表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いや、無理でしょう  作者: 御重スミヲ
17/19

17、学院


 なんか今年から、貴族専用の学校に通わなきゃならないらしいよ。

 貴族的な素養が~とか、コネクションをどうたら言われたけど、勉強は教師を雇って家でもできるし、交流はお茶会で間に合ってるし。

 江戸時代の参勤交代みたいなものかね?

 そこを卒業しないと貴族じゃないなんて不文律があるらしくて、なんじゃそりゃな世界。

 そのくせ中身はふつう。設備はやたらゴージャスだけど。

 大学のような講義システムのわりに、制服とか校則とか生徒を縛るところは高校みたい。

 生徒会なんかもあって、それが生徒たちの権利を守る!って建前すらなく、生徒会役員のために存在してるところがまた。

 会長選挙は誰もが第二王子を選ぶ出来レース!

 副会長に指名されちゃう私。

 はぁ~、長い物には巻かれた方が面倒が少ないか。

 くるくるしつつも過去十年間の書類をチェック。

 行事はマンネリ化してる。放課後のクラブ活動も同じく。

 それはそれで平和でいいんだけど、生徒会役員のお茶&菓子の予算はいらんわね。

 応接室ばりのソファーとテーブル入れたのどの世代よ?

 文化祭のバザーにでも出すか。

 ほかの役員は第二王子の側近候補及びその婚約者。

 私が押して押して押せば、慣例なんて引っ込むさ。

 仕事しろー、生徒会室を溜まり場にするなー、カギ閉めるぞはよ帰れー。

 会長がどこぞの男爵令嬢の尻を追いかけて、生徒会室に来ないからって私は代わりに書類にサインしたりしないよ。

 何を言ってもやってもうるさがられるようになってきて、これも成長の証かってちょっと距離を置いたらこのざまだ。

 うかつと言えばうかつだけど、もともと対象外の相手だからなぁ。

 第一、子供だろうと年下だろうと身分が上だろうと、それはそれこれはこれ。

 相応に努力してれば赤の他人でも手助けしたくなるけど、たとえ我が子でも何でもかんでも肩代わりするのは違うと思う。

 実際、本当に変わってあげたい状況&相手には、そうしたくてもできないものだし。

 ボトルネックになってる会長不在で本日は解散だー。

 文句があるならいつでも副会長辞めます。

 王子妃教育だとか言われて王宮にも通ってるけど、視察だの慰問だの王子がするべき公務の代理なんて、ようやらん。

 私はあくまで王子の婚約者であって、まだ王家には所属してないもの。

 添え物として同行するならまだしも、肝心の王子がいないんじゃねぇ。

 王子の衣装代から孤児院に寄付?

 それはけっこうなことですね。

 だから、サインはしないってば。

 そんなあからさまに越権行為の証拠を残してどうするの。

 私を追い落とすための罠かな?

 過去問ならぬ却下された嘆願書は参考までに見てみよう。

 内容以前に無駄の多い書類多し。

 いくつかひな型を作って、さりげなく並べて帰りまーす。

 単なる女官として雇ってくれるなら、バリバリ働くんだけどね。

 王子の婚約者ってパート代も出ないんだわ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ