プロローグっぽいもの。そんなお話。
はじめまして、ち~やんです。初投稿になります。
頑張って更新を続けたいと思うので、よろしくお願いします。
誤字脱字等は感想欄にて教えてください。
「あー、寒い。お腹空いた。家帰りたい。」
僕の名前は利上優。突然だが僕は今、砂漠のど真ん中で野宿をしている。
え?何故かって?そんなこと、こっちが聞きたい。
「今まで慎ましく、謙虚に、誰にもケンカを売らずに生きてきたのに......。なんて仕打ち......ぐすっ。暗いし寒いし寂しいし。もう家帰りたい。」
全くなんたること、このスーパー模範的高校生の僕が自分の意志に反して砂漠の真ん中で放置されるなんて。断じて許されるべきではない。公正な裁判と弁護人を要求する!
「謎生物に襲われるし、食糧は謎生物の肉しか無いし、謎生物不味いし......。家帰りたい。」
そう、僕はただ砂漠に放置されている訳ではなく、日夜ハイエナのような見た目の謎生物と戦いながらサバイバルをしなければならない。なぜただのハイエナではなく謎生物なのかというと。
「うわっ!出たっ!」
「「「「グルウゥゥゥゥゥゥ!!!!」」」」
まず、大きさ。デカい。すごくデカい。普通のハイエナが体長1M超なのに対して、このハイエナっぽい謎生物はその5倍近くもデカい。
次に、頭。テレビでよく見るハイエナはまだ可愛らしい顔つきだが、この謎生物はというと、「汚物は追いかけ回して囲んでリンチした挙句食った胃液で消毒だ〜!」とでも言いたそうな凶悪な顔面。始めて見たときは失禁しかけた。
そしてもはや褒めたいくらいまでに凄まじい組織力ときた。必ず数匹で固まって動き、絶え間ない攻撃で決して相手を休ませない。少しでも隙を見せようならば、挽き肉コース確定だ。
奴らはどこにでも湧くので、いついかなるときでも注意が必要だ。現に、僕は現在進行形でビックハイエナの群れに囲まれている。ここはテーブルマウンテンのように崖の上なのにも関わらず、だ。
こんな化け物たちに囲まれて、僕に勝ち目があるわけがない。ここは戦術的撤退で逃げるに越したことはない......はずなんだけど。
「「「「ヴエアァァァァァ!!!!」」」」
変態的な組織力で包囲網を築かれて、なかなか抜け出せない。
「くそー!なんなんだよー!」
「「「「ギャオォォォォン!!!!」」」」
ひたすらに走るが、ビックハイエナの方が少し速いみたいだ。悲鳴を上げる筋肉たちを無視してスピードを上げる。労働基準法?そんなの知るか!
前方に人がひとり入れそうな岩のくぼみを見つけた。そしてラストスパートを掛けて危機一髪のギリギリ回避で滑り込んで―――
―――一瞬の静寂。そして浮遊感。少しして風を切る音。
「......あ」
もしかしなくても落ちている。あらやだー、紐なしバンジーとか余裕で死ねるじゃないですかー。......って、
「なんでだよー!」
こうなったのも全てアイツのせいなんだ。
プロローグです。