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いや、無理でしょう  作者: 御重スミヲ
13/19

13、魔法


 十一歳になった。

 魔法判定を受けたら、土魔法の才能があるそう!

 なのに周りの反応が芳しくない。

 なんで?

 我が娘、我が息子たちが言ってたことには「土魔法が最強」なのに。

 呼ばれた魔法教師の蔑みの目。

 なんじゃワレェ、やんのかコラァ。

 思わずメンチ切ったら、渋々教え始めるセンセ。

 なんかフラメンコみたいな踊り踊ってます。

 なんか呪文らしきものを唱えてます。

 〽土の精霊よ、我が願いに応え深淵なるとかなんとか……いや、ダメッ! 恥ずかしい。それ口にしないと発動しないとかどんな苦行よ。

 確かにボコッと地面に穴が開いたね。バケツくらいの。

 すごいことはすごいけど、そんなドヤ顔するほどのこと? 私の魔法への期待値が高すぎたのかな。

 っていうか、あんだけ人を馬鹿にしておいてソレ?

 堂々と胸を張る彼曰く、(訳)自分は水魔法の才が高く、土魔法はおまけのようなもので、なのにこれだけできる自分はすごい。なんてったって二属性、ほんとすごい。

 ジト目で見てたら、コホンと咳払い。

 おもむろに今度は盆踊りのような動きを。

 〽水の精霊よ、我が願いに応え流麗なるなんとかかんとか……やっぱり歌わなきゃダメなの?

 公爵家には魔法専用の練習場があって、的も壁も屋根も上級魔法にも耐えられるって聞いた。

 その的にメロンサイズの水球が当たる。素人がビーチボールを投げたくらいの速度で。

 なんか思ってたのと全然違う。

 大リーガーが硬球投げた方が殺傷能力高いだろう、絶対。

 なのに土魔法オンリーってだけで馬鹿にされるなんて腑に落ちない。

 よし、見とれよ。

 私はこの威張った兄ちゃんよりも、自分の子供たちの言葉を信じる!

 確か……そう、魔法はイメージ。

 体内の魔力だけじゃ量に限りがあるから、空気中から呼吸と共に魔素を取り込むんだったよね。

 まず息を吐く。それから吸う。腹式呼吸~。

 それから臍の下あたりでカクラだかチャクラだかを回す。

 お、なんだかあったくなってきた。

 それを血液に乗せるように全身に回す。

 うおっ、熱い熱い。

 えーと、右手右手、右手に集まれ。急がないと体の中が煮えそう。

 人差し指から魔力を出しながら、土!

 なんたって土魔法だからね。

 銃弾型に固めて発射! おーっと、回転忘れずに!

 的が爆ぜた。

 壁に穴が空いた。

 大騒ぎになった。

 幸い怪我人や死人は出なかった模様。



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