表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いや、無理でしょう  作者: 御重スミヲ
6/19

6、保育3


 公爵家の屋敷だ。それはもう馬鹿みたいに広い。空いてる部屋なんていくらでもある。

 個人的には中央らへんの部屋がいいと思ったんだけど。

 そうすれば仕事合間にちょくちょく子供の顔を見に行けるでしょ。

 なのにクレームが入った。子供の泣き声がうるさいって。

 何を言うか、子供は泣くのが仕事でしょうに!

 でもまあ、文句付けたのがうちの両親らしいので、養われてる身としては身を引きますよ、ええ、すごすごと。

 そんな訳で育児室は、私専用の音楽室の隣にお引越し。

 はじめ私のピアノは、中庭に面した風通しのいい部屋にあった。

 ただ、私の腕前があまりにアレなもんで、屋敷の端っこに追いやられたってわけ。

 いいもんね。代わりにママさんたちの休憩時間を長くさせたから。

 彼女たちは、給料が以前の半分になってもいいからって復帰してくれた人たち。

 もともとこのデザイヤノート公爵家に勤めていて、結婚や出産を機に辞めた人たちに、メイド頭から声を掛けてもらった。

 子供は確かに可愛いけど家にこもってばかりいると気が滅入るし、なにより姑と顔をつき合わせてるのがつらいって母親同士、意気投合してたよ。

 子供の内訳は乳児が二人、三歳児、五歳児、六歳児がそれぞれ一人。

 基本、母親たちがローテーションで子供たちの面倒を見て、その他の女性陣が最低一人はフォローに入るかたち。

 特に乳児を抱えるママさんは、どちらか一人いればおっぱいを分けてあげることができるから、互いにうまく時間を融通し合ってる。

 給料含めてどんどん待遇改善していきたいところだけど、なにぶんいまは手探り状態。

 子供の声にかんするクレームはなくなったけど、今度は私がピアノの練習をすると子供たちが泣くという問題が。

 耐えろ、子供たちよ。

 もうすぐ上手くなる予定だからね。

 そうしたら一緒に歌でも歌おう。

 ちなみに公爵家の敷地には別館もいくつかあるんだけど、そっちは別の家族が住んでいる。

 公爵家ともなるといろいろあるんだな。

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ