家発展のために活用すべく、

国政の民主化や地方分権、官業開放などの分権化を推進しつつあり』


『今や銀河系、アンドロメダ銀河という二大銀河と周辺の小銀河群を含む、

局部銀河群ローカル・グループの統一を達成せる新国家においては、

各種の技術と政策を得意とする多数の種族が連携し、

建設的な競争のもとで、新国家の永続と繁栄のために尽力しつつあり。

ゆえに我等人類もまた、様々な他種族と協力し、

各種の技術と政策の相互作用や均衡バランスに配慮しつつ、

新国家における経済・社会活動の持続的発展に貢献し、

星間社会におけるさらなる地位の向上を目指さん』と。

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